ケニア:ダダーブ難民キャンプでのソマリア難民50万人への対応が急務

PR TIMES / 2012年6月15日 17時57分



プレスリリース
2012年6月15日

国境なき医師団(MSF)は6月20日の「世界難民の日」を前に報告書「ケニア:ダダーブ難民キャンプでの命の影」を発表し、ケニアのダダーブ難民キャンプでソマリア難民が直面している窮状を訴える。ダダーブキャンプで生活する50万人に及ぶ難民は、行き場もなく不安定な状況での生活を余儀なくされており、MSFはソマリア難民に向けた緊急援助に向けた取り組みが急務であると訴えている。

同キャンプで活動を続けるMSFの報告では、2011年に発生した人道危機から1年が経過した現在、ダダーブキャンプ内での栄養失調率と死亡率は緊急事態とされる水準よりも低下している。しかし、難民キャンプの環境は大幅な改善がなされなければ、医療危機が繰り返される懸念が生じている。医療従事者も新たな緊急事態に備えて状況を注視しなければならない。

ケニアにおけるMSFの活動責任者、エレーナ・ ベリーリャ医師は次のように述べている。
「食糧は確保されていますが、現在のダダーブは避難場所とは呼べません。難民キャンプのシステムが機能していないことは一目瞭然です。打開策の検討が始まるまで、さらなる栄養危機やはしかの流行に見舞われることでしょう」

女性、幼児、高齢者が大半を占めるソマリアからの新たな難民は現在も増え続けているが、現在のダダーブキャンプは身の安全を確保できる場所ではない。キャンプとその周辺では治安が悪化し、MSFや他団体の援助活動にも支障が出ている。

2011年10月に発生したMSFスタッフ2人の拉致事件をはじめとする深刻な治安問題を受け、ダダーブ難民キャンプにおける人道援助活動は縮小し、新規難民の登録や健康状態のスクリーニングが中止された。8ヵ月間経過した現在、新たに到着した難民が目の当たりにしたものは、長期滞在の難民で住居も既に飽和状態のダダーブキャンプだ。はしかやコレラも再三流行している。

MSFはダダーブ難民キャンプでの受け入れに代わる対応策として、国際社会への呼びかけを通じた難民の国外移住の促進、より安全な地域で管理運営がしやすい規模のキャンプへの移転、難民の自活能力を向上させる機会の創出などを提案している。

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MSFはダダーブ難民キャンプを構成する5ヵ所のキャンプの1つ、ダガレイ・キャンプでベッド数300床の病院を運営している。同病院では現在、850人を超える重度の栄養失調児を栄養治療プログラムで受け入れている。また、難民の入院患者1000人の治療にあたる一方、月平均1万4000件の診療を実施している。同病院は、産科医療、外科医療、HIV/エイズ治療、結核治療も行っている。ダガレイでは、さらに4ヵ所の診療所で、産前ケア、予防接種、心理ケアなどの基礎医療を提供している。

2011年10月、MSFの外国人スタッフ、モンツェラット・セーラと ブランカ・ティエボーがダダーブ難民キャンプでMSFが行うソマリア難民を対象とした緊急援助活動中に拉致された。拘束は現在も続いており、MSFは2人が解放されるまで、突発的な危機への対応を除き、ソマリア国内での新規援助プログラムの開始を見送る意向である。


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