【定説検証】「『ブランドマンション』は関連不動産仲介会社の仲介が多い」は本当なのか?三井・住友・野村・三菱・東急・東建で検証
PR TIMES / 2021年6月17日 17時45分
~中古マンション流通レポート2021年6月vol1~
大手不動産ディベロッパー会社が分譲している、ブランドマンション。高い人気を誇り、中古になっても価値が落ちない物件も多くあります。今回、マンションリサーチ株式会社はブランドマンションの中古取引は関連不動産仲介会社による仲介が多いのかを検証いたしました。
【本記事詳細】https://t23m-navi.jp/magazine/news/brandmansion-chuukai/
東京都23区の各大手不動産仲介会社の市場規模を基準とし「各ブランドマンションがどの程度、仲介されているのか=販売業務受託力」を定量化。相対的に各社の各ブランドマンションの販売業務受託力を比較し、さらに各社の自社ブランドマンション販売への依存度を明らかにしていきます。
【ブランドマンション「販売業務受託力」調査方法】
・三井不動産「パーク・ホームズ」
・住友不動産「シティー・タワー」
・野村不動産「プラウド」
・三菱地所レジデンス「パークハウス」
・東急不動産「ブランズ」
・東京建物「ブリリア」
以下の基準で、大手不動産仲介会社における上記6つのブランドマンションの売出数の割合および販売業務受託力を調査しました。
【結果】
いずれの大手不動産仲介会社も自社ブランドマンションの販売業務受託力は他社と比較して高くなる傾向にあることがわかりました。
しかし、仲介会社の自社ブランドマンション販売に対する依存度は、各仲介会社のマーケットシェアが高ければ高いほど低いようです。つまり、マーケットシェアが高い仲介会社ほど多種多様なマンションを扱い、低い仲介会社ほど自社ブランドマンションの比率が高く、限定的になっているものと考えられます。
1.東京23区全体の中古マンション売出数に対する各社の売出数の割合
[画像1: https://prtimes.jp/i/13438/18/resize/d13438-18-642738-20.png ]
2.東京23区全体のブランドマンション売出数に対する各社のブランドマンションの売出数の割合
3.各社のブランドマンションの販売業務受託力(2./1.)
⇒2.の各社のブランドマンションの売出数の割合が、1.で示すマーケットシェアの何倍かを示す。この数値が高いほど「販売業務受託力」が高いと推測できる。
4.ブランドマンション売出総数に対する各社の売出総数の割合
⇒1.で示すマーケットシェアに対する、各ブランドマンションの依存度を示す。
【1】三井不動産「パーク・ホームズ」
■1.三井不動産リアルティの東京都23区中古マンション販売シェアはトップレベル
東京23区全体の中古マンション販売シェアは、2019年から継続して8%台。大手不動産仲介会社の中でも、トップレベルの水準です。
※【ブランドマンション「販売業務受託力」調査方法】:「【参照】1.東京23区全体の中古マンション売出数に対する各社の売出数の割合」を参照
■2.「パーク・ホームズ」販売シェアは3~4割
[画像2: https://prtimes.jp/i/13438/18/resize/d13438-18-661763-2.png ]
続いて「パーク・ホームズ」の売出数の割合です。各社、23区全体の中古マンション売出数シェアより高い水準のみ色付けしています。
やはり、三井不動リアルティの水準が非常に高いことがわかります。2021年4月末は、4割超。他社を凌駕しています。
■3.「パーク・ホームズ」の販売受託力は他の中古マンションと比較して5倍前後
[画像3: https://prtimes.jp/i/13438/18/resize/d13438-18-173558-3.png ]
自社ブランドである「パーク・ホームズ」の販売受託力は、自社の中古マンション売出数シェアと比較しても4~5倍高く、他社と比べても非常に高い水準となっています。
従って、三井不動産リアルティは自社ブランド「パーク・ホームズ」の販売受託力は高いと判断できます。
■4.自社ブランドマンション販売への依存度は高いといえる水準ではない
[画像4: https://prtimes.jp/i/13438/18/resize/d13438-18-771767-4.png ]
最後に、三井住友不動産リアルティの全体売出数に対する「パーク・ホームズ」売出数の割合を見てみると「5%」前後となっています。
他社と比較して高い水準ではあるものの、三井不動産リアルティ単体の構成比として決して依存度が高い水準とはいえません。
【2】住友不動産「シティー・タワー」
続いて、住友不動産の「シティー・タワー」。関連仲介会社は、住友不動産販売です。
■1.住友不動産販売の東京都23区中古マンション販売シェアは直近データでトップ
東京23区全体の中古マンション売出数シェアは「8~11%」。2021年4月末時点では、大手6社の中でトップです。
※【ブランドマンション「販売業務受託力」調査方法】:「【参照】1.東京23区全体の中古マンション売出数に対する各社の売出数の割合」を参照
■2.「シティー・タワー」販売シェアは3割前後
[画像5: https://prtimes.jp/i/13438/18/resize/d13438-18-984721-6.png ]
