フリースケール、世界で最もエネルギー効率に優れたマイクロコントローラ、Kinetis Lシリーズの製品ファミリ詳細を発表
PR TIMES / 2012年6月27日 11時14分
フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン株式会社(本社:東京都目黒区下目黒1-8-1、代表取締役社長:ディビッド M. ユーゼ)は、ARM(R) Cortex-M0+コアをベースとする業界初のマイクロコントローラ「Kinetis(キネティス)Lシリーズ」のアルファ・サンプル出荷開始を発表しました。Kinetis Lシリーズは、6月18日~21日にテキサス州サンアントニオで開催された「フリースケール・テクノロジ・フォーラム(FTF)アメリカ」において展示され、開幕基調講演ではデモンストレーションが行われました。
機器同士の通信が拡大し、あらゆる場所でネットワークに接続できるようになる中、スタンドアロン型のエントリレベル・アプリケーションにおいても、インテリジェンスと機能性の増強が求められるようになっています。従来の8ビット/16ビット製品のユーザは、Kinetis Lシリーズを活用することで、消費電力やコスト、占有スペースを増やすことなく、32ビット・プラットフォームに移行でき、機器の付加価値を高めることができます。小型家電製品、ゲーム・アクセサリ、ポータブル医療システム、オーディオ・システム、スマートメータ、照明、電力制御など様々なアプリケーションにおいて、8ビット/16ビット・クラスの価格帯で、低消費電力と32ビット性能を実現し、また、将来の製品ライン拡充に必要となるスケーラビリティを手に入れることができます。
フリースケールの副社長兼インダストリアル&マルチマーケット・マイクロコントローラ部門担当ジェネラル・マネージャであるジェフ・リースは、次のように述べています。「8ビット/16ビット製品の開発は、もはや終焉を迎えたといってもいいでしょう。“モノのインターネット”が加速する中、従来のアーキテクチャはそのペースについていくことができません。Kinetis Lシリーズ・マイクロコントローラは、次世代のネットワーク対応アプリケーションに理想的なソリューションで、エネルギー効率、低価格、開発の容易さ、小型化といった要件を満たしつつ、Kinetis Kシリーズと同様の32ビット性能、ペリフェラル、開発環境、スケーラビリティを兼ね備えています。」
最高レベルのエネルギー効率
ARM Cortex-M0+プロセッサは、8ビット/16ビット・プロセッサと比べ、およそ3分の1の消費電力で2~40倍の性能を発揮します。Kinetis Lシリーズは、最新の低消費電力マイクロコントローラ・プラットフォーム設計により、各種動作モード、独自のペリフェラルによって、コアのエネルギー効率を補完します。その結果、超低消費電力動作(VLPR)モードで消費電流わずか50uA/MHz(*)のマイクロコントローラが実現しました。低消費電力状態から迅速にウェイクアップして、データを処理し、スリープに戻ることができるため、各アプリケーションのバッテリ寿命を延ばします。このような利点を実証するため、FTFアメリカでのデモンストレーションでは、Kinetis Lシリーズのエネルギー効率の特性を他社のソリューションと比較し、CoreMarkベンチマークとしてご紹介しました。なお、Kinetis Lシリーズは、フリースケールの「Energy-Efficient Solutions(高エネルギー効率ソリューション)」プログラムの対象製品です。
Kinetis Lシリーズのペリフェラルは、マイクロコントローラがディープ・スリープ・モードのときでも少ない電力で機能を維持します。従来のマイクロコントローラでは、データの送受信、波形生成やキャプチャ、アナログ信号のサンプリングなど、ちょっとしたタスクを実行するだけでも、メイン・クロックとプロセッサ・コアをアクティブにする必要がありました。Kinetis Lシリーズの場合、コアやメイン・システムを巻き込まずにこのような機能を実行できるため、消費電力が劇的に削減され、バッテリ寿命が大幅に改善されます。
Kinetis Lシリーズは、数々の受賞歴を誇るフリースケールの革新的な薄膜ストレージFlashメモリ技術を活用しており、業界で最も消費電力の少ないFlashメモリ実装を実現します。従来のアプローチを改善し、電荷を蓄積するナノスケールのシリコンアイランドを用意することで、典型的なデータ損失の原因に対するFlashメモリの耐性を高めています。
市場調査会社Linley Groupの上級アナリストで『マイクロプロセッサ・レポート』の編集主任を務めるTom R. Halfhill氏は、次のように述べています。「“モノのインターネット”には、非常に低コストかつ低消費電力で性能に優れたプロセッサが必要です。ARM Cortex-M0+プロセッサ・コアを利用した初の32ビット・マイクロコントローラであるフリースケールのKinetis Lシリーズ・マイクロコントローラは、幅広い民生用/産業用アプリケーションに向けて、8ビット/16ビット・マイクロコントローラに匹敵するエネルギー効率と価格帯を実現します。」
開発の簡素化
Kinetis Lシリーズは、エントリレベルの開発において極めて重要な「使いやすさ」という要件を満たします。そのために、次のような革新的技術でサポートされています。
・フリースケールのFreedom開発プラットフォーム:低消費電力かつコスト効率に優れた小型の評価/開発システムで、アプリケーションの迅速なプロトタイプ作成とデモンストレーション実施を可能にします。業界標準のフォーム・ファクタに、リッチなサードパーティ拡張ボード・オプションを組み合わせています。内蔵したUSBデバッグ・インタフェースにより、使いやすいマスストレージ・デバイス・モードFlashプログラマ、仮想シリアル・ポート、標準的なプログラミング/実行制御機能が実現します。
