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【wevox】エンゲージメントデータから読み解く、新型コロナウイルス感染拡大が2020年新卒入社1年目の社員に与えた大きな影響

PR TIMES / 2021年3月29日 17時51分

~新型コロナウイルス感染拡大に伴うワークスタイル変化におけるエンゲージメントへの影響~

People Tech (テクノロジーによって人の可能性を拡げる) 事業を展開する株式会社アトラエ (本社:東京都港区、代表:新居佳英、東証一部証券コード : 6194、以下 アトラエ) が提供するエンゲージメント解析ツール「wevox(ウィボックス)」のデータを活用し、COVID-19(新型コロナウィルス感染症)の感染拡大が従業員の働きがいへ与えた影響について、2019年と2020年に入社した新卒入社1年目の社会人(以下、新卒社員)を対象に比較・分析した結果をお知らせいたします。



[画像1: https://prtimes.jp/i/21544/39/resize/d21544-39-542899-0.jpg ]

本調査の結果、2020年に入社した新卒社員の*エンゲージメントの推移は例年と大きく異なり、そのエンゲージメント推移は職種によって大幅に動態が異なることも分かりました。また、2021年の新卒社員の受け入れ・定着支援において重要となる考え方も合わせてお知らせいたします。
*エンゲージメントとは:組織に対する自発的な貢献意欲や、 主体的に仕事に取り組んでいる心理状態を指標化したもの。

■背景
二度目の非常事態宣言が解除されましたが、引き続きCOVID-19の感染拡大防止や新たなワークスタイルとして多くの企業がリモートワークの継続を維持しています。本件を、前回2020年5月に発表した” *新入社員のエンゲージメント低下パターンを分析”からの続編とし、例年とは変わり異例の新年度の始まりだった2020年度の新入社員が直面した問題解決の糸口を探すべく、エンゲージメント解析ツール「wevox」のデータ分析を行いました。こちらの分析結果が、多くの組織・団体のみなさまのお役に立ち、1人でも多くの新入社員の方がエンゲージメント高く働くことができる一助になれますと幸いです。
*新入社員のエンゲージメント低下パターンを分析:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000025.000021544.html

■分析概要
【対象者】
2019年4月・2020年4月新卒入社1年目の社員
特に、継続的且つ十分な回答を提出した社員のみを対象とした
詳細は下記参照

調査対象企業数 93社(両年共通)
2019年新卒社員 329名
2020年新卒社員 183名

【分析対象期間】
2020年4月~2020年12月

【エンゲージメントデータ】
2020年4月~2020年12月の分析対象期間の「wevox」エンゲージメントスコア、約64,000件の回答データを利用

【調査結果】


2020年新卒社員はCOVID-19感染拡大によるワークスタイルの変化の影響を大きく受けており、エンゲージメント推移にも顕著に現れている
営業職の場合、4-8月にかけて大幅にエンゲージメントが低下した後、回復した
ITエンジニアの場合、エンゲージメントが低下しないどころか、むしろ高水準を維持した
職務内容や価値観、性格特性ごとに、ワークスタイル変化の影響は多種多様である


■調査概要
COVID-19感染拡大によって引き起こされた、リモートワークなどのワークスタイルの変化が、新入社員のエンゲージメントにどのような影響を及ぼしたのか調査した結果、職種ごとに異なる形で、非常に大きな影響が見つかった。
営業職の新卒社員の場合、4月から9月にかけて例年より極めて大幅にエンゲージメントが低下した。この時期には、リモートワークなどのあたらしいワークスタイルへの移行によって、オフラインでのコミュニケーションが失われ、営業同行や移動前後の車内によって行われていたフィードバックなどが欠如したのみならず、これらをオンラインで実行するために新たなデジタルツールへ習熟するタスクも課されていた。その結果、人間関係の構築や、仕事内容への理解や習熟に悪影響が生じ、エンゲージメントの急激な低下につながった可能性がある。一方、9月以降多くのスコアは回復した。これは、デジタルツール の利活用への慣れや、新型コロナウイルスに対する理解が進んだことにより一部オフラインでの仕事やコミュニケーションが再開された結果、十分なコミュニケーションとフィードバックが確保されたことが一因にあると考えられる。
一方、エンジニアの新卒社員の場合は、エンゲージメントの低下は見られず、むしろ向上する項目もあった。これは、入社側・受け入れ側ともにデジタルツールのリテラシーが高く、素早くリモートワークに対応できたことや、エンジニアの研修やOJTはオンラインを利用することによって比較的支障なく実施できたことが背景にあると考えられる。また、2020年の方が2019年と比較してスコアの差が大きい項目もあった。これは、オフラインでの対面コミュニケーションが苦手な場合においては、むしろリモートワークのほうが心地よく仕事に向き合えたことが背景にあると推察される。

■詳細
・エンゲージメントの全体的なトレンド

[画像2: https://prtimes.jp/i/21544/39/resize/d21544-39-391987-1.png ]

[画像3: https://prtimes.jp/i/21544/39/resize/d21544-39-813406-2.png ]

