教職員アンケート結果を公開!勤務開始時刻前なのに…という仕事、ありませんか?(2024年ver.)
PR TIMES / 2024年12月2日 13時45分
「勤務開始時刻前の日常的な業務がある」と答えた人は全体の84%。児童生徒の登校時間と教職員の正規の勤務時間との兼ね合いの難しさが明らかに。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/114437/22/114437-22-3db489dbcce1144fe9212c5fd20b7264-1080x685.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
規則上の勤務開始時刻、守られていますか?
「勤務開始時刻前に朝の打ち合わせがある」「委員会や部活の指導がある」
中には「勤務開始時刻は朝8:00。…だけど、児童生徒の登校完了時刻は7:50」といった学校もあるとか。そこで今回は“半強制的な早朝残業”の実態について、全国の小中学校・高等学校の教職員から声を集めました。
※ このアンケートは2022年に引き続き2回目の実施となります。前回のアンケート結果は こちら
アンケート概要
■対象 :全国の小~高校年齢の児童生徒が通う一条校に勤務する教職員
■実施期間:2024年10月4日(金)~2024年10月28日(月)
■実施方法:インターネット調査(実施時の設問はこちら )
■回答数 :70件
アンケート結果
Q1. 勤務校において、勤務開始時刻(学校や自治体で定められた時刻)前に組織として行っている日常的な業務はありますか。(複数選択可)
※「組織として行っている業務」には、いわゆる”暗黙の了解”を含みます。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/114437/22/114437-22-a50ada869b16825bbdeb3275ed326bbc-800x800.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
全体の84%の人が「勤務開始前の日常的な業務がある」と回答しました。全ての校種で「登校指導」と答えた人が最も多く、全体では63%に上りました。
また、小学校の53%、中学校では44%の人が「校内の児童生徒指導・支援」と回答しました。中学校では部活動・委員会などの「児童生徒の課外活動指導・支援」に時間を割いていると答えた教職員が44%となり、他の校種より割合が高くなりました。「その他」にはプールの当番や電話対応、グラウンドのライン引きなどを行っているという記述回答が見られました。
前回調査との比較では、新型コロナウイルスの第5類への移行を反映してか「児童生徒の健康観察」が36%から13%へと大幅に下落しており、「なし」と答えた割合も5%から16%に上昇しています。
Q2. 勤務校では、通常、教職員の勤務開始時刻と、児童生徒の登校開始時刻、登校完了時刻はどのような順に設定されていますか。
*1 登校開始時刻…児童生徒が登校してよいとされる時刻(門が開く時刻など)
*2 登校完了時刻…児童生徒がその時間までに登校しなければならない時刻
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/114437/22/114437-22-0f4e9761de81dd7b19b6738032b46f7f-750x600.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
「登校開始時刻が勤務開始時刻前に設定されている」と答えた教職員は合計で85%に上りました。登校開始から登校完了までの間に勤務開始時間が設定されている人が全体の51%となり、校種別では中学校が67%と最も多くなりました。勤務時間開始以降に児童生徒が登校し始めると答えた人は1割程度でした。
回答者の地域別にみると、「登校完了時刻が勤務開始時刻前に設定されている」と答えた回答者は西日本(近畿・中国・四国・九州・沖縄)に多く、それ以外の地域の2倍の割合となりました。
これらの結果は前回のアンケート結果とほぼ変わらず、登校開始・登校完了・勤務開始の時刻には2年間での変化があまりなかったことが示唆されました。
Q3. 設問2で答えた業務に関して、起こっている問題を選択してください。
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/114437/22/114437-22-704e3480d10e24ccf6cafed55d5b51cc-800x742.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
全体の79%が「事実上の勤務開始時刻が早くなっている」と答え、校種別で見ると小学校の86%、中学校の83%に上りました。また「特定の教職員に負担が集中している」と回答したのは全体では44%で、中学校では61%となり他の校種と比べて20%以上高くなりました。
