データサイエンスでSDGsに貢献するDATAFLUCT 衛星データ分析による水田域のモニタリングプロジェクトを展開
PR TIMES / 2021年4月8日 15時45分
世界規模で水田をモニタリングし、水田由来の環境負荷軽減への貢献を目指す
データサイエンスで企業の課題を解決する株式会社DATAFLUCT(本社所在地:東京都千代田区、代表取締役:久米村 隼人、以下「DATAFLUCT」)は、衛星画像を基盤とした水田域のモニタリングプロジェクトを展開し、フェーズ1として、約80%の精度で水田域の判定に成功したことを発表します。
当社はデータサイエンスの力で社会課題を解決しSDGsに貢献することを目指しており、今年1月の『DATAFLUCT smartcity series.』発表など同分野において積極的な事業開発を進めております。今回のプロジェクトは、国立研究開発法人 国立環境研究所(理事長:木本昌秀、以下「国立環境研究所」)の依頼を受けて開発を進める新たな取り組みです。
プロジェクトの背景
温室効果ガスのうち二酸化炭素に次いで重要とされる物質がメタンであり、その吸収・排出量を正確に把握することが求められています。酸素のない状態で有機物が分解されることでメタンは発生しますが、水田に水がある状態ではこの条件が揃い、メタンの発生が促進されます。国立環境研究所は、地球温暖化問題への取り組みの一環として、水田を効率的にコントロールしメタン排出を減らすための研究を進めています。
DATAFLUCTの取り組み
今回のプロジェクトでは、マイクロ波の跳ね返りを基にすることで天候や時間帯に左右されない「SAR画像」(Sentinel-1衛星)と、光学センサで太陽光を観測し、地上からの反射・放射される強度の違いで物体を識別する「光学画像」(Sentinel-2衛星)を組み合わせ、AIによる機械学習で水田をモニタリングすることを目指します。
現時点(フェーズ1)では、約80%の精度で特定エリア内の水田域の判別が可能となり、今後はさらなる多角的な分析に向けて開発を進めてまいります。
[画像1: https://prtimes.jp/i/46062/53/resize/d46062-53-423097-0.png ]
【分析の概要】
目的: 東南・東アジア地域の水田域抽出(フェーズ1)
対象地域: 東南・東アジア地域※の6カ国から選定した、9箇所のエリア(5km×5km四方)※インド、ベトナム、インドネシア、タイ、フィリピン、日本
作成モデル: 衛星画像を基盤にした土地被覆分類モデル(水田有無判定に注力した2値分類モデル)
◆2種類の衛星画像を併用し、「高精度の判別」と「複数地域に応用できるモデル」を実現
日本を含むモンスーンアジア地域は世界的に見ても雨が多い地域であり、中でも東南アジアはその特徴が顕著です。太陽光の反射によって物体を識別する「光学センサ」では、雲などの障害物がある場合や、太陽光のない夜の時間帯には物体を検知できません。そこで、本プロジェクトでは「マイクロ波センサ」による画像(SAR画像)も併用し、気象条件に左右されない、より高精度な分析を実現しました。
また、グローバル展開時には「作成したモデルが、他の地域を対象とした時にも活用できる」というモデルの普遍性が重要になります。本プロジェクトではSAR画像の時系列情報を活用し、どの地域にも共通して水田域を判別可能な変数を特定することで、地域差を吸収する普遍的なモデルを作成しました。
◆データサイエンススタートアップスタジオとしての知見を生かした高速開発
今回のプロジェクトは、発足から約3ヶ月で約80%の判別率を実現という結果でフェーズ1を終えることができました。
当社はJAXAベンチャー※として衛星画像解析の実績を持つだけではなく、多彩なデータを組み合わせて既存の解釈に捉われないデータ分析サービスの開発に取り組んでまいりました。農林水産業から建設、物流、飲食など幅広い領域をカバーするDX支援の実績と、同じく多数の領域で自社プロダクトを展開してきたことで、高速開発および、データ活用のプロとしてクライアントをリードする新規事業開発に強みがあります。今後もデータサイエンススタートアップスタジオとしての当社の知見をいかし、本プロジェクトの開発を進めてまいります。
※宇宙航空研究開発機構(JAXA)の知的財産やJAXAの業務で得た知見を利用して事業をおこなう、JAXAの職員が出資し設立したベンチャー企業。
◆国立環境研究所 地球システム領域 物質循環モデリング・解析研究室
