リノベーション・オブ・ザ・イヤー2017総合グランプリが決定!株式会社アートアンドクラフト「扇状のモダニズム建築、桜川のランドマークへ」
PR TIMES / 2017年12月21日 15時1分
SNSで一般ユーザーが参加しノミネート作品を選考、住宅媒体編集者9名がグランプリ他各賞を決定
一般社団法人リノベーション住宅推進協議会(東京都渋谷区・理事長:山本卓也)は、2017年を代表する魅力的なリノベーション事例を選ぶコンテスト「リノベーション・オブ・ザ・イヤー2017」(審査委員長:リノベーション住宅推進協議会 発起人 島原万丈)の授賞式および審査員による講評会を12月14日(木)に東京大学本郷キャンパス内にて開催し、総合グランプリ、部門別最優秀作品賞、審査員特別賞を発表いたしました。
本コンテストでは、消費者にとって関心の高い施工費別に、「500万円未満部門」、「1000万円未満部門」、「1000万円以上部門」、「無差別級部門」の4部門を設けています。部門ごとに全国からエントリーされた計155作品を、リノベーションの楽しさ・魅力・可能性という点にフォーカスしてSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)を活用した一般ユーザーの声を取り入れ一次審査をし、53作品をノミネート選出しました。その後、最終審査においては、住宅を中心としたメディア編集者9名で構成された選考委員が審査を行い、総合グランプリ、部門別最優秀作品賞4点、特別賞8点を決定。12月14日(木)に授賞式・講評会を開催いたしました。
ホームページ https://www.renovation.or.jp/oftheyear/award.html
【受賞作品一覧】
□総合グランプリ
[画像1: https://prtimes.jp/i/8586/48/resize/d8586-48-578063-0.jpg ]
『扇状のモダニズム建築、桜川のランドマークへ』
株式会社アートアンドクラフト
□<500万円未満部門>最優秀作品賞
[画像2: https://prtimes.jp/i/8586/48/resize/d8586-48-628727-1.jpg ]
『ツカズハナレズ』株式会社シンプルハウス
□<1000万円未満部門>最優秀作品賞
[画像3: https://prtimes.jp/i/8586/48/resize/d8586-48-850959-2.jpg ]
『 マンションでスキップフロアを実現 ~上下階を利用したヴィンテージハウス~』株式会社オクタ
□<1000万円以上部門>最優秀作品賞
[画像4: https://prtimes.jp/i/8586/48/resize/d8586-48-634626-3.jpg ]
『光、空気、気配、景色。すべてが一つにつながる-代沢の家 (YKK AP×HOWS Renovation×納谷建築設計事務所)』YKKAP株式会社
□<無差別級部門>最優秀作品賞
[画像5: https://prtimes.jp/i/8586/48/resize/d8586-48-137277-4.jpg ]
『流通リノベとシニア団地」』株式会社タムタムデザイン
<審査員特別賞>
□素敵ライフスタイル賞
『てとてと食堂、はじめます。』 株式会社リビタ
□グッドコンバージョン賞
『銀行を住まいに コンバージョン』 株式会社オレンジハウス
□優秀R5住宅賞
『サバービアンブームの夜明け』 株式会社ブルースタジオ
□コピーライティング賞
『吾輩は猫のエドワードである』 株式会社スタイル工房
□超高性能エコリノべ賞
『パッシブタウンで「一生賃貸宣言」しませんか?』 YKK不動産株式会社
□公共空間活用リノべ賞
『ここに復活!!東洋のベネチア構想 LYURO東京清澄』 株式会社リビタ
□こだわリ実現賞
『アパレル夫妻の23年分の想い』株式会社ニューユニークス
□ベストデザイン賞
『100+∞(無限)』株式会社タムタムデザイン
[画像6: https://prtimes.jp/i/8586/48/resize/d8586-48-999444-5.jpg ]
【受賞式・講評会の様子】
[画像7: https://prtimes.jp/i/8586/48/resize/d8586-48-150373-22.jpg ]
【審査委員長講評】
[画像8: https://prtimes.jp/i/8586/48/resize/d8586-48-433894-7.jpg ]
審査委員長
島原 万丈 /株式会社LIFULL
LIFULL HOME'S総研 所長
「この中から一等賞を選ぶのは無理じゃないか」。一般投票などを経て最終審査対象に選出されたノミネート昨品群をみた時の偽らざる気持ちを白状すれば、そのような困惑に近い悩みだった。そのような第一印象は他の審査委員も同様だったようで、今年で第5回を数えるリノベーション・オブ・ザ・イヤーの最終審査ははたして例年以上の大混戦であった。
相対的にローコストに位置づけられる500万円未満部門と1000万円未満部門は、回を重ねるごとに、各社の空間デザインおよびプレゼンテーションのレベルが向上してきた確かな実感がある。いずれも限られた予算の範囲で、そこに暮らす家族の個性が目に浮かぶような住空間を高いレベルで実現している。施主の満足や完成度という点では、いずれも甲乙つけがたい。
最優秀賞を受賞した「ツカズハナレズ」(500万円未満部門)と「マンションでスキップフロアを実現 ~上下階を利用したヴィンテージハウス~」(1000万円未満部門)は、新築に対するリノベーションの優位性を広く市場にアピールしようとする時に、空間の斬新さや自由さという点で、象徴的な事例となる作品だと評価した。
