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日経BPコンサルティングとEmotion Tech 自動車業界の「NPS×カスタマージャーニー」について共同調査を実施

PR TIMES / 2017年11月21日 13時1分

「マイカーに対するNPS/顧客体験調査」よりNPSと販売台数成長率に高い相関

NPS上位3メーカー/ブランドは顧客ロイヤルティ向上には「試乗時の体験」、「購入後乗車時の体験」、NPS下位3メーカー/ブランドは「ブランドイメージ」、「店舗の環境」の改善が必要



株式会社日経BPコンサルティング(東京都港区)と株式会社Emotion Tech (エモーションテック)(東京都中央区)は、自動車業界に関する「NPS*1×カスタマージャーニー*2」について共同調査を実施した。この調査・分析手法は日経BPコンサルティングの調査/コンサルティングノウハウとエモーションテックのNPSに関する取扱い知見、感情データ解析技術(特許取得済)を合わせたもので、カスタマーエクスペリエンス(顧客体験 以下CX)の項目が、それぞれ顧客ロイヤルティ指標であるNPSにどの程度の影響力があるか(重要度)*3とNPSをどの程度向上・低下させているか(現状の評価)*4を分析することにより、NPS向上における優先課題を明らかにするものである。さらに、各CXの改善項目の抽出もでき、顧客ロイヤルティの向上の施策策定に活用することができる。

今回、そのトライアルとして、自動車所有者1569名を対象に、NPSと購入までの体験、購入後の体験に関する調査として「マイカーに対するNPS/顧客体験調査」を実施した。調査対象は16メーカー/ブランドである。その結果、分析対象となった12メーカー/ブランドでNPSが高い上位3メーカー/ブランドは、第1位「メルセデス・ベンツ」、第2位「BMW」、第3位「スバル」となった(図1)。この12メーカー/ブランドについて、直近5年間(2012年~2016年)の販売台数年平均成長率とNPSとの相関係数を見たところ、0.88と高い数値を示した(図2)。一般的に、NPSスコアが上位の企業は、事業成長率が高いと言われるが、本調査でも実証された形だ。

また、本分析において、NPS上位3メーカー/ブランドは顧客ロイヤルティ向上には「試乗時の体験」、「購入後乗車時の体験」、NPS下位3メーカー/ブランドは「ブランドイメージ」、「販売店に行く前に参考にした情報」、「店舗の環境」の改善が必要という結果が出た(図3、図4)。

NPS上位のメーカー/ブランドは、第1位「メルセデス・ベンツ」、第2位「BMW」、第3位「スバル」

今回の分析対象となった12メーカー/ブランドにおいて、NPSが1位となったのは、「メルセデス・ベンツ」で、NPSスコア:51.6と、他と比較し突出して高い値であった。次いで、「BMW」(NPSスコア:13.6)、3位に国内メーカーの「スバル」(NPSスコア:2.0)となった(図1)。4位以下のNPSスコアはマイナスと、批判者が推奨者の比率を上回った。「メルセデス・ベンツ」は日頃より、NPSを意識した顧客対応に取り組んでいる成果が表れた結果ともいえる。国内で1位となった「スバル」は、中高年における根強いリピーター(スバルシンパ)がNPSスコアの底上げに寄与している。

自動車メーカー/ブランドの販売台数年平均成長率とNPSにおける相関は非常に高い

調査対象の12メーカー/ブランドの販売台数年平均成長率とNPSにおける相関性についても注目した。その結果、直近5年間(2012年~2016年)の販売台数年平均成長率とNPSとの相関係数を見たところ、0.88と非常に高い相関関係があった(図2)。自動車業界においては、顧客ロイヤルティが高いほど、販売台数に直結すると言えるだろう。

NPS上位3メーカー/ブランドは顧客ロイヤルティ向上には「試乗時の体験」、「購入後乗車時の体験」
NPS下位3メーカー/ブランドは「ブランドイメージ」、「店舗の環境」の改善が必要

