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新報告書「教室内の危機-The Crisis in the Classroom」 発表

PR TIMES / 2018年11月16日 14時40分

適切なトイレの不足により、6億2,000万人の子供たちの教育と健康が危機に

水・衛生専門の国際NGOウォーターエイドは11月16日、学校や家庭における適切なトイレの利用状況を調査した報告書「教室内の危機」を発表し、2030年までに全ての人が適切なトイレを利用できるようにするため、各国政府による緊急対策の重要性を示しました。ウォーターエイドは毎年、国連が定めた「世界トイレの日」(11月19日) を迎えるにあたり、世界のトイレ環境を調査した報告書を発表しています。今年で4回目となる同報告書では、学校や家庭に適切なトイレが設置されていないため、世界中で何百万人もの子供たちの健康、教育および安全が脅かされており、世界では小学校の5校に1校が、また、中学校の8校に1校がどんな形式のトイレも有していないという調査結果を発表しました。



[画像: https://prtimes.jp/i/16535/25/resize/d16535-25-269503-0.jpg ]

世界では学校3校のうち1校の割合で適切なトイレが整備されていないため、子供たちは不衛生かつ安全でないトイレを使う、野外で排泄する、またはトイレがないため学校に行かず自宅で過ごすしかないのが現状です。これは、下痢など、子供たちが命に関わる病気に感染する危険があることを意味しています。また、下痢への感染を繰り返すと、栄養不良になる可能性が高くなります。このままでは、不衛生な環境を原因とする病気により就学機会を失うことになり、子供たちの将来的な可能性を狭めてしまいます。

データの取得が可能であった101か国のうち、何校の学校が適切なトイレを設置できているか調査したところ、西アフリカのギニアビサウではトイレが整備されている学校の割合が最も低く、10校中8校が適切な衛生設備を有していませんでした。続いてニジェールでもわずか24%の学校しか基礎的な衛生設備を設置しておらず、10人中7人以上が家庭にトイレがないため、野外排泄を余儀なくされています。

また、衛生環境の危機は学校だけにとどまらず、サハラ以南アフリカでは推定約3億4,400万人の子供たちが家庭で適切なトイレを使えていません。また、エチオピアは調査対象国の中で、家庭で最低限の基礎的な衛生設備を持たない人口の割合が最も高く、約93%の家庭で適切なトイレが設置できておらず、子供たちは下痢や腸管感染症に感染する危機に晒されています。一方で、学校でのトイレ設置を、優先度を上げて取り組んでいる国もあり、一例として、バングラデシュでは半数以上の学校に適切なトイレが設置されています。

【その他の調査結果】

適切なトイレが設置されていない地域の子供たちは下痢に感染する確率が高く、不衛生な水や衛生設備を原因とする下痢で毎年約289,000人の5歳未満の子供たちが命を落としています。
毎年約14万人以上の5歳から14歳までの子供たちが下痢や腸管感染症で命を落としていますが、多くの場合、清潔な水、適切なトイレ、そして衛生習慣で防ぐことができる可能性があります。
南アジアでは3人に1人の女子生徒が、月経中1日から3日間学校を欠席します。
マダガスカルでは学校3校に1校は機能するトイレを一基も持っていません。また、10人にわずか1人だけが基礎的なトイレを持っており、家庭で最低限の基礎的なトイレを利用できる人口の割合が3番目に低くなっています。
パプアニューギニアでは学校や家庭で適切なトイレを利用できる人口の割合が減少しており、2000年に根絶された水媒介の感染症であるポリオが再び島内で発見されています。
ザンビアでは学校10校のうち7校で基礎的なトイレが設置されており、子供たちの4分の3が初等教育を修了しています。


世界トイレの日、ウォーターエイドは以下の4点を提案します:


各国政府はすべての人が衛生設備を利用できるよう、一層の資金を投入し、モニタリングおよび報告において統合的アプローチと透明性の改善を確保すること。
各国の教育および財務担当閣僚とドナーは衛生サービスに投資し、合意された期限内にすべての人が衛生設備を利用できるようになるための信頼性ある計画を策定すること。
プライバシー、安全、および尊厳が確保されるよう、学校の衛生設備が女子生徒特有のニーズに応えられるようにすること。
障害を持った子供たちが清潔で安全な障害者用トイレを学校で利用できるよう、学校の衛生設備が包摂的なものになるようにすること。


(c) WaterAid/ Tom Saater

ウォーターエイドとは
2030年までにすべての人が安全な水とトイレを利用できる世界を目指し、貧困下で生活する人びとの水と衛生状況改善に専門的に取り組む国際NGOです。1981年にロンドンで設立され、2018年現在、34か国で水・衛生支援を実施しています。2013年、日本法人を設立しました。 http://www.wateraid.org/jp

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