・Processor Expertソフトウェア:GUIベースのデバイス・アウェア・ソフトウェア生成ツールで、ペリフェラルスタートアップコードやデバイス・ドライバの記述を不要にします。ソフトウェア・アーキテクチャの簡素化、アプリケーション開発時間の劇的な削減を通じて、8ビット/16ビット・ソリューションから32ビット・ソリューションへの移行を容易にします。
・Kinetisマイクロコントローラ・ソリューション・アドバイザ:インタラクティブなマイクロコントローラ製品セレクタを備えたWebベースのアプリケーションで、動作特性、パッケージ・オプション、メモリ構成、ペリフェラル・ハードウェアの条件に応じて、最適なマイクロコントローラの選出に貢献します。
インテグレーションとスケーラビリティ
Kinetis Lシリーズ・ファミリには、スケーラブルなFlashメモリ・オプション、ピン数、アナログ、通信、タイミング、制御用のペリフェラルが用意されており、最終製品ラインナップを容易に拡充することができます。
Kinetis Lシリーズ・ファミリに共通する主な特長は、次のとおりです。
・48MHz ARM Cortex-M0+コア
・高速12ビット/16ビット・アナログ・デジタル・コンバータ
・12ビット・デジタル・アナログ・コンバータ
・高速アナログ・コンパレータ
・低消費電力タッチ・センサ(低消費電力状態からタッチでウェイクアップ)
・モータ制御など、幅広いアプリケーションに対応する強力なタイマ
Kinetis Lシリーズ・ファミリの最初のメンバーは、次の3種です。
・Kinetis L0ファミリ:Kinetis Lシリーズのエントリ・ファミリで、8KB~32KBのFlashメモリを備え、超小型4mm×4mm QFNパッケージで提供されます。フリースケールの8ビットS08Pファミリとピン互換性があります。他のすべてのKinetis Lシリーズ・ファミリとソフトウェア互換性、ツール互換性があります。
・Kinetis L1ファミリ:32KB~256KBのFlashメモリを備え、通信とアナログのペリフェラル・オプションが追加されます。Kinetis K10ファミリと互換性があります。
・Kinetis L2ファミリ:USB 2.0フルスピード・ホスト/デバイス/OTGが追加されます。Kinetis K20ファミリと互換性があります。
Kinetis Lシリーズは、ARM Cortex-M4プロセッサをベースとするKinetis Kシリーズとピン互換性、ソフトウェア互換性があり、DSP性能や先進的な機能統合に向けた移行パスが提供されます。
価格と供給
Kinetis Lシリーズは現在、特定顧客向けにアルファ・サンプルを出荷中です。一般向けのサンプル出荷や開発ツールの提供は、2012年第3四半期に開始する予定です。1万個購入時の1個あたりの参考価格は、49セント(USD)です。フリースケールFreedom開発プラットフォームは、2012年第3四半期に出荷を開始する予定で、参考価格は12.95ドルです。
Kinetis Lシリーズ・マイクロコントローラの詳細については、www.freescale.com/Kinetis/LseriesのWebサイトをご覧ください。
(*)条件:25℃、電源電圧3V、CPU 4MHz/bus 1MHz、Flashからコードを実行、すべてのペリフェラルオフ
※製品画像は下記よりダウンロードいただくことができます。
http://www.businesswire.com/cgi-bin/mmg.cgi?eid=50313420&lang=en
フリースケール・テクノロジ・フォーラムについて
イノベーションとコラボレーションの活性化を目的に設立されたフリースケール・テクノロジ・フォーラム(FTF:Freescale Technology Forum)は、組込みシステム業界向けに毎年恒例の開発者イベントです。2005年に開催を開始して以来、世界中のFTFイベントへの参加者は4万8000人を超えています。年1回のフラグシップイベントであるFTF Americasは、テキサス州サンアントニオで2012年6月18日~21日に開催されました。日本では、FTF Japanを東京にて2012年10月22日・23日に開催する予定です。
フリースケール・セミコンダクタについて
フリースケール・セミコンダクタ(NYSE:FSL)は、先進の自動車、民生、産業、およびネットワーク市場において、業界を牽引する製品を提供する組込みプロセッシング・ソリューションの世界的リーダーです。マイクロプロセッサ、およびマイクロコントローラ、センサ、アナログ製品やコネクティビティといった私たちの技術は、世界中の環境、安全、健康を向上させ、そしてそれらをよりつなげるイノベーションの基盤となります。また、オートモーティブ・セーフティ、ハイブリッドや電気自動車、次世代のワイヤレス・インフラストラクチャ、スマートエナジー、ポータブル医療機器、家電やスマート・モバイル製品といったアプリケーション向けの製品を提供しています。フリースケールは、テキサス州オースチンを本拠地に、世界各国で半導体のデザイン、研究開発、製造ならびに営業活動を行っています。詳細は、http://www.freescale.co.jp/をご覧ください。
FreescaleならびにFreescaleのロゴマークは、米国、またはその他の国におけるフリースケール社の商標、または登録商標です。文中に記載されている他社の製品名、サービス名等はそれぞれ各社の商標です。
(C)2012フリースケール・セミコンダクタ・インク
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