NPS上位と下位のメーカー/ブランドで顧客のNPSとCXの関係性において、どのような差異があるのかについて注目した。分析時のサンプル数を確保するために上位、下位それぞれ3つのメーカー/ブランドの回答者をもとに分析を行った。

Emotion Tech社がもつ特許技術(統計解析手法)を用いることにより、NPS対する影響を示す「重要度」(グラフ上青線)、NPSをどの程度向上・低下させているかを示す「現状の評価」(グラフ上赤線)を算出した。

上位と下位とでは、顧客のNPSとCXの関係性は大きく異なり、NPS上位3メーカー/ブランドは顧客ロイヤルティ向上には「試乗時の体験」、「購入後運転時の体験」、NPS下位3メーカー/ブランドは「ブランドイメージ」、「販売店に行く前に参考にした情報」、「店舗の環境」の改善が必要という結果が出た(図3、図4)。

上位3メーカー/ブランドは、店舗に行くまでの体験(ブランドイメージ、TVCM、知人からの紹介、販売店に行くまでに参考にした価格やデザイン安全性に関する情報)においては、NPSへの「重要度」と「現状の評価」に差がない結果となっている。一方、上位メーカー/ブランドでは、来店、購入前の期待値が高いためか、全体的に店舗に行ってからの体験(「商談時の体験」「試乗時の体験」)、納車後の体験(「購入後の運転時の体験」)において重要度と現状の評価にギャップがあった。つまり、これらの体験はNPSに対する影響力が大きい反面、評価が低い。ここに改善の必要性があると見える。

上位3メーカー/ブランドでみると、NPSへ影響を与える要因として重要度が大きいものとして、「試乗時の体験」では、「試乗コースの案内」、次いで、「操作説明」の順となった(表1)。同様に「購入後の乗車時の体験」では、「操作性」が挙がっており、購入後乗車してからの「操作性」が、人に薦める際に大きく影響しているといえる(表2)。

一方、下位3メーカー/ブランドでは、上位とは異なり、「ブランドイメージ」、「販売店に行く前に参考にした情報」、「店舗の環境」が要改善点の上位として挙げられる。特に、「店舗の環境」に関しては、NPSに対する影響力と現状の評価のギャップが最も大きく、その影響項目の中で「居心地の良さ、くつろぎやすさ、落着き」が、突出してNPSへの影響が大きくなっている(表3)。店舗での「居心地の良さ、くつろぎやすさ、落着き」の向上が、NPS向上における大きな要因の1つといえ、下位3メーカー/ブランドが特に改善に注力すべき点といえるだろう。「ブランドイメージ」については、「安全性」が最も高く、「安全性」の向上が、ブランドイメージの向上につながるといえる(表4)。「販売店に行く前に参考にした情報」においては、「キャンペーン情報(値引き等)」が非常に高く、キャンペーンの実施が、人への推奨を高めているといえる(表5)。

(藤澤 一郎=日経BPコンサルティング チーフコンサルタント)

*1 NPS:「Net Promoter Score(ネット・プロモーター・スコア)」の略で、顧客ロイヤルティ(企業やブランドに対する愛着・信頼の度合い)を数値化する指標。NPSは「推奨者の正味比率」と訳される。
具体的には、「友人や知人に対する、その企業が提供するサービスや商品を推奨度」を10~0までの11段階で尋ね、「推奨者(9または10との回答)」の割合(%)から、「批判者(6以下の回答)」の割合(%)を引いた結果を指す。

*2 カスタマージャーニー:顧客が商品を認知し、購買そして使用に至るまでのプロセス

*3 重要度:推奨度を目的変数、各顧客体験における評価を従属変数として、数量化I類と情報量基準を用いて各CX項目のNPSに対する影響力の強さを算出

*4 現状の評価:推奨度を目的変数、各顧客体験における評価を従属変数として、数量化I類と情報量基準を用いて、各CXに対して現状の顧客の評価が、どの程度NPSを向上させているか、もしくは低下させているかを算出


