ユニセフ・WHO最新の報告書を発表
PR TIMES / 2013年5月15日 9時44分
[[ トイレが使えない人は、3人に1人 ]] このままでは、ミレニアム開発目標の達成は困難
※本信は、5月13日にユニセフが発表したプレスリリースを元に日本ユニセフ協会が作成・配信しています
本報告書は、水とトイレの利用に関する国連ミレニアム開発目標の進捗状況を確認するため、
国連が毎年発行しています。報告書全文と国別の統計(英文)は、
http://www.wssinfo.orgからダウンロード可能です。
【2013年5月13日 ジュネーブ・ニューヨーク発】
ユニセフと世界保健機関(WHO)は、新たな共同監査プログラム(JMP)報告書を発表。
『衛生施設と飲料水の前進:2013』と題するこの報告書は、現状の取り組みのままでは、
ミレニアム開発目標(MDGs)達成目標年の2015年時点で改善された衛生設備(以下、トイレと記載)
を使えない人は、世界人口の3分の1にあたる約24億人に上るとしています。
MDGsは、2015年までに、トイレが使えない人の割合を1990年時点と比べ半減するという目標を
掲げていますが、本報告書は、現状の取り組みのままではこの目標の達成は厳しく、
新たに5億人への支援が必要と指摘しています。
■ 取り組みが遅れている”トイレ”の分野
ユニセフとWHOは、昨年、ミレニアム開発目標の指標のひとつ「安全な飲料水を使えない人々の割合を半減する」という目標が、
2015年の目標達成期限より早く2010年時点で達成されたことを発表しました。しかしこの一方で、今回の報告でも指摘されたとおり、“トイレ”の分野の取り組みは立ち遅れており、一層の取り組みが強く求められています。
◆最新の統計の要点(2011年版より)
・トイレが利用できる人は、1990年時点と比べ、約19億人増加し、世界の人口の約3分の2(64パーセント)となった。
・トイレを利用できない人は約25億人。このうち7億6100万人が公衆トイレや共同トイレを利用し、 6億9300万人が、衛生面で最低限の基準をも満たせないトイレを利用している。
・2011年現在、10億人が屋外で排泄を行っている。そのうち90パーセントは農村部となっている。
・2011年末までに、世界の89パーセントの人々が改善された水源を利用し、 55パーセントは水道を利用している。一方で、7億6800万人が、飲料水として改善された水源を利用できず、そのうち1億8500万人は、日々、池や川などの水しか利用できない。
・安全な水やトイレの利用の面、農村部と都市部では著しい格差が生じ続けている。 都市部に住む人の4分の3は、自宅で上下水道を利用できる。世界で、清潔な水源を利用できない人(7億6800万人)のうち、83パーセントは農村部に暮らしている。そのうち、トイレのない生活をしているのは71パーセントに上る。
「(こうした問題の解決には)政治的な意思、資金、リーダシップの役割は欠かせず、それぞれがそれぞれの役割を果たすことが急がれます。
そうすれば、世界的に取り組みが加速し、ミレニアム開発目標を達成することも可能となります。
世界が変化し、いまだに簡単なトイレさえない何百万もの人々の生活が一変するはずです。
保健(基礎的な医療の)分野に多大な恩恵がもたらされ、貧困の源が根絶され、人々の生活と福祉が改善されるでしょう」
WHOのマリア・ネイラ公衆衛生環境部長はこう話しました。
本報告書は、ヤン・エリアソン国連副事務総長が、2025年までに屋外での排泄を根絶するために、世界がともに、そして直ぐに行動を起こすよう呼びかけていることも取り上げています。ミレニアム開発目標の達成期限である2015年まで3年を切り、ユニセフはWHOと共に、トイレに関する目標達成に向けて、取り組みを強化しようと呼びかけています。
「これは、大地震や津波に匹敵するほど恐ろしい緊急事態です」こう話すのは、ユニセフのサンジャイ・ウィジェセケラ水と衛生事業担当部長です。
「毎日、何百人もの子どもたちが命を落とし、毎日何千人もの親が息子や娘を失った悲しみを経験しています。この深刻な悲劇に直面し、私たちにはできることがあります。行動を起こさなければなりません」
■補足:ユニセフが進める「コミュニティによる包括的な衛生への取り組み」について
ユニセフは、サハラ砂漠より南のアフリカならびに南アジアの50カ国以上で、
コミュニティによる包括的な衛生への取り組み(Community Approaches to Total Sanitation :
以下CATSと記載)の支援を行っています。この5年間で、CATSにより、39,000 以上のコミュニティの
2400万人以上が、屋外排泄をやめることに成功しました。CATSでは、ユニセフやパートナー団体の
支援を受け、コミュニティが自らの衛生状況や習慣を分析して衛生の問題を認識し、
自らトイレを作り、衛生習慣を取り入れ、衛生環境全般を改善していく手法です。
■ 本件に関するお問い合わせ先
Rita Ann Wallace, Communications Officer, UNICEF New York,
Tel: + 1 212 326 7586 / Mobile: + 917 213 4034, rwallace@unicef.org
Nada Osseiran, Communications Officer, WHO Geneva,
Tel: + 4122 791 4475 / Mobile: + 4179 445 1624, osseirann@who.int
または
(公財)日本ユニセフ協会 広報室
TEL:03-5789-2016 FAX : 03-5789-2036 メール: jcuinfo@unicef.or.jp
画像・映像のお貸出も可能です。ご入用の際にはお問い合わせください。
■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、世界の子どもたちの命と健やかな成長を
守るために活動する国連機関です。現在、150以上の国と地域で活動しています。
ユニセフは、子どもの権利を守る主要な機関として、保健、教育、栄養、水と衛生、保護、
緊急支援などの支援活動を実施しています。活動資金は、すべて個人や企業・団体・各国政府からの
任意拠出金でまかなわれています。(www.unicef.org)
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国36の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、
日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、
ユニセフ活動の広報、政策提言(アドボカシー)、募金活動を担っています。 (www.unicef.or.jp)
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