フリースケール、ARM(R) Cortex-M0+プロセッサをベースとする業界初の マイクロコントローラ、Kinetis Lシリーズを発表
PR TIMES / 2012年3月22日 15時7分
フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン株式会社(本社:東京都目黒区下目黒1-8-1、代表取締役社長:ディビッド M. ユーゼ)はARM(R)コア・ベースの組込みプロセッサのリーダーとしての役割をさらに強化するため、カリフォルニア州サンノゼで開催されるDESIGN WestにおいてARM(R) Cortex-M0+プロセッサをベースとする新しい「Kinetis(キネティス)L」シリーズ・マイクロコントローラを公開しました。Kinetis Lシリーズのアルファ版サンプルは、2012年第2四半期に供給を開始する予定です。
早い段階でのKinetis Lシリーズ・デバイスの公開が可能になったのは、フリースケールとARMが緊密に連携してCortex-M0+コアの開発作業を進めた成果です。フリースケールは、世界で最もエネルギー効率に優れたプロセッサの仕様策定や開発について、主導的な立場でARMに協力してきました。このプロセッサは、家電製品やポータブル医療システム、スマートメータ、照明器具、電力制御システム、モータ制御システムなど、エントリレベル・アプリケーションのエネルギー効率、低価格、および使い易さの厳格な要件を満たすように設計されています。
マイクロコントローラ開発において30年以上の実績があるフリースケールは、新しいプロセッサの定義と検証では特にI/O制御とデバッグ・サポートについて有益と思われるアイデアをARMに提供しました。その緊密な協業の結果として生まれたのがLシリーズです。このエントリレベルのマイクロコントローラ・ファミリは、傑出したエネルギー効率と使い易さに加え、32ビット・マイクロコントローラKinetisポートフォリオの性能、ペリフェラル・セット、導入のしやすさ、および拡張性を兼ね備えており、さらにARM Cortexアーキテクチャの本来の特長である低消費電力と高性能を活用することができます。
フリースケールの上席副社長兼オートモーティブ・インダストリアル&マルチマーケット・ソリューション・グループ担当ジェネラル・マネージャであるレザ・カゼロニアンは、次のように述べています。「フリースケールは、新しいコアの設計および開発のすべての工程でARMと緊密に連携し、最初のサプライヤとしてCortex-M0+をベースとするマイクロコントローラを完成、公開することができました。今後も、ARMアーキテクチャによる新しい製品を戦略的に市場に投入していきます。新しいKinetis Lシリーズ・マイクロコントローラは、高性能かつ小型でエネルギー効率に優れた次世代の組込みアプリケーションを開発するため設計オプションを飛躍的に拡充します。」
ARMの上席副社長兼プロセッサ・ディビジョン担当ジェネラル・マネージャであるMike Inglis氏は、次のように述べています。「フリースケールは、Cortex-M4プロセッサをベースとするマイクロコントローラを量産化した最初のサプライヤでした。今回のARM Cortex-M0+プロセッサによりそのリーダーシップはさらに強固になるでしょう。Kinetisの製品ラインにLシリーズが加えられたことで、ARM Cortex-M0+プロセッサをベースとするエントリレベルの超低コストのデバイスからCortex-M4プロセッサをベースとする4 MBフラッシュ内蔵で200 MHz処理速度のデバイスに至るまで、業界で最も豊富で拡張性のあるARM Cortex-Mのマイクロコントローラ・ポートフォリオが完成したことになります。」
Kinetis Lシリーズ・マイクロコントローラ
フリースケール独自の低リーク90 nm TFS(薄膜ストレージ)プロセス技術で製造されたKinetis Lシリーズは、動作時および停止時の超低消費電流と卓越した処理性能を融合させることにより、8ビットおよび16ビットのマイクロコントローラで設計を行う際の厳しい電力条件という制限を解消します。そして、オンチップのFlashメモリ・サイズの幅広い選択肢、およびアナログ、コネクティビティ、ヒューマン・マシン・インタフェースの幅広いペリフェラル・オプションにより、多様なアプリケーションの処理能力の強化を可能にします。
