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武器貿易条約(ATT):交渉は大詰め、米国が鍵

PR TIMES / 2012年7月26日 13時2分



武器貿易条約(ATT)の成立に向けた交渉が、最終局面を迎えている。米国は、規制の抜け穴をなくし、強力な武器取引の国際ルールをまとめるうえで、極めて重要な役割を担っている。

3週間にわたってニューヨークの国連本部で交渉が行われ、条約の草案が7月24日、提出された。各国政府は、27日までの合意を目指し、残る数日、集中的な議論に入る。

規制の抜け穴とは、弾薬、多数の武器、軍需品、関連装備が厳格な規制の対象になっていないことだ。また条約を、武器の譲渡や支援など、あらゆる国際移転に網をかけず、通常兵器の国際貿易のみに適用するというのも、問題だ。

現在の草案では、小型武器は規制対象であり、また、人道に対する罪や戦争犯罪、重大な人権侵害などに使用する場合の原則は、提案に含まれている。

弾薬から国際移転まですべてを規制対象とすることで、人権を守る基準をより厳しくし、規制の重大な抜け穴をふさぐことが必要だ。その時間は、まだ残されている。

抜け穴を残し、緩い規制基準を放置すると、武器は容易に重大な人権侵害の道具と化す。

条約が武器、軍需品、関連装備などすべてを包括的に規制し、人権を守るルールを強化できるかどうか。世界最大の武器輸出国である米国が、どのような決断を下すかにかかっている。

アムネスティは、意思決定の鍵を握るオバマ大統領に対し、直ちに条約の強化に向けた決断を求める。人権を守る、この歴史的な好機を生かすも殺すも、米国次第である。

また、アムネスティは、大多数の国々に対し、強力なATTの実現を目指して、米国に規制の抜け道を容認しない立場を明確に示すよう要請する。

■人権を守るための条約を

草案の最大の弱点は、戦争犯罪ほか重大な人権侵害に使用される武器、軍需品、関連装備が条約の対象外だということだ。このままであれば、小口径砲弾、無人航空機(ドローン)、戦闘用航空機、軍用ヘリコプター、装甲車両、催涙ガスなど、多数の危険な品目が除外されることになる。

また、国際的な武器移転で、国家間の移転や譲渡が対象とならないのも問題だ。その結果、かなりの割合の国際的な武器移転が、条約の対象外となる。

さらに、強力な条約の実現には、いかなる条約違反も取り締まる方策、ブローカー取引管理の強化、少なくとも20年間の武器移転の記録と保管などが必要だ。

一方で、条約の草案には、比較的厳しい規定もある。たとえば、武器移転の決定にあたり厳格なリスク・アセスメントを実施することを義務付けていることだ。もし、武器が重大な人権侵害に使用されるリスクが高い場合、一旦移転が容認された後でも、移転は差し止められる。

交渉参加国は、強力な条約の実現に向けて粘り強く協議し、また米国に対しては人権擁護の立場を明確にするよう要求し続けなければならない。さもなければ、条約に距離を置くシリア、イラン、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)、キューバ、さらにロシアや中国までもが、草案に難くせをつけてくるだろう。

合意に目指して、交渉は夜遅くまで続いている。

アムネスティ国際配信ニュース
2012年7月25日

▼「武器貿易条約(ATT)キャンペーン:かけがえのない命を救うために、武器の規制を」【終了】
https://www.amnesty.or.jp/get-involved/action/att_2012.html

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