「遠隔医療におけるエッジコンピューティング技術を活用した情報処理の実現方式」に関する共同実験について
PR TIMES / 2021年11月18日 14時0分
~エッジコンピューティング技術とAIを活用し、容体悪化の早期発見手法確立に取り組む~
株式会社T-ICU(本社:兵庫県神戸市、代表取締役社長/医師:中西 智之、以下、T-ICU)と、西日本電信電話株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:小林 充佳、以下、NTT西日本)は、この度、「遠隔医療におけるエッジコンピューティング技術※1を活用した情報処理の実現方式」に関して共同実験を開始いたしました。この実験の成果を生かし、withコロナ/afterコロナ時代を見据えたリモートワールド(分散型社会)を実現し、地域医療の人材不足などの社会課題を解決することをめざします。
※1 IoTデバイスの近傍にサーバーやストレージなどを分散設置し計算処理を効率化することで、データ処理の低遅延化やパブリッククラウド等へのネットワーク帯域の削減が可能となる技術
[画像1: https://prtimes.jp/i/33988/40/resize/d33988-40-dc88336d54d1b6f5f690-4.png ]
1.背景
T-ICUは2016年に創業し、「Anywhere, we care. すべての病院に集中治療医を」をミッションに、遠隔ICU※2におけるサポートサービスを手がけてきました。集中治療医・集中ケア認定看護師のチームを擁し、病院向けに専門性の高いサポートを提供する事業会社です。
T-ICUは、遠隔相談システムの「リリーヴ」により契約いただいている病院からの相談に対応する一方で、院内での遠隔モニタリング支援するシステム「クロスバイ」を提供し、導入病院内での効率的な医療提供に貢献してまいりました。
「クロスバイ」導入施設においては、重症患者への看護人員が不足するなか、医療従事者によるモニタリングが常時おこなわれており現場の大きな負担となっています。このような中、医療現場からT-ICUに対し、重症患者管理を専門とする集中治療医が不在となる夜間等の時間帯において、T-ICUが遠隔でモニタリングのうえ重症度に応じたアドバイスを提供してもらいたい、というご要望をいただいているところです。この要望を実現するためには、モニタリングの際に発生するデータを低遅延かつセキュアに処理することが必要不可欠です。
NTT西日本は、社会を取り巻く環境変化がもたらすさまざまな課題に対し、ICT を活用して解決する先駆者「ソーシャルICTパイオニア」として社会の発展に貢献し、地域から愛され、信頼される企業に変革し続けることをめざしています。その一環で、西日本エリアの各地に展開している通信ビルや通信設備を最大限活用した、よりセキュアで高品質のクラウドサービスを提供可能なエッジコンピューティング技術の検討を進めています。この技術の活用により、withコロナ/afterコロナ時代を見据えたリモートワールド(分散型社会)を実現することで、地域の人材不足などの社会課題の解決をめざしています。本共同実験に関しても、このエッジコンピューティング技術のユースケースのひとつになりうると考えています。
※2 遠隔 ICU は遠隔医療のひとつで、集中治療における診療支援システムである。すなわち、専門家同士で協力して重症患者における医療体制を提供する、ビデオ音声通話やコンピュューターシステムのネットワークである。
出典:日本集中治療医学会 ad hoc 遠隔 ICU 委員会.「遠隔ICU設置と運用に関する指針2021-4月」〈https://www.jsicm.org/pdf/Guidelines%20of%20Tele-ICU.JSICM2021.pdf〉
2.実験の内容
本共同実験では、実証実験にご協力いただいている病院からNTT西日本の閉域ネットワークを介してサーバーが設置されているエッジコンピューティング拠点まで映像を転送します。T-ICUの技術でその情報処理を行い、モニタリングセンタからの医師・看護師等による遠隔モニタリングを実現します。共同実験では、遠隔モニタリングに用いる高品質な映像が病院からNTT西日本の閉域ネットワークへ転送できること、容体悪化の兆候に関してAIによる推論ができることを評価するとともに、エッジコンピューティング技術に必要とされる要件についても評価します。こうした取り組みを通じて、医療情報を電子的に管理する上で準拠すべきガイドラインを念頭に、今後遠隔医療を提供する際に必要となる要件や技術課題を把握することをめざしています。
