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飢餓ゼロのマラウイを目指して

PR TIMES / 2014年5月16日 19時39分

~女性と環境保護に焦点をあてながら~

食糧不足と気候変動に悩まされるマラウイで、国連WFPはアフリカ気候変動適応支援プログラム(AAP)を通じて、女性の地位向上と環境保護を図っています。



マラウイのカスング県では、燃料にするための薪を集めるのが女性の日課となっています。しかしながら、木を伐採し薪を集めることは森林破壊につながり、ひいては土壌浸食と洪水を引き起こすため、自給自足の農民達に大きな影響を与えます。また環境破壊は生態系を傷つけ、食糧不足や栄養状態の悪化をもたらします。

薪集めは、女性達にとって危険で、とても時間のかかる仕事です。伐採により森林が消失しているため、女性達は限られた木々を求めて長距離を歩くことになり、性暴力に遭う危険性も高まります。

2012年のマラウイ政府の調査では、人口の43%が性差に基づく何らかの暴力的行為に巻き込まれており、被害者の半分以上は女性です。また、マラウイは、国連開発計画(UNDP)が発表した2013年度のジェンダー不平等指数で、世界148カ国中124位という男女間の不平等が最も大きい国の一つです。

アフリカ気候変動適応支援プログラム(AAP)は、日本政府などから支援され、マラウイ全域に展開しています。国連WFPはAAPプログラムを通して、地元政府機関・コミュニティと共に、女性の保護と環境の再生に取り組んでいます。

マラウイ中部のカスング県カプタ村では、2012年1月、気候変動適応プログラムの一環として、燃料効率の良い七輪の導入と、女性の収入創出プロジェクト、さらに植林の活動が開始されました。これらの活動は、環境保護と同時に、女性が安全に、効率よく家事を出来るようにすることを目指しています。

燃料効率の良い七輪製作を担当する女性グループのメンバー10名は、村の人々に七輪を広めています。グループの一員で、4人の子の母親の農家アイビー・ムタリさん(33)は、「燃料効率の良い七輪は、これまでの七輪よりもはるかに少ない薪で同じ強さの火を起こすことができて、その上、煙も少ないんです。」と感想を述べています。

また、これまで調理用の薪を集めるのに3時間かかっていたのが、今では30分で済むようになりました。薪を集めるため外を歩く時間が長くなるほど、性暴力に巻き込まれる可能性も高まります。

よって、この七輪の導入は、女性達を性暴力から遠ざけ、安全を守ることにも貢献しています。「今では薪を近くで集めることができるので、女性達が性暴力に遭遇する件数が本当に少なくなりました。」とアイビーは喜んでいます。

燃料効率の良い七輪は、薪を燃やすときに出る煙と有害物質も少ないため、健康への被害も低減されます。また、七輪の構造上、熱が強く、調理時間も短くて済むという利点もあります。

薪集めと調理の時間が短縮されたことで、女性達は時間を有効に使うことが出来るようになり、今では農作業を行ったり、さらに多くの七輪を製作したりすることに時間を費やせるようになりました。

カプタ村のグループでは、1ヶ月に約70個の七輪を製作しており、近隣の村や国連WFPが連携するNGOに販売しています。

アイビーは「私達は皆、まるで小規模ビジネスのように、年間を通して現金収入を得られるように販売の計画を立てるようになりました」と話しています。グループは、ストーブを売った収益を皆で分割し、新鮮な食材や塩や石鹸などの日用品を買っています。

「私達のグループは七輪作りを是非続けていきたいと思っています。それが家庭を支えることに繋がるからです。この七輪が私たちに恩恵をもたらしたということを理解してもらえるため、市場での販売も好調です。」とアイビーは活動の継続に意欲的です。

これらの活動はさらに、コミュニティのメンバーが村の周辺に木を植える、植林プロジェクトによって補完されています。マラウイの森林破壊は、燃料のための森林伐採や農地拡大により、アフリカの中でも特に速いスピードで進行しています(出典FAO:年間2.8%の森林面積減少)。 新たな森林再生のために、コミュニティが自らグループを組織し、AAPプログラムの支援の下で苗木を植えることに取り組んでいます。2013年末までに、7500本近い苗木を植林し(2012年に約4000本、2013年に約3500本を植林)、2014年も引き続き、積極的にこの取り組みを進めていきます。

日本政府は、UNDPと国連WFPがマラウイで合同で実施しているアフリカ気候変動適応支援プログラム(AAP)に98万2400米ドルの支援をしてくださいました。この支援により、国連WFPは気候変動適応や災害リスク減少に向け21の活動を実施し、また食糧不足の7つの地域に、気候情報センターを設立することができました。今後、マラウイ全土で気候変動適応のための活動を実施し、政府の気候変動事業に盛り込むべく、マラウイ政府、国連WFPとUNDPは現在、AAPプログラムを通して得た教訓と成功事例を取りまとめています。

日本政府は国連WFPのマラウイにおける支援活動に向け、2002年から通算約2600万米ドルの拠出金を供与しています。
(Photo: WFP カプタ村のAAPプログラムのメンバー達。自分達でつくった七輪を市場へ売りに行くところ) 

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