さて、続いて「シティー・タワー」全体の売出数に対する各社の割合を見ていきましょう。
住友不動産販売は「3割前後」。2021年4月末時点では4割と、非常に高いシェア率となっています。
■3.「シティー・タワー」の販売受託力は他の中古マンションと比較して3倍以上
[画像6: https://prtimes.jp/i/13438/18/resize/d13438-18-933440-7.png ]
自社ブランド「シティー・タワー」の販売受託力は、自社の中古マンション売出数シェアと比較して3倍以上。相対的に他社と比較して非常に高い水準ですが、2020年には東京建物不動産販売が住友不動産販売を超えています。東京建物不動産販売は、その他の年も他社と比べて高い水準で推移しているようです。
■4.自社ブランドマンション販売への依存度は高いといえる水準ではない
[画像7: https://prtimes.jp/i/13438/18/resize/d13438-18-879885-8.png ]
住友不動産販売の中古マンション全体の売出数に対する「シティー・タワー」売出数の割合は「5%弱」です。
他社と比較して高い水準ではあるものの、依存度が高いといえるほどではありません。
【3】野村不動産「プラウド」
3つ目のブランドマンションは、野村不動産の「プラウド」。関連仲介会社は「野村の仲介+」「ノムコム」で知られている野村不動産ソリューションズ(旧:野村不動産アーバンネット)です。
■1.野村不動産ソリューションズの東京23区中古マンション販売シェアは4番手
野村不動産ソリューションズの東京23区全体の中古マンション売出数シェアは「4~5%」。大手6社の中では4番手の水準です。
※【ブランドマンション「販売業務受託力」調査方法】:「【参照】1.東京23区全体の中古マンション売出数に対する各社の売出数の割合」を参照
■2.「プラウド」販売シェアは3~4割
[画像8: https://prtimes.jp/i/13438/18/resize/d13438-18-342396-10.png ]
東京23区内の「プラウド」全体の売出数に対する各社の割合を見てみると、やはり野村不動産ソリューションズが他社を凌駕しており「3~4割」と非常に高い水準です。
■3.野村不動産ソリューションズの「プラウド」販売受託力は非常に高い
[画像9: https://prtimes.jp/i/13438/18/resize/d13438-18-972314-11.png ]
自社ブランドである「プラウド」の販売受託力は、自社の全体シェアと比較して約6.5~11倍と高く、他社を引き離しています。
■4.野村不動産ソリューションズの「プラウド」販売への依存度はやや高め
[画像10: https://prtimes.jp/i/13438/18/resize/d13438-18-616360-12.png ]
野村不動産ソリューションズの中古マンション売出数に対する「プラウド」の売出数の割合は「10%前後」と高い水準です。販売マンションの10戸に1戸ほどは「プラウド」ということ。従って、野村不動産ソリューションズは、やや自社ブランドマンションへの依存度が高いといえそうです。
【4】三菱地所レジデンス「パークハウス」
続いては、三菱地所レジデンスの「パークハウス」。関連仲介会社は、三菱地所ハウスネットです。
■1.三菱地所ハウスネットのマーケットシェアは大手の中では低い
三菱地所ハウスネットの東京23区全体の中古マンション売出数シェアは「1%以下」。大手6社の中では最も小さく、ここ数年は減少傾向にあるようです。
※【ブランドマンション「販売業務受託力」調査方法】:「【参照】1.東京23区全体の中古マンション売出数に対する各社の売出数の割合」を参照
■2.三菱地所ハウスネットの「パークハウス」販売シェアは高くない
[画像11: https://prtimes.jp/i/13438/18/resize/d13438-18-530284-14.png ]
東京23区内の「パークハウス」全体の売出数に対する各社の割合を見てみると、とりわけ三菱地所ハウスネットが高いということはないようです。
2021年4月末時点の水準では、三井不動産リアルティ、東急リバブルに次いで3位となっています。
■3.自社内の「パークハウス」販売が占める割合は非常に高い
[画像12: https://prtimes.jp/i/13438/18/resize/d13438-18-180576-15.png ]
「パークハウス」総売出数のうち三菱地所ハウスネットが占める割合は高くないものの、自社全体のシェアと比較すると非常に高い水準です。
この割合はここ数年で上昇傾向にあり、販売受託力に関していえば非常に高いといえるでしょう。
■4.三菱地所ハウスネットの自社ブランドマンション販売への依存度は非常に高い
[画像13: https://prtimes.jp/i/13438/18/resize/d13438-18-262661-16.png ]
三菱地所ハウスネットの売出総数に対する「パークハウス」の売出数は、直近のデータで「40%」。これは他社の自社ブランドマンションの販売割合と比較しても、非常に高い水準であり、依存度が高いと判断できます。
【5】東急不動産「ブランズ」
さて続いては、東急不動産の「ブランズ」。関連仲介会社は、東急リバブルです。