このグラフは、調査対象となった新卒社員全員のエンゲージメントと、主要項目のスコアの推移を描画したものである。

グラフから全項目に渡って全体的に下降トレンドであることが読み取れる。これは既存の調査(※1)とも符合しており、 COVID-19の感染拡大によるワークスタイルの変化に関係なく起こっている推移だと考えられる。
(また、全体的に2020年入社の新卒社員の方がスコアの方が高い傾向が見られる。これ自体面白い現象ではあるが、本報告では新しいワークスタイル下でのエンゲージメントの推移に関する分析に集中するため、本報告からは割愛する。)
※1 【wevox】新入社員のエンゲージメント低下パターンを分析|株式会社アトラエのプレスリリース
新入社員のエンゲージメント低下の詳細分析については、こちらを参照のこと。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000025.000021544.html

・営業職のエンゲージメントの推移について

[画像4: https://prtimes.jp/i/21544/39/resize/d21544-39-541774-3.png ]


このグラフは、調査対象の新卒社員のうち、「営業職」という職種ラベルが振られた従業員のみに絞ってスコアの推移を描画したものである。(4月のスコアを0として差分を表示。2019年は152名、2020年は77名)

2019年・2020年ともに、4月より12月のエンゲージメントのほうが低い値になっている。これは全体の傾向と符合している。
一方、2020年の新卒社員については、ほぼすべての項目のスコアが7・8月に向けて急激に下降し、それ以降徐々に回復する傾向が見られる。特異的なのは、キードライバーの「支援」「人間関係」のスコアである。2019年においては4月より5月以降のスコアの方が高くなっている。これは、入社直後から徐々に人間関係を築いていった結果、良好な人間関係の構築が進み、適切な支援が可能になっていくことが理由に考えられる。
一方、2020年においては、この両項目は8・9月に向けて急激に下降していく。これは、リモートワークの環境下で人間関係の構築がうまくいかず、必要な支援も受けられなかったことが原因にあると考えられる。
そして、その結果として他の各項目も大きく低下していると思われる。
一方、2020年の新卒社員のスコアも8・9月を境に急激に回復する。これは、COVID-19 の実態が明らかになり、徐々に一部リモートワークを解除するなど、オフラインのコミュニケーションが取れるようになったことが背景にあると考えられる。

営業職について更に深く考察すると次のような洞察が得られる。

営業職は、コミュニケーションを中心とした感情労働である
営業職の方の中にはオフラインのコミュニケーションを重視しているタイプの価値観を持っている方が多い可能性がある。その場合、リモートワークが与えたストレスが大きい可能性がある

例えば、フィールドセールスの営業職を念頭に置いて考えた場合、先輩営業と共に行動することで業務を学び、様々なフィードバックを移動時に受け取ったり、電話営業のフィードバックを隣に座っている先輩から受け取るなど、オフラインでのコミュニケーションでしか得られない価値がある。
これらが毀損され、また代替がスムーズに用意できなかった結果、特に2020年前半は新卒社員のエンゲージメントが大きなダメージを受けたと考えられる。

最後に、もう2点特徴的なエンゲージメントの変化を紹介する。
2020年の新卒社員の小項目の「ワーク・ライフ・バランス」のスコアは一貫して降下し続ける。
[画像5: https://prtimes.jp/i/21544/39/resize/d21544-39-631362-4.png ]


これは、2020年前半がリモートワーク移行での混乱により、そもそも多くの業務を担当できず*ボアアウトに近い状態であったものが、徐々にリモートワークへ適応したりオフライン勤務が始まることによって仕事が増えてきたことが影響しているのではないかと推察される。
*ボアアウト (bore out) とは、仕事の負荷が低すぎることなどが原因で、仕事に対する活力を失っている状態のこと。


もう1つは、小項目の「部署間の協力」のスコアである。
[画像6: https://prtimes.jp/i/21544/39/resize/d21544-39-209799-5.png ]


こちらは、8月にかけて低下し続けた後、特に上昇することなく低い水準を維持している。他項目の推移と合わせて考えると、徐々に対面での仕事なども可能になってきたことによって、自部署の社員とは良好な関係を築けたものの、部署間を越えた人間関係の構築に課題を抱えたままの新卒社員が例年より多い可能性を示唆している。


・エンジニアのエンゲージメント推移について

[画像7: https://prtimes.jp/i/21544/39/resize/d21544-39-421499-6.png ]

このグラフは、調査対象の新卒社員のうち、「エンジニア」というラベルが振られた従業員のみに絞ってスコアの推移を描画したものである。(4月のスコアを0として差分を表示。2019年は152名、2020年は77名)

エンジニアの新卒社員も、2019・2020年入社ともに全体的なエンゲージメントスコアは下降していくといって良さそうだが、2020年の新卒社員の場合は大きくスコアが低下していない項目や、改善している項目も見受けられ、営業職とはかなり異なったスコア動向が見られる。(「組織風土」など)
2019年の新卒社員の場合、全体的にスコアが下降トレンドであり、先行の調査と符合している。
一方、2020年のエンジニア新卒社員のスコア動向は、2019年のエンジニアの新卒社員や2020年の営業職の新卒社員とも異なる特徴が見られる。
まず、2020年のエンジニアの新卒社員の場合、営業職と異なり、大きなスコアの低下は見られなかった。

