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味の素株式会社、足利大学、三井記念病院総合健診センターとの共同研究アミノインデックス(R)がんリスクスクリーニング(AICS(R))の経年受診の有用性についての論文を発表

PR TIMES / 2018年4月17日 15時1分

 現在、日本において国民の2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで亡くなっています。しかし、 平成28年に実施された「国民生活基礎調査」によると、日本のがん検診受診率は、男性(40~69歳)においては、胃がん、肺がん、大腸がんは4~5割程度、女性(40~69歳、子宮頸がんは20~69歳)においては、胃がん、肺がん、大腸がん、乳がん、子宮頸がんは3~4割程度となっており、これは先進国の中でも極めて低い受診率となっています。

 味の素株式会社(社長:西井孝明 本社:東京都中央区)は、がん患者における血液中のアミノ酸濃度バランスの変化を応用し、1回の採血で複数のがんについて、現在がんである可能性をランクA、B、Cの3ランクで評価する「アミノインデックス(R)がんリスクスクリーニング(AICS(R))」の開発を行い、AICS(R)は予防医学領域で展開されています。



 この度、三井記念病院総合健診センタ―におけるAICS(R)受診者を対象に、AICS(R)を経年的に継続して受診した355人について、現在がんである可能性がどのように変化するかを検討しました。AICS(R)の現在がんである可能性はランクA、B、Cの順番に高くなりますが、経年的にランクCへと高くなった症例の中から、実際にがんと診断されたケースが複数確認されました。経年的にランクCへの変動した症例は少なかったものの、これはAICS(R)のランクの経年的な変動から各種のがんが発見される可能性を示唆するものであり、AICS(R)が、がんの予知・予防につながる先制医療の架け橋となる有用な検査である可能性が示唆されました。この研究結果は、2018年3月発行の人間ドック学会誌*1に掲載されております。 

<論文内容の要約>

■研究の背景

アミノインデックス(R)がんリスクスクリーニング(AICS(R))は1回の採血で複種のがんについて、現在がんである可能性の高い受診者を抽出し、それらの対象者に対して精密検査を行うがんリスクスクリーニング検査と位置づけられています。現在、肺がん、胃がん、大腸がん、膵臓がん、前立腺がん、乳がん、子宮がん・卵巣がんの7種についてのAICS(R)が実用化されています。これまでにランクCの受診者の精密検査結果については、三井記念病院健診センターにおける5,172例のAICS(R)受診者を対象とした検討において、AICS(R)によるがん発見率は0.33%となり、2015年度人間ドック全国集計報告の0.26%を上回る結果であり、がんの早期発見・早期予防に有用な検査である可能性が示唆されたと報告されています*2。しかし、AICS(R)経年受診の有用性については明らかになっていなかったことから、AICS(R)を経年的に受診した場合のランク変動とがん発見事例のランク変動に関して検討しました。

■研究の概要

分析対象としたのは2012年2月から2015年6月までに三井記念病院総合健診センターでAICS(R)を経年的に受診した計355例(男性196例、女性159例)の症例です。うち216例(男性115例、女性101例)が2回受診、139例(男性81例、女性58例)が3回受診しています。これらの対象者のランク変動について、 2回目(2年目)、3回目(3年目)受診時までの変動を検討しました(変動割合については補足情報表1、2参照)。

2回受診者中、AICS(胃)がB→Cに変動した受診者から胃がん2例、AICS(乳腺)がC→Cと維持した受診者から乳がん1例、AICS(大腸)がA→Cに変動した受診者からGIST(消化管間質腫瘍)1例が発見されました。(図1-a、b、c)

[画像1: https://prtimes.jp/i/8668/18/resize/d8668-18-370512-1.jpg ]


 3回受診者中、AICS(前立腺)がA→B→Cに変動した受診者から前立腺がん1例、AICS(乳腺)がA→A→Cに変動した受診者から乳がん1例が発見されました。 (図2-a,b)   

[画像2: https://prtimes.jp/i/8668/18/resize/d8668-18-244223-0.jpg ]