■1.東急リバブルの東京23区中古マンション販売シェアは大手6社の中で2~3位
東京23区全体の中古マンション売出数は、大手6社の中でもトップレベル。直近2021年4月末のデータでは、住友不動産販売に次いで2位となっています。
※【ブランドマンション「販売業務受託力」調査方法】:「【参照】1.東京23区全体の中古マンション売出数に対する各社の売出数の割合」を参照
■2.東急リバブルは「ブランズ」販売の3割前後を占める
[画像14: https://prtimes.jp/i/13438/18/resize/d13438-18-149574-21.png ]
東京23区内の「ブランズ」全体の売出数に対する各社の割合は、東急リバブルが「3割前後」と非常に高い水準となっています。
■3.東急リバブルの「ブランズ」販売受託力は4倍弱と高い
[画像15: https://prtimes.jp/i/13438/18/resize/d13438-18-639320-22.png ]
東急リバブルの自社ブランド「ブランズ」販売受託力は、自社の全体シェアと比較して「4倍弱」。他社と比較しても、高い水準となっています。
また三井不動産リアルティ、野村不動産アーバンネットも、大手の中では高い傾向にあるようです。
■4.東急リバブルの「ブランズ」販売依存度は低い
[画像16: https://prtimes.jp/i/13438/18/resize/d13438-18-710541-23.png ]
東急リバブルの売出総数に対する「ブランズ」の売出数は「1%台」。他社と比較してもわずかに高い程度で、自社ブランドマンション販売への依存度は低いと判断できます。
【6】東京建物「ブリリア」
最後は、東京建物の「ブリリア」。関連仲介会社は、東京建物不動産販売です。
■1.東京建物不動産販売の東京23区中古マンションマーケットシェアは小さい
東京23区全体の中古マンション売出数の割合は「1%以下」と、大手6社の中でも非常に低いようです。
※【ブランドマンション「販売業務受託力」調査方法】:「【参照】1.東京23区全体の中古マンション売出数に対する各社の売出数の割合」を参照
■2.東京建物不動産販売の「ブリリア」販売シェアは3割前後と高い
[画像17: https://prtimes.jp/i/13438/18/resize/d13438-18-656737-24.png ]
その一方で、東京建物不動産販売の自社ブランドマンション「ブリリア」の販売シェアは「3割前後」と高く、他社と比較しても高い水準となっています。
■3.東京建物不動産販売の自社ブランドマンション販売受託力は50倍前後
[画像18: https://prtimes.jp/i/13438/18/resize/d13438-18-174265-25.png ]
マーケットシェアが大手6社の中では小さいながらも、自社ブランドマンション「ブリリア」の販売業務受託力に関しては、自社内全体シェアと比較して50倍前後と非常に高いようです。
■4.東京建物不動産販売の自社ブランドマンション販売への依存度は高い
[画像19: https://prtimes.jp/i/13438/18/resize/d13438-18-274820-26.png ]
東京建物不動産販売の売出総数に対する「ブリリア」売出数の割合は「30%前後」。自社ブランドマンション販売への依存度は、非常に高いと判断できます。
【まとめ】大手6社ともに自社ブランドマンションの販売業務受託力は高い
[画像20: https://prtimes.jp/i/13438/18/resize/d13438-18-598003-27.png ]
今回の調査結果から、いずれの大手不動産仲介会社も自社ブランドマンションの販売業務受託力は他社と比較して高くなる傾向にあることがわかりました。
しかし、仲介会社の自社ブランドマンション販売に対する依存度は、仲介会社のマーケットシェアが高ければ高いほど低いようです。つまり、マーケットシェアが高い仲介会社ほど多種多様なマンションを扱い、低い仲介会社ほど自社ブランドマンションの比率が高く、限定的になっているものと考えられます。
【マンションリサーチ株式会社サービスURL】
■不動産売却一括査定サービス『マンションナビ』
https://t23m-navi.jp/
■不動産データクラウド
https://fudosan-data.jp/
■分譲マンションデータ販売
https://mansionresearch.co.jp/s/data_sale
【株式会社マンションリサーチについて】
マンションリサーチ株式会社では、 不動産売却一括査定サイトを運営しており、 2011年創業以来「日本全国の中古マンションをほぼ網羅した14万棟のマンションデータ」「9000万件以上の不動産売出事例データ」及び「不動産売却を志向するユーザー属性の分析データ」の収集してまいりました。 当社ではこれらのデータを基に集客支援・業務効率化支援及び不動産関連データ販売等を行っております。
会社名 : マンションリサーチ株式会社
所在地 : 東京都千代田区九段北1丁目2番11号 エイム東京九段ビル3階
設立年月日: 2011年4月
資本金 : 1億円
Web : https://mansionresearch.co.jp/
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