■実験期間
2021年11月~2022年2月(予定)
■両社の役割
・T-ICU・・・遠隔ICU技術の提供、遠隔モニタリングに必要な情報処理技術の検討
・NTT西日本・・・エッジコンピューティング技術の提供、クラウド化に係る要件の検討
3.今後の展開
今回の実証実験では基本的な動作確認と要件確認を行います。この実験で得られた知見を活かし、新たな遠隔ICUサービスの実現について継続して検討してまいります。T-ICUとNTT西日本は、このサービスにより、地域の人材不足などの社会課題を解決することをめざします。
【共同実験に伴ってのコメント】
T-ICU代表取締役社長 / 医師 中西 智之
[画像2: https://prtimes.jp/i/33988/40/resize/d33988-40-c1d8e354630e433013a4-1.jpg ]
私達は遠隔ICUを通じて医療のIT化を促進し、効率化を図ることで、地域間・病院間の診療レベルの格差を改善します。そのためには通信の安全性や速度が大変重要になります。それに関してNTT西日本様と共同実験が出来ることは実現に向けての大きな一歩であり、しっかりと成果を出します。T-ICUはIT化の向こうに行政や企業との連携も視野に入れ、医療のDXを実現します。
本件に関するお問い合わせ先
株式会社T-ICU
研究開発部 遠山
Mail:contact@t-icu.co.jp
※お問い合わせの際は、電話番号をお確かめのうえ、お間違いのないようお願いいたします。
※ニュースリリースに記載している情報は、発表日時点のものです。現時点では、発表日時点での情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承いただくとともに、ご注意をお願いいたします。
提供サービスについて
遠隔相談システム「リリーヴ」
全国的に専門家が不足する重症患者診療の現場を、集中治療医・集中ケア認定看護師で構成されたメディカルチームが24時間365日サポート。命に関わる重症患者診療を担う医療スタッフの不安に寄り添い、呼吸・循環管理、鎮静・鎮痛、感染症治療などの全身管理を最新の知見と豊富な経験で支援する遠隔相談システムです。
[画像3: https://prtimes.jp/i/33988/40/resize/d33988-40-bfe7fceefd8a2a735c3a-2.png ]
「リリーヴ」サービス紹介URL:https://www.t-icu.co.jp/service/relieve/
遠隔モニタリングシステム「クロスバイ」
ベッドサイドに配置した高性能カメラにより、これまでにない患者観察が可能に。患者の表情や顔色、呼吸様式の観察までもが可能となり、人工呼吸器を含む各種医療機器と接続することで、多面的な患者情報を院内の離れた場所へ届けることが可能な遠隔モニタリングシステムです。COVID-19患者受け入れ病院での医療の提供と医療従事者への感染防止策としても、導入頂いております。
[画像4: https://prtimes.jp/i/33988/40/resize/d33988-40-b276afd9a6a6e4e361e0-3.png ]
「クロスバイ」サービス紹介URL:https://www.t-icu.co.jp/service/closeby/
【株式会社T-ICU】
事業内容:集中治療支援・医療情報提供サービス・医療コンサルティング等
代表取締役社長/医師:中西 智之
所在地:〒651-0085 兵庫県神戸市中央区八幡通3丁目2-5 IN東洋ビル605
URL: https://www.t-icu.co.jp/
代表経歴:
2001年 京都府立医科大学 医学部 卒業
2003年 熊本赤十字病院 心臓血管外科
2007年 大和市立病院 麻酔科
2009年 武蔵野赤十字病院 救急救命センター
2013年 守口生野記念病院 救急科
2019年 聖マリアンナ医科大学 非常勤講師(救急医学)
2019年 東京女子医科大学 非常勤講師
2021年 東京医科歯科大学 客員准教授
2021年 Marine city medical college&Hospital 国際客員准教授
集中治療専門医・救急科専門医・麻酔科専門医 等
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