「マイカーに対するNPS/顧客体験調査」について

調査概要:  「マイカーに対するNPS/顧客体験調査」は、自動車所有者1569名を対象に、NPSと購入までの体験、購入後の体験に関して調査を実施。
調査手法:  インターネット調査
調査対象:  日経BPコンサルティング調査モニター
有効回答数: 1569名
調査期間:  2017年9月15日~9月22日
※本調査による調査報告書の発売はございません
下記リンクから、本調査のより詳細のデータ/分析をダウンロードください。

株式会社 日経BPコンサルティング:日経BP社全額出資の「調査・コンサルティング」「企画・編集」「制作」など、コンサルティング、コンテンツ関連のマーケティング・ソリューション提供企業。(2002年3月1日設立。資本金9000万円)

株式会社Emotion Tech:顧客の声を起点とした経営課題の解決、サービス品質の向上を行うサービス、「Emotion Tech」の開発・運営、独自の感情データ解析技術とクラウドシステムを用いた、企業の顧客や社員へのエクスペリエンスマネジメントサービスを展開する企業(2013年3月8日設立。資本金4億3573万円)

本レポートで用いている調査手法及び統計解析手法はEmotion Tech社が保有する特許に該当します。(特許番号:特許第6176813号)
https://www.emotion-tech.co.jp/

図1  分析対象12メーカー/ブランドのNPS
[画像1: https://prtimes.jp/i/21205/26/resize/d21205-26-847183-15.jpg ]



分析対象メーカー/ブランド:トヨタ、日産、ホンダ、三菱、マツダ、スバル、スズキ、ダイハツ、フォルクスワーゲン、メルセデス・ベンツ、BMW、アウディの12メーカー/ブランド、その他
※レクサス、BMWMINI、ボルボ、フォードの4メーカー/ブランドについても調査対象としたが、サンプル数が30件に満たなかったため今回対象外とした

図2  2012年~2016年各社販売台数年平均成長率とNPSの相関

[画像2: https://prtimes.jp/i/21205/26/resize/d21205-26-882107-1.jpg ]


出典:「国内販売台数 年平均成長率」については、マークラインズ社の自動車産業ポータル「情報プラットホーム」のデータを引用

図3  NPS上位3メーカー/ブランドのNPSに対する影響度と現状の満足度

[画像3: https://prtimes.jp/i/21205/26/resize/d21205-26-493423-2.jpg ]


図4   NPS下位3メーカー/ブランドのNPSに対する影響度と現状の満足度

[画像4: https://prtimes.jp/i/21205/26/resize/d21205-26-390512-3.jpg ]


表1  NPS上位3メーカー/ブランドの「試乗時の体験」におけるNPSへの影響項目

[画像5: https://prtimes.jp/i/21205/26/resize/d21205-26-352319-4.jpg ]


表2  NPS上位3メーカー/ブランドの「購入後の運転時の体験」におけるNPSへの影響項目

[画像6: https://prtimes.jp/i/21205/26/resize/d21205-26-662777-6.jpg ]



表3  NPS下位3メーカー/ブランドの「店舗環境」におけるNPSへの影響項目(上位5項目)

[画像7: https://prtimes.jp/i/21205/26/resize/d21205-26-769468-8.jpg ]



表4  NPS下位3メーカー/ブランドの「自動車のメーカー/ブランドに対するイメージ」におけるNPSへの影響項目(上位5項目)

[画像8: https://prtimes.jp/i/21205/26/resize/d21205-26-234787-10.jpg ]


表5  NPS下位3メーカー/ブランドの「販売店に行く前に参考にした情報」におけるNPSへの影響項目(上位5項目)

[画像9: https://prtimes.jp/i/21205/26/resize/d21205-26-263161-12.jpg ]
調査結果の詳細や、自動車業界におけるNPSの有効性、NPS調査結果の分析の詳細については、以下ホームページよりダウンロードできます。
https://www.emotion-tech.co.jp/resource/2017/automobile2_part1

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