1000万円以上部門の最優秀を獲得した「光、空気、気配、景色。すべてが一つにつながる-代沢の家」で、まず目を引くのは新築基準を大幅に上回るレベルにまで向上した耐震性能と断熱性能ではあるが、同時に、吹き抜けの真ん中に通した階段の左右にスキップフロア的に床を配置した空間構成は、ごく普通の外観からは想像もつかない驚きに満ちたものだ。また設備メーカーの製品を使い性能向上を実現したことで今後の汎用性が期待できる、という点でも高く評価された。各社の主力作品がしのぎを削るリノベーション市場の主戦場で、頭一つ抜き出た作品であった。
無差別級部門は特に審査が難しかった。議論のテーブルにあがったのは、最優秀部門賞を勝ち取った「流通リノベとシニア団地」、審査員特別賞に選ばれた「パッシブタウンで「一生賃貸宣言」しませんか?」、「ここに復活!!東洋のベネチア構想 LYURO東京清澄」。その他には、惜しくも受賞はならなかったが、「ウッドヴィル麻布」、「川崎『unico』」、「築88年の大阪三軒長屋」なども個人的には推したい昨品だった。いずれの昨品も、今年でなければ、部門賞、グランプリを狙えるレベルの力作だろう。
例年にもまして豊作の無差別級を制した「流通リノベとシニア団地」は、「林地残材」、「木材流通」、「高齢化する団地のコミュニティ」、「デイサービスのあり方」など、多くの課題に対して1つのリノベーション・プロジェクトで解決策を提案する、実に雄弁な作品だ。
さて、2017年のリノベーション・オブ・ザ・イヤー総合グランプリに輝いた「扇状のモダニズム建築、桜川のランドマークへ(新桜川ビル)」。無差別級で最優秀に選ばれた「流通リノベとシニア団地」や1000万円以上部門最優秀の「代沢の家」らと競り合っての受賞となった。
ここ数年の傾向として、リノベーション・オブ・ザ・イヤーの受賞作品には、社会課題に対する提案性が求められるようになってきた。空き家の再生でまちづくりに資するプロジェクトである「ホシノタニ団地」(2015年)や「アーケードハウス」(2016年)、「シーナと一平」(2016年)、省エネルギー性能を大幅に高めて地球温暖化問題に対応する「暖房なしでも暖かいマンション」(2015年)や「暮らしかた冒険家 札幌の家」(2016年)などが代表的事例である。
それらをひとまず、“社会課題系”と呼ぶとすれば、今年も「流通リノベとシニア団地」、「代沢の家」、「パッシブタウン」あたりを筆頭に多数の作品がこの系譜に該当する。中でもYKKグループが関わった2案件は、2020年に義務化される次世代省エネルギー基準を遥かに上回る性能を達成しつつリノベーションならではの魅力的な空間デザインを実現。もちろん市場性も担保されている。まさに次世代のリノベーションが目指すべき模範解答のような作品である。
それらの強力なライバルに対して、「新桜川ビル」は圧倒的なビジュアルの存在感で対抗した。歩行者の上空で旋回するような軌跡を描く阪神高速道。そのRの内側に沿うように湾曲して建つ扇形のモダニズム建築。大阪に住む人なら誰でも記憶にある印象的な風景だ。
国が推奨する優良住宅として1958年に建設された「新桜川ビル」は、長く地域のランドマーク的な建築物であった。しかし現代では、まちの風景の一部として愛着を持たれたビルであろうとも、容積率さえ許せば躊躇なく取り壊されていく。そのような新築至上主義的な市場原理に対する違和感や異議申し立て、あるいは反骨心といった感情が、単にかっこいいとか新築より安価ということ以上に、私たちがリノベーションを応援したくなる気持ちの根幹にはある。私たちはなぜリノベーションを支持するのか、なぜリノベーションを広めたいのか。私たちのリノベーションに対するリスペクトの原点を思い出させてくれる力がこの昨品にはあった。
このように述べると、元の建物の魅力が勝因のように聞こえるかもしれない。しかし、地域がこの風景を守るためには、やはり成熟したリノベーションスキルが必要だ。常に建て替えの理由になる老朽化した設備系の刷新に頭を悩ませた技術力。過剰にならないよう慎重に抑制されたデザイン力。ビルのコンテンツとなる個性的なテナントを選んだマーケティング力。そしてそれらをリーシングした不動産力。「新桜川ビル」は、幅広い技術と蓄積された経験が総動員されてようやく成立する難易度の高いプロジェクトである。小さな節目となる5年目のリノベーション・オブ・ザ・イヤーにふさわしい総合グランプリを選べたと思う。
一般社団法人リノベーション住宅推進協議会について
消費者が安心して既存住宅を選べる市場をつくり、既存住宅の流通を活性化させることを目的に、2009 年7 月に発足したリノベーション業界団体です。現在、業界・業種の枠を超えた911 社(正会員667社、賛助会員228社、特別会員4名・9法人・3自治体)が参画し、優良なリノベーションの統一規格「適合リノベーション住宅」を定め、建物タイプ別に品質基準を設定、普及浸透を推進しています。区分所有マンション専有部に関する品質基準を満たす「R1住宅(アールワンジュウタク)」、区分所有マンション共用部も含む品質基準「R3住宅(アールスリージュウタク)」、戸建住宅の品質基準「R5住宅(アールファイブジュウタク)」が運用されており、適合リノベーション住宅発行件数は、累計33,748件(2017年12月20日現在)。
http://www.renovation.or.jp/
名 称:一般社団法人リノベーション住宅推進協議会
理事長 :山本 卓也
設 立:平成21 年5月20日
住 所:東京都渋谷区渋谷2-2-2青山ルカビル4F
【お問合せ、ご質問、取材のお申込み、画像・素材のお貸し出し】
リノベーション住宅推進協議会 広報:石川 唯
Tel:03-5656-0083(株式会社リビタ内) FAX:03-5656-0070 Mail:pr@renovation.or.jp
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