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乳がんの罹患ピークは働き盛り世代、「がん相談ホットライン」によせられる乳がん相談内容内訳を公表

PR TIMES / 2019年6月20日 4時40分

治療、経済面、人間関係と相談内容が多様で複雑化。周囲の理解とコミュニケーションが重要な課題に

ピンクリボンフェスティバル運営委員会事務局(公益財団法人日本対がん協会ほか)は、日本対がん協会が運営する「がん相談ホットライン」の乳がん相談内容内訳(2019年1月~3月)を公表いたします。



「がん相談ホットライン」は、2006年に開設した無料のがん相談窓口です。がん患者さんだけでなく、ご家族などまわりの方々からもお電話いただけます。今年14年目になるこのホットラインは、述べ109,040人(2019年3月末時点)の方にご利用いただき、様々なご相談をお受けしてまいりました。

乳がんに関しては、2000年代から日本でもピンクリボン運動が活性化し、乳がん検診の啓発が広く推し進められてきましたが、年々罹患者数は増え続けています。近年は、医療の進歩により治療の個別化が進んできており、患者の悩みもより一層多様で複雑化してきています。治療と生活を両立する上で生じる悩みに対して、周りの人がいかにその状況を理解し支えていくかが重要になっています。
[画像1: https://prtimes.jp/i/28136/17/resize/d28136-17-258887-0.png ]

■治療、人間関係といった相談内容がますます複雑化
相談内容としては、「がん相談ホットライン」が開設された2006年頃から症状・副作用・後遺症、治療に関する相談が多いことに加え、経済面や就労、人間関係など生活に根付いた相談や、生き方や生きがい、がんとの向き合い方など気持ちの持ち方の相談が増えています。

1.働きながらのがん治療が増加
抗がん剤の副作用対策が進むなどの医療的進歩のおかげで、通院での治療が一般的になりました。また罹患年齢がピークになる40-60歳はまさに働き盛りの世代で、乳がん患者さんの64%は就労を継続しているという研究データ(※)もあります。生きがいとしてだけでなく、長期的な治療のために経済的な側面からも、治療と仕事の両立を選択するケースも少なくありません。家族など限られたコミュニティから職場や社会といった幅広い人間関係への悩み事へと変化したと考えられます。
(※独立行政法人労働者健康福祉機構「がん罹患勤労者の就労に関する研究」)

2.治療の長期化
乳がんは5年を過ぎても再発するケースが少なくないため、ホルモン療法を5~10年まで継続する場合もあり、治療期間が長引く傾向にあります。実際の統計でも、乳がんの死亡率は他のがんよりも低く、治療を終えてからの生活の時間が長くなっています。

3.治療中、外見の変化が見られないことも
医療技術の進歩により、抗がん剤の副作用は以前より改善されてきているものの、脱毛や肌・爪の黒ずみなど、外見の変化は避けられません。しかし一方で、ホルモン療法では外見の変化がほとんど見られないため、まわりからは元気に見え、完治したように思われてしまうこともあります。
実際には更年期のような症状やそのほか様々な症状が出ることもあるため、仕事を休んだり、こまめに休憩をとることがやる気のない人と思われてしまうこともあります。そういった心理的苦痛も生まれています。

4.乳房を喪失した悲しみ
女性の象徴といえる体の一部を喪失し、その後の人生を歩んでいく精神的ダメージは大きいものです。手術時は「生きるための選択」として決断したとしても、治療が落ち着いてきた頃に、実際にその姿を目の当たりにした精神的ショックは想像以上だと言います。
自己肯定感を持てなくなったり、人や社会とのつながりを避けるようになったりと、人間関係や社会生活に影響を及ぼすこともあるようです。具体的には、温泉に行けない、不自由なく幸せに過ごす友人に対する劣等感、そういう自分への嫌悪感、パートナーに術後の胸を見られたくない、またはパートナーが避けてくる、などがあげられます。

5.がんを公表するか、という問題
休職からの職場復帰、または新しい会社への就職の際に、がんを公表するかは必ず突き当たる壁です。採用面で不利になるという心配だけでなく、入社後も社内で公表するかどうか、公表したとしても同僚や上司にきちんと理解してもらえるか、偏見を持たれてしまうのではといった不安が付きまとうといいます。
さらに、お子さんのいる方の場合、通院時間の拘束や体調の変化など負担が大きいため、PTA役員などを断らざるを得ない場合もありますが、正当な理由としてがん治療をしていることを公表しなければならず、親御さんから子どもに伝わることで、自分の子供がいじめられないか心配といった悩みもあります。
一方、公表したことで周囲の理解を得ることができたケースもあり、公表のメリット、デメリットは個人が置かれている状況で大きく変わるのが現状です。


■ピンクリボンフェスティバル実行委員会コメント

[画像2: https://prtimes.jp/i/28136/17/resize/d28136-17-831752-1.jpg ]

2018年度の総務省統計よると、女性の就業率は15-64歳で69.9%を記録しています。女性特有の悩みをもつ病気という特性に加え、上記のような社会的要因も加わり、乳がんにまつわる悩みはより複雑化しています。その悩みに万能の解決方法はありませんが、社会全体、企業が乳がんについて正しく知ることが、課題解決の第一歩となるのではないでしょうか。そして素朴な疑問からでもいいので、乳がんがもっと身近な話題になってほしいと思います。
その話題作りの場を提供し、正しい知識の啓発を行うのが我々ピンクリボンフェスティバルの使命と感じています。乳がんをもっと前向きな話題にしていきましょう。様々なイベントを通し、ピンクリボンの輪を広げていきたいと思っています。
「ピンクリボンフェスティバル2019」公式サイトURL  https://www.pinkribbonfestival.jp/


がん相談ホットライン
日本対がん協会が運営する、無料の電話相談。
がんの患者さんやご家族、大切な人からのご相談を看護師と社会福祉士の相談員が無料でお受けします。

相談日時:毎日(祝日・年末年始を除く)午前10時~午後6時
📞03-3541-7830
※予約は不要です
※相談は匿名で結構です
※相談内容の秘密は厳守します
※電話代は相談者の負担になります
※相談時間は原則20分です

<例えば…こんなときにお電話下さい。>
「今後の生活やお金のことが心配なので、話を聞いて欲しい」
「抗がん剤の副作用が心配です」
「家族にできることは何でしょう」
「担当医から緩和ケアを勧められたのですが、まだ治療を続けたい」
「セカンドオピニオンを受けたいのですが、担当医に言い出しにくい」

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