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北海道・日高地域に新しい野鳥保護区が誕生

PR TIMES / 2021年1月7日 16時15分

個人からのご遺贈により「シマフクロウ」の生息地57.1ヘクタールを購入

 公益財団法人日本野鳥の会(事務局:東京、会長:上田恵介、会員・サポーター数約5万人)は、現在約160羽ほどしか生息していないシマフクロウ(絶滅危惧IA類)の生息地保全のため、北海道・日高管内の2か所の民有林、合計57.1haを購入しました。
 当会では、この保護区を購入するための資金をご遺贈いただきました寄付者のお名前を冠して、「小林野鳥保護区シマフクロウ日高第1」(1.7ha)「小林野鳥保護区シマフクロウ日高第2」(55.4ha)と名づけ、絶滅危惧種の生息地の自然環境を恒久的に保全します。

 注:野鳥保護区の具体的な場所や地名は、シマフクロウの生息かく乱の可能性があることから、公表していません。



[画像1: https://prtimes.jp/i/39807/35/resize/d39807-35-785331-0.jpg ]

[画像2: https://prtimes.jp/i/39807/35/resize/d39807-35-552835-1.jpg ]

[画像3: https://prtimes.jp/i/39807/35/resize/d39807-35-963137-2.jpg ]

(野鳥保護区にすることにより、シマフクロウの生息する針広混交林(上)と河畔林(下)を、恒久的に保全することができる)

1.シシマフクロウ1つがいが繁殖する森林を新たに保全
  <小林野鳥保護区シマフクロウ日高第2>

 日高管内のこの森林には、2017年に1つがいのシマフクロウの生息が確認されました。この生息地は、日高地域におけるシマフクロウの新たな分散地にあたり、今後の繁殖が期待される重要な森林です。今回購入した民有林は法的な保護がされておらず、近隣の開発計画にも晒され、シマフクロウの生息が危ぶまれていました。そこで当会では、当会会員であった故・小林弘明(こばやしひろあき)氏からのご遺贈をもとに、立木を含む土地55.4ha(553,829平方メートル )を購入し、野鳥保護区を設置して保全することにしました。これにより、当森林で繁殖するシマフクロウの生息地保全が一歩前進します。


2.シマフクロウ1つがいが繁殖する森林の保全を強化
  <小林野鳥保護区シマフクロウ日高第1>

日高管内に広がるこの森林には、1998年から1つがいのシマフクロウの生息が確認されています。カツラやミズナラ等の巨木が林立する豊かな河畔林が残されていますが、その大部分が民有林のため、森林伐採をはじめとする開発の恐れがある地域でもありました。そこで当会では、2007年から民有林を購入し、野鳥保護区の設置を開始しましたが、依然として周辺森林には開発の恐れがありました。そのため、故・小林弘明氏からのご遺贈をもとに、隣接する土地1.7ha(17,111平方メートル )を追加購入しました。これにより、当森林で繁殖するシマフクロウの生息中心域の140.6haを一体として保全することができます。

■シマフクロウについて

[画像4: https://prtimes.jp/i/39807/35/resize/d39807-35-258116-3.jpg ]


 河川や湖沼周辺の森林に生息する魚食性の世界最大級のフクロウです。明治期までは北海道内に広く生息していたとされますが、繁殖に必要な直径100cm以上の洞のある大木が森林伐採等により喪失し、餌の魚類が河川改修などにより減少したことで数を減らし、絶滅の危機に瀕しています。現在は北海道中部から東部にかけて約160羽程度が生息するのみです。そして、多くのつがいが巣箱や給餌など、人為的な支援を受けて繁殖しています。生息環境が限られているため、巣立ち後の分散が困難で、近親つがいの形成などの問題も起きています。

 日本野鳥の会では、2004年より生息地の民有林を買い取って独自の野鳥保護区としているほか、植樹や間伐など森林環境の整備のような長期的な活動と、生簀による給餌や巣箱設置などの当面の絶滅を回避するための保護活動を行なっています。
・国指定天然記念物、国内希少野生動植物種、絶滅危惧IA 類


■日本野鳥の会の野鳥保護区について
 <絶滅危惧種の生息地の危機>

 1970~80年代は企業・行政共に環境への配慮よりも産業や経済が優先される時代であり、開発によって自然環境が荒廃していました。国は環境庁を設置したばかりでまだ十分な体制を持っておらず、生き物たちの絶滅も心配されていました。北海道でも、タンチョウやシマフクロウなど絶滅危惧種の生息地が開発の危機に晒されていました。

[画像5: https://prtimes.jp/i/39807/35/resize/d39807-35-313468-4.jpg ]

[画像6: https://prtimes.jp/i/39807/35/resize/d39807-35-875207-5.jpg ]


<生息地を丸ごと守ります>

 彼らを守り、絶滅の淵から救うためには、繁殖できる生息地を丸ごと守ることが有効です。また、進行する開発に迅速に対応するためには、買い取りによる生息地の確保がもっとも有効な方法です。そこでNGOである当会が、先駆的に生息地を買い取って独自の「野鳥保護区」とする運動を1986年より開始しました(タンチョウ:1987年~、シマフクロウ:2004年~)。
[画像7: https://prtimes.jp/i/39807/35/resize/d39807-35-578442-6.png ]


<国内最大の民間自然保護区に>

最初の保護区設置から今日まで34年が経過し、今回の土地購入により、当会所有および協定による野鳥保護区は合計43か所、総面積は3,599ha となりました(タンチョウ2,463ha、シマフクロウ1,104ha、その他32ha)。また、土地所有者との覚書により保全しているシマフクロウの重要な生息地の132haも合わせると、保全面積は3,731haとなります。これは山手線の内側面積の約6割に相当し、絶滅危惧種の保全を目的とした民間の自然保護区としては国内最大の面積です。(景観保護のための民間自然保護区を含めると、前田一歩園財団の3,892haに次ぐ2番目の広さ)。

[画像8: https://prtimes.jp/i/39807/35/resize/d39807-35-625995-7.jpg ]

[画像9: https://prtimes.jp/i/39807/35/resize/d39807-35-215285-8.jpg ]


<ご寄付によって支えられています>

 本件の土地は、野鳥保護区の設置をご希望された故人から生前にご遺贈の申し出をいただき、購入できたものです。当会の野鳥保護区の運動は、ご共感いただいた方々からのご寄付に支えられています。土地の購入だけでなく、野鳥保護区の設置後には、自然環境を良好かつ永続的に維持するため、巡回監視やモニタリング調査、適正な管理など継続的な活動を行なっています。

(詳しくはホームページ https://www.wbsj.org/activity/conservation/bird-reserve/

■「日本野鳥の会」について

 「野鳥も人も地球のなかま」を合言葉に、野鳥や自然の素晴らしさを伝えながら、自然と人間とが共存する豊かな社会の実現をめざして活動を続けている自然保護団体です。

 独自の野鳥保護区を設置し、シマフクロウやタンチョウなどの絶滅危惧種の保護活動を行なうほか、野鳥や自然の楽しみ方や知識を普及するため、イベントの企画や出版物の発行などを行なっています。会員・サポーター数は約5万人。野鳥や自然を大切に思う方ならどなたでも会員になれます。

<組織概要>
組織名 :公益財団法人 日本野鳥の会
代表者 :理事長 遠藤孝一
所在地 :〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル
創立  : 1934(昭和9)年3月11日 *創立86年の日本最古にして最大の自然保護団体
URL   : https://www.wbsj.org/

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