 表1には、本研究での各種がんのC判定者数との精密検査受診率ならびに陽性的中率を示しました。なお、本研究の解析対象者である2回目受診者216例、3回受診者139例においては、ランクAまたは、ランクBからのがんの発生は、人間ドックがん検診以外を含めて1例も発見されませんでした。

[画像3: https://prtimes.jp/i/8668/18/resize/d8668-18-888797-2.jpg ]


 2回および3回受診者を合わせた経年受診者でのがん発見率は1.7%((がん発見数/AICS(R)受診者数)×100%=(6名/355名)×100%)と、いずれもAICS(R)1回のみの受診でのがん発見率0.33%より高頻度となっており*2、やはりAICS(R)経年受診はがんの早期発見の契機となる可能性を示唆するものと考えられました。

また、今回の研究では、対象者の多くが人間ドック健診を同時に受診していたが、人間ドック健診からはがん症例は発見されませんでした。 

 現在のわが国でのがん検診は、対策型検診としては肺がん、胃がん、大腸がん、乳がん、子宮頸がんに対して、それぞれ受診者の死亡減少効果のエビデンスがある方法で、健康増進法に基づき市区町村で実施されていますが、その問題点としては低い受診率があります。一方、任意型がん検診としての人間ドック健診では、上記のがん検診に加えてUS(超音波検査)が肝がん、胆嚢がん、膵がん、腎がん検診として行われており、対象臓器それぞれのがんが発見されています。しかしながら人間ドック健診の受診は年間約300万人であることから、がん検診の受診者を増加させるためには、より簡便ながんスクリーニングが必要となります。AICS(R)はこの目的のために確立されたがんリスクスクリーニングであり、5mLの採血でがんの種類や組織型に左右されず、複数のがんを同時に検査でき、早期がんにも対応しています。

 本研究では、AICS(R)の経年受診の有用性を検証することを目的に行いましたが、経年的にランクCへの変動した症例数は少なく、この経年的なAICS(R)受診者のランクC判定者から、ことに前年度ランクCでなかった受診者から様々ながんが発見されたことは、AICS(R)ランクの経年的は変動から、各種のがんが発見される可能性を示唆するものであり、AICS(R)が、がんの予知・予防につながる先制医療の架け橋となる有用な検査である可能性が推察されました。

【論文の題名と著者】

*1アミノインデックス(R)がんリスクスクリーニングの経年受診の有用性の検討
山門 實1,2)、山本浩史3)、山本麻以3)、新美佑有2)、谷 瑞希2)、戸田晶子2)、菊池信矢3)、石坂裕子2)
足利工業大学看護学部1)、三井記念病院総合健診センター2)、味の素株式会社3)

*2新規がん検診としてのアミノインデックス(R)がんリスクスクリーニング(AICS(R))の有用性に関する検討 第三報
山門 實1,2)、山本浩史3)、菊池信矢3)、新美佑有2)、谷 瑞希2)、戸田晶子2)、山本麻以3)、石坂裕子2)
足利工業大学看護学部1)、三井記念病院総合健診センター2)、味の素株式会社イノベーション研究所3)

【補足情報】
[画像4: https://prtimes.jp/i/8668/18/resize/d8668-18-439407-4.jpg ]


[画像5: https://prtimes.jp/i/8668/18/resize/d8668-18-367188-3.jpg ]


<アミノインデックス(R)がんリスクスクリーニング( AICS(R) )>
 血中のアミノ酸濃度を測定し、健康な人とがんである人のアミノ酸濃度のバランスの違いを統計的に解析することで、現在がんである可能性を評価する検査。2011年4月よりサービスを開始し、2018年2月末時点で、人間ドックを中心に全国で約1300の医療施設で採用されている。1回の採血で、男性では5種類のがん(胃、肺、大腸、膵臓、前立腺)、女性では6種類のがん(胃、肺、大腸、膵臓、乳、子宮・卵巣)について、現在がんである可能性をA、B、Cの3段階で評価する。早期のがんにも対応している点が特長。

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