これは、以下の3つの要素が関係していると考えられる。

デジタルツールへの迅速な移行
エンジニア職の場合、受け入れる側も入社する側もデジタルツールへの親和性が高く、リモートワーク環境下でも迅速に対応できたと推察される
オンラインでの的確なバフィードバック

エンジニア職の場合、営業職とは異なり、オンライン上でソースコードを中心としたコミュニケーションが可能である。そのためテレワーク環境下でも、研修やOJTなども比較的滞りなく実施出来たのではないかと推察される。エンジニア職を選択する方たちは、そもそも対面のコミュニケーションを重視しない、または対面よりインターネットを利用したテキストコニュニケーションのほうが得意な方が多い事も考えられる。

■提言
2020年のCOVID-19の感染拡大を受け、働く環境が一変した結果、新入社員のエンゲージメントは大きな影響を受けたことがわかった。特に、入社時からリモートワークが続いたことにより、部署や部門の垣根を超えた人間関係を十分に築けない人が例年より多い可能性が示唆された。組織の状況に応じて、支援策を提示することが重要であると考えられる。今後も感染拡大が発生する可能性は低くなく、今からの備えも重要である。
特に本調査が示したように、新しいワークスタイルの影響は職種によって大きく異なる。これは、職務内容とリモートワークの相性や、個々人の価値観や性格特性によって生じるものだと考えられる。
よって、人事担当者及びマネージメント層は職務内容や性格特性に応じたきめ細かいフォロー体制を構築しておくことが、2021年入社の新卒社員のエンゲージメントを高く保ち、活き活きと働く環境を用意することにとって非常に重要であると考えられる。

■wevox学術顧問:慶應義塾大学 島津明人教授のコメント

[画像8: https://prtimes.jp/i/21544/39/resize/d21544-39-666968-7.png ]

2020年度の新卒社員は、入社直後からオンライン研修や在宅勤務が適用されることが多く、通常の新卒社員とは異なる入社プロセスを歩んできました。しかし、*ワーク・エンゲイジメントやその関連要因を継時的に収集したデータは少なく、いつ、誰に、どのような影響が及ぼされたのか、定量的なデータ解析が待たれていました。今回明らかになった特徴は、今後の人事マネジメント、産業保健活動に有益な情報を提供するものであり、更なるデータの蓄積が期待されます。
*ワーク・エンゲイジメント:仕事に対して、前向きで充実した心理状態であることを指す学術用語


慶應義塾大学 島津明人教授について
所属:慶應義塾大学総合政策学部教授
専門学科:臨床心理学、精神保健
研究・活動内容:職場のメンタルヘルスの研究と実践、従業員と職場組織の活性化に関する研究と実践
主な著書
・ワーク・エンゲイジメント ~ポジティブメンタルヘルスで活力ある毎日を~
・ワーク・エンゲイジメント ~基本理論と研究のためのハンドブック~
・職場のストレスマネジメントセルフケア教育の企画・実施マニュアル他多数

■最後に
先述した通り、本ニュースリリースを前回2020年5月に発表した”新入社員のエンゲージメント低下パターンを分析”の続編/第2弾とし、”対処法”についてのニュースリリース第3弾を4月頃配信予定となっている。

■「wevox(ウィボックス)」について
エンゲージメント研究の国内第一人者である慶應義塾大学 島津明人教授の監修に基づき開発されたエンゲージメント解析ツール。”PCやスマートフォンから簡単に回答でき、極めて負担の少ないUI設計”と、導入企業さまからご評価いただく。アンケート結果はリアルタイムで自動集計され、蓄積されたビッグデータと共に解析することで組織ごとの特徴や傾向、課題の特定を可能としている。 現在ビジネス領域のみならず、スポーツや教育の領域でも広く導入が進んでおり、導入組織数は1,800 以上、回答データは累計4,050万件を超える。2019 年度グッドデザイン賞を受賞。(2021年2月10日現在)
wevox公式サイト:https://get.wevox.io/
wevox Twitter:https://twitter.com/wevox_io?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor

■会社概要
社  名:株式会社アトラエ(東証一部証券コード : 6194)
所 在 地:東京都港区麻布十番1-10-10 ジュールA 8F
代 表 者:代表取締役CEO 新居 佳英
URL:https://atrae.co.jp/
事業内容:People Tech事業(wevox・Yenta・Green)
※People Tech事業:“テクノロジーによって人の可能性を拡げる事業を創造していく” という想いを込めてアトラエを再定義した造語

■各種リンク
wevox:https://get.wevox.io/
Yenta:https://page.yenta-app.com/jp
Green:https://www.green-japan.com

■お問い合わせ先
wevoxカスタマーサポート:support@wevox.io
一般:info@atrae.co.jp
報道関係:pr@atrae.co.jp
採用情報:https://www.green-japan.com/company/172

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