また、回答には年代の差も見られ、20~40代の87%が「事実上の勤務開始時刻が早くなっている」と答えた一方、50~60代では64%と20%以上の開きがありました。
Q3-2. 起こっている問題の詳細を教えてください。
<事実上の勤務開始時刻が早くなっている>
・本来なら勤務開始→登校開始→登校完了の流れが正しいはずだが、そうすると必要な授業・活動時間や休憩時間(実質上ゼロだとしても)が確保できない。
部活動の朝練習可能期間は7:00には顧問は出勤する。毎日6:30には3~5人の職員が出勤している。体育教師は勤務開始時間前にグラウンドに白線を引かなければならない。
問題解決のためには、業務量削減、授業時間削減をするしかない。無理です。【中学校・教員】
・本校は8:30が勤務開始時間なのだが、1時間目の開始時刻が8:30。予鈴は8:25に鳴っている。必然的に勤務開始時刻よりも生徒は早くに登校するし、1時間目の授業がある場合、勤務開始時刻よりも早く到着する必要がある。
私たち教職員もこれが本来おかしいことに気付いて来なかったし、声を上げてこなかったことに非常に最近違和感を感じるようになった。【高等学校・教員】
<特定の教職員に負担が集中している>
・児童の登校開始時刻と教員の勤務開始時刻が30分ずれており、そのギャップを減らそうとしたこともあった。しかし子育て中や出勤に時間のかかる職員がいるため勤務開始時刻を早くすることが難しく、登校時刻を遅らせるのは保護者の反対にあいそうで話を進められない、という状態になっている。結果的には、早く来ている職員が児童の対応をしていることが多い。他の職員に無理強いできないので、管理職の先生が早く来ざるを得なくなっている様子もある。【小学校・教員】
<児童生徒の都合との兼ね合いが難しい>
・子どもの登校時間を遅くしたい(勤務開始時間のあとに)という意見を出しても、保護者が仕事に出ないといけないのでこれ以上遅くできないという話になってしまいます。(下校時間も) 家庭が大変なのはわかります。でもその責任を負うのは福祉行政ではないでしょうか。教育行政はあくまで教育に責任を負うために、教師が授業に専念できる勤務環境を保障してほしいです。【小学校・教員】
・開門を勤務開始時刻と同時にしているので、門前で待機する児童が多くなり、近隣に迷惑がかかっています。【小学校・教員】
<その他>
・本校は勤務シフトという制度があるので、始業は規則上8:30ですが、これを15分単位で繰り上げることができるため、8:30のHRのための準備等の早出も勤務内に収めることができています。【高等学校・教員】
▼まとめ
「勤務開始時刻前の日常的な業務がある」と答えた人は全体の84%に上りました。その内容については「登校指導」と答えた人が63%と最も多く、次いで「校内の児童生徒指導・支援」「部活動・委員会など、児童生徒の課外活動指導・支援」の順でした。
また、教職員の勤務開始時刻と児童生徒の登校時刻の設定についての質問では「登校開始時刻が勤務開始時刻前に設定されている」と答えた教職員が合計で85%となりました。
勤務開始時間と児童・生徒の登校時間が合わないことで起こる問題について、79%が「事実上の勤務開始時刻が早くなっている」と答えました。「本校は8:30が勤務開始時間なのだが、1時間目の開始時刻が8:30。予鈴は8:25に鳴っている。必然的に勤務開始時刻よりも生徒は早くに登校するし、1時間目の授業がある場合、勤務開始時刻よりも早く到着する必要がある。」といった回答もありました。
「特定の教職員に負担が集中している」と回答したのは44%でした。「開門を勤務開始時刻と同時にしているので、門前で待機する児童が多くなり、近隣に迷惑がかかっています」との回答もあり、児童生徒の都合と教職員の正規の勤務時間との兼ね合いが難しいことを示すアンケート内容となりました。
※WEBメディア「メガホン」の記事( https://megaphone.school-voice-pj.org/2024/11/post-5643/ )より、自由記述の内容がご覧いただけます。また全回答がデータもDLしていただけます。
運営団体:特定非営利活動法人School Voice Project
[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/114437/22/114437-22-2e76a148d08d20820bc09c76330dd326-2270x476.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
学校現場の声を「見える化」し、対話の文化をつくるプロジェクト。児童生徒も教職員も「自分の思いや声には価値がある」「私には現実を変えていく力がある」と実感できる学校づくりのために、教職員WEBアンケートサイト「フキダシ」と学校をよくするWEBメディア「メガホン」の運営、政策提言・ロビイング活動を行なっています。
【団体名】特定非営利活動法人 School Voice Project
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