中国:横行する強制立ち退き【アムネスティ】

PR TIMES / 2012年10月15日 9時21分



中国では、地方政府が巨額の借金の穴埋めに住民の土地を没収し、その土地を怪しい取引で不動産開発業者に売却する手法がはびこっている。その結果、暴力が伴う強制立ち退きが増加している。政府に直ちに必要な対応を取るべきだ。

アムネスティ・インターナショナルは10月11日、強制立ち退きの現地調査をまとめた報告書を発表した。その中でアムネスティは、中国で過去2年間、積年の不満の原因である土地開発に伴う強制立ち退きが、いかに著しく増加したかを明らかにしている。

■人権を奪う土地再開発

地方政府は、景気刺激対策事業の資金調達のために国営銀行から巨額の資金を借り、その返済を土地の販売に依存している。

その結果、全国の都市および農村で、自宅から立ち退きを強制された住民の多くが、死亡、殴打、嫌がらせ、留置の被害を被っている。

絶望のあまり、最後の抗議手段として焼身自殺を図る人びともいる。

しかし、中国を牛耳る共産党は、手段を問わず経済成長に貢献した地方の役人を、今もなお昇進させている。土地再開発は、新設された道路・工場・住宅団地はそのいずれも、払った犠牲を問わず、最も明快な、目に見える成果と見なされる。

中国政府は、ただちに強制立ち退きを中止しなければならない。地方役人が違法な業務の執行を奨励する政治的報償、税務利益、昇進は、止めるべきだ。

■果敢に立ち上がり、報復をうける住民たち

アムネスティが調査した強制立ち退きの事例40件のうちの9件で、立ち退きに抗議あるいは抵抗した住民が死亡している。

湖北省武漢市に住む王翠雲(70歳の女性)は2010年3月3日、30~40人の作業員の一団が自宅を取り崩しているとき、抵抗しているうちに掘削機で掘った穴に生き埋めにされた。引き上げたときには、息絶えていた。

地方政府の役人は、住民を自宅から追い出し、土地使用権を売却させるために、開発業者が冷酷な手段での嫌がらせをすることを許可もしくは黙認してきた。

適切な代替住宅だけでなく、国際法が要求する妥当な協議あるいは通知すらほとんどなく、補償金も本来の市場価格をはるかに下回る。

住民は、水道や暖房などの基本サービスを打ち切るなど組織的作戦の被害を受ける。土地取引に反対する公務員は、しばしば報復を受ける。

地方政府と業者は頻繁に暴力団を雇い、鋼棒やナイフを使って住民に暴力をふるわせる。アムネスティの調査で、警察がこれらの犯罪の調査をめったに行わないことが分かった。中国の居住権活動家、弁護士、学者たちも、うなずく結果だった。

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