南スーダン: 暴力激化するジョングレイ州――MSFが被害と医療に及ぼす影響を報告

PR TIMES / 2012年11月28日 11時56分



国境なき医師団(MSF)は、11月27日、南スーダン東部に位置するジョングレイ州において、暴力が民間人の命と健康に甚大な影響を及ぼしているとの調査報告を発表した。被害者には、女性や生後4ヵ月の乳児を含む子どもたちも多く、また医療施設も破壊の標的になるなど、保健医療そのものが脅かされている現状が浮き彫りになっている。
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激しい襲撃、避難余儀なく

ジョングレイ州では長らく、家畜の略奪を巡る部族間抗争が起こってきた。しかし、2009年以降は、女性や子どもを含む、何千人もの民間人が、主に乾季に発生する激しい襲撃に巻き込まれるようになっている。2012年半ばの南スーダン政府による同地域の武装解除作戦は、民間人の虐待を伴う情勢不安を助長する結果となった。同州における民兵組織と政府軍の戦闘は暴力を激化させ、人びとはマラリアのピークとなる季節に、避難を余儀なくされた。

現地のMSFの活動責任者、クリス・ロックイヤーは「けがの治療のため、診療所を訪れた患者から、避難の際に、どの子どもを連れていき、どの子どもを後に残すかという、とても苦しい決断を迫られたと聞きました。私たちの目の前にあるのは、緊急事態です。ジョングレイ州の人びとの命と健康は細い1本の糸で保たれているようなものです。乾季が近づき、再び移動がしやすい季節となってきました。我々が懸念しているのは、さらなる暴力の過熱と、人びとが傷つき、避難を余儀なくされることです」と訴える。


火の中に投げ込まれる子供たち

MSFの報告書『南スーダンの知られざる危機:民間人への暴力がジョングレイ州の地域社会を破壊し、救命医療の利用を阻む(South Sudan’s hidden crisis: how violence against civilians is devastating communities and preventing access to life saving healthcare in Jonglei )』では、村の襲撃に遭った民間人の痛ましい体験が語られている。

2012年3月に襲撃に遭ったというMSFの治療を受けたある女性患者は「あいつらは子どもを火の中に投げ込むんです。走って逃げられるような子は、足を撃たれ、幼くて走れない子どもは、ナイフで殺されます」と語る。また、2012年1月の襲撃事件では、MSFが治療した銃創患者の半数以上が女性と子どもだった。

人びとは身を守るため、やむなく地域ぐるみで低木地帯の奥深くに逃げ込んでいる。風雨をしのぐものも、食糧も安全な飲み水もないため、マラリア、肺炎、栄養失調、下痢にかかりやすくなっている。


医療施設も襲撃の対象に

ジョングレイ州では保健医療も襲撃にさらされている。MSFの医療施設も2011年8月および12月、そして2012年8月と9月に州内の各地で破壊と略奪に遭っており、それ以前から無防備な状況に置かれている住民が医療を受けられなくなっている。

MSFは、ジョングレイ州で唯一、無償かつ質の高い医療を提供する団体で、同州北部および中部の28万7000人を対象に6ヵ所の医療施設を運営する。2011年1月~2012年10月の期間、MSFは何百人もの負傷者を治療し、少なくとも22万7851件の診療を行っている。MSFは、暴力への恐怖から、診療所までやって来られない人びとの間で医療ニーズがさらに高まることを懸念、また、いずれの武装グループにも、医療・人道援助を行う施設とそのスタッフを尊重するよう求めている。

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