Kinetis Lシリーズは、開発者が32ビット・ソリューションの導入を検討する際に障壁となりやすい、エントリレベル製品の設計で重要な使い易さの条件も満たします。マイクロコントローラおよび付属するイネーブルメント・パッケージの機能は視覚的にも感覚的にも理解しやすくなっており、開発者にとって初めてのデバイスでもその機能をすぐに利用することができます。したがって、開発者はKinetis Lシリーズ・マイクロコントローラの能力を最大限に活かしながら、これまでと同様にエントリレベルの製品設計を迅速に行うことが可能です。
Kinetisポートフォリオ内でアップグレードを行う場合は、DSP性能および先進の機能統合の利用が可能な互換性を備えたKinetis Kシリーズのデバイス(ベースはARM Cortex-M4プロセッサ)を利用することができます。
Kinetis Lシリーズの製品ファミリの詳細は、2012年6月に開催するフリースケール・テクノロジ・フォーラム(サン・アントニオ/アメリカ合衆国)で発表する予定です。アプリケーションごとのデモおよび詳細なカスタマ・トレーニングも同時に開催します。詳細については、www.freescale.com/kinetis/LseriesのWebサイトをご覧ください。
ARM Cortex-M0+プロセッサ
ARM Cortex-M0+プロセッサは、従来のCortex-M0を本当の意味での8ビット・コア製品の置換えとして進化させた製品で、他のすべてのCortex-Mクラスのプロセッサとの互換性が維持されています。そのため、設計者は既存のコンパイラやデバッグ・ツールを再利用することができます。新しいARM Cortex-M0+プロセッサは以下の点が進化および強化されています。
・ 2ステージに縮小したパイプラインにより分岐命令の高速実行が可能
・ 1サイクルによるI/Oおよびクリティカル・ペリフェラルへのアクセス
・ プログラム・メモリに対する最適なアクセス
・ ページングが不要な4 GBのリニア・アドレス空間によるソフトウェアの複雑性の軽減および8ビット・コア的に扱えるユーザ・エクスペリエンスの確保
・ 低コストのトレース・ソリューションであるマイクロ・トレース・バッファにより、I/Oリソースを追加せずにバグの迅速な特定および修正が可能
優れた効果を発揮するツールおよびソフトウェア
8ビットおよび16ビットのエントリレベルのアプリケーションをKinetis 32ビット・マイクロコントローラのソリューションに移植し、新しいシステム・リソースを最大限に活用するためには、堅牢に統合された高い導入効果を持つリソースが不可欠です。Kinetis Lシリーズでは、フリースケールのCodeWarrior IDE、MQX RTOS、および付属のミドルウェアを内容とするKinetisデバイス向けの包括的な標準イネーブルメント・パッケージを利用できるだけではなく、幅広いARMエコシステム・パートナー各社からのサポートも受けられます。
フリースケール・セミコンダクタについて
フリースケール・セミコンダクタ(NYSE:FSL)は、先進の自動車、民生、産業、およびネットワーク市場において、業界を牽引する製品を提供する組込みプロセッシング・ソリューションの世界的リーダーです。マイクロプロセッサ、およびマイクロコントローラ、センサ、アナログ製品やコネクティビティといった私たちの技術は、世界中の環境、安全、健康を向上させ、そしてそれらをよりつなげるイノベーションの基盤となります。また、オートモーティブ・セーフティ、ハイブリッドや電気自動車、次世代のワイヤレス・インフラストラクチャ、スマートエナジー、ポータブル医療機器、家電やスマート・モバイル製品といったアプリケーション向けの製品を提供しています。フリースケールは、テキサス州オースチンを本拠地に、世界各国で半導体のデザイン、研究開発、製造ならびに営業活動を行っています。詳細は、http://www.freescale.co.jp/をご覧ください。
FreescaleならびにFreescaleのロゴマークは、米国、またはその他の国におけるフリースケール社の商標、または登録商標です。文中に記載されている他社の製品名、サービス名等はそれぞれ各社の商標です。
(C)2012フリースケール・セミコンダクタ・インク
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