福島中央テレビ制作ドキュメンタリー「1F リアル あの日、原発の傍らにいた人たち」が第59 回ギャラクシー賞テレビ部門『大賞』を受賞
PR TIMES / 2022年6月2日 11時45分
東日本大震災・原発事故から10年後の証言
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この度、 放送文化の向上に貢献した番組や個人・団体を表彰する 「ギャラクシー賞」 (放送批評懇談会) 2021年度テレビ部門において、福島中央テレビ制作のドキュメンタリー「1Fリアル あの日、原発の傍らにいた人たち」が大賞を受賞しました。
福島中央テレビは、原発の水素爆発映像を撮影した唯一の地元テレビ局として、福島で取材・報道を続けてきました。本ドキュメンタリーでは、10年にわたる取材活動から辿り着いた自衛官や消防隊員、作業員たちなど、当時を知る人たちの貴重な証言や映像をもとに、決死の覚悟で原発の暴走を食い止めた彼らの思いに迫りました。
受賞理由
「沈黙する時間と向き合って、初めて聞くことができる、知ることができる事実があると教えてくれた作品です」と評価しました。
(ギャラクシー賞 テレビ部門 審査委員長・古川柳子)
作品概要
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作品タイトル:「1Fリアル あの日、原発の傍らにいた人たち」
放送:2021年9月11日(土)16:00~17:00
制作:福島中央テレビ
ディレクター:岳野高弘(報道局報道部 部次長)
プロデューサー:木村良司(報道局報道部 部長 兼 福島報道部 部長)
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2011年3月に歴史上最悪の事故を起こした福島第一原発・通称1F。その原発のすぐ傍らにいた人たちがいる。原発の安全神話、日本の技術力神話の崩壊の瞬間を目の当たりにした人たち。そこでは一体何が起きていたのか。
当時の東京電力のテレビ会議の映像には、日本の技術者たち、科学者、官僚、政治家たちの右往左往する姿が映し出されている。水素爆発で空からガレキが降ってくる建屋のすぐ傍らにいる人たちは、死と隣り合わせの現場に何度も突入していった。
「ケーブルを接続したのにすぐに電気を通さなかった、あの時に電気を通していれば電源は復旧していた」
「死ぬ思いだった、幸運でしかなかった」
「爆発対策をしていると思ったのに何もしてなかった」。
そして、最後まで現場を守ろうとしたのは1F の吉田昌郎所長だった。「何とか人的支援を…」。
最悪の事態に備えて、自衛隊は極秘の救出作戦を準備していたことも明らかになる。救出作戦が実施されれば、暴走する原発をどうするつもりだったのか。その謎を、10 年経った今、トップが福島中央テレビに答えてくれた。
原発と地域、人間の驕り、危機に立ち向かった人たち…。あの日、原発の傍らにいた人たちの証言は後世に伝えるべきものばかりだった。
受賞コメント
プロデューサー:木村良司(報道局報道部 部長 兼 福島報道部 部長)
原発事故当時、私は小さな2歳の娘と給水所に並んでいました。あのとき、福島第一原発で何が起きていたか。当時は単なる不安を感じていましたが、今、この仕事に携わることで、県民に伝えることができます。
当時こんなことがあったんだと、10年目に形として放送することができ、評価していただいたことをうれしく思います。弊社の報道に携わるスタッフの中には、震災後に入ってきた者も多くなりました。これから先、当時のことを語り継いで多くの方に、何があったのか、何を伝えなければいけないのか、日々取材を通して積み重ねていくことが大事だと改めて思います。
廃炉には途方もない時間がかかります。処理水の海洋放出も迫る中で、日々取材しながら語り継ぐことが地元メディアとして大切なことだと思います。
ディレクター:岳野高弘(報道局報道部 部次長)
原発事故当初の取材は、被災した住民の方の取材からでした。そこから10年経って、事故当時、原発でどういうことが起きて、誰がどう動いていたのか取材してみようと思いましたが、時間が経過しているので、該当者はどこにいるのか、探すのにも相当の時間がかかりました。
私自身、長崎出身で、こどものときから長崎原爆資料館を訪れて、核に対する恐れは小さいころからもっていました。今回の取材のきっかけにもなったのではないかと思います。
今、テレビ以外の発信メディアはたくさんあります。「福島の今」を伝えていくには、実際に取材して、足を運んで、話をきいて、事実を確定していくことが大切だと思います。さらに、地元メディアとして長期的・歴史的観点から、例えば戊辰戦争、終戦、原発事故、という歴史的な流れから福島の今をとらえることが大切だと思います。
長い視点で見ないとわからないことがあるということを、今回の番組制作を通して改めて気づきました。福島の人がなにを考えているか、という視点を持って今後も取材をしていきます。
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