仁科一哉氏より本プロジェクトへのコメント
今回、DATAFLUCTに水田マッピングを依頼いたしました。水田生態系はメタン(CH4)の主要な発生源の一つです。水田のメタン収支、また管理による削減キャパシティの推定にはその分布の正確な推定が必須です。
衛星画像の活用や機械学習に関するDATAFLUCTの高い技術・知見によって、広域にはグランドトゥルースが無いなかで適切なソリューションを提示いただき、かつ予測精度の良いアウトプットを迅速にいただくことができました。今後は得られたマップをもとに、衛星から年間の水田管理を推定したいと考えています。
データ活用で「サステナブルな社会」の実現を目指すDATAFLUCT
当社は設立当初より、データサイエンスをあらゆる産業・社会に届けること目指しサービスを展開してまいりました。設立3年目を迎えた今後の事業においては、環境負荷の軽減や食品ロスなどの社会課題をより重要なテーマとし、データ活用でSDGsに貢献するためのアイデア『DATAFLUCT smartcity series.』を発表いたしました。
当社では「防災/環境負荷の軽減」「移動とエネルギー」「にぎわいの創出」という3つのテーマを掲げ、事業開発を進めております。
[画像2: https://prtimes.jp/i/46062/53/resize/d46062-53-362778-2.png ]
◆DATAFLUCT smartcity series. Webページ:https://datafluct.com/smartcity
また、本プロジェクトで得た水田領域に関するデータは、『DATAFLUCT smartcity series.』のひとつである『DATAFLUCT co2-monitoring.』(データフラクト シーオーツーモニタリング)にも反映し、さらなるサービス向上を予定しております。
『DATAFLUCT co2-monitoring.』概要
衛星データから観測できるCO2濃度と、地上のCO2の吸収度と相関がある可能性のある因子(海・森林など)を可視化し、カーボンリサイクルマネジメント※を推進するための指針を得られる「CO2モニタリングソリューション」です。
温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)の衛星データを活用し、経済活動や気温、排出量などのデータと掛け合わせることで、CO2の時系列分析を可能にし、エリアごとのCO2濃度と経済成長の関係性の示唆を得られます。
※CO2を資源ととらえ、回収したCO2を燃料や素材として再利用することで大気中への排出を抑制すること。
[画像3: https://prtimes.jp/i/46062/53/resize/d46062-53-353249-1.png ]
◆DATAFLUCT co2-monitoring. サービスサイト: http://co2.datafluct.com/
上記サイトにて機能をお試しいただけます。
地図上のメッシュをクリックすると、CO2と人口の時系列推移などを表示可能。
■株式会社DATAFLUCTについて
「データを商いに」というビジョンのもと、データから新たなビジネスを創出し企業と社会に価値を生み出すデータサイエンス・スタートアップスタジオ。衛星画像からPOSデータまで幅広い分析実績をもち、技術やデータに拘らず業界をこえたアルゴリズム構築が可能です。
多彩な自社サービス開発の知見を生かしたDX支援のほか、データ活用でSDGsに貢献することを目指し、ビジネスと社会貢献を両立させる新規事業開発にも取り組んでいます。
<企業概要>
本社所在地 東京都千代田区麹町1-4-4 2F LIFULL HUB内
代表者 代表取締役 久米村 隼人
設立 2019年1月29日
電話番号 03-6822-5590(代表)
資本金 5,800万円(資本金準備金含む)
事業内容 Data Business SaaSの展開、企業のDX支援
WEBサイト https://datafluct.com/
Twitter https://twitter.com/datafluct
Facebook https://www.facebook.com/datafluct/
note https://note.datafluct.jp/
■国立環境研究所について
環境行政の科学的・技術的基盤を支え、幅広い環境研究に学際的かつ総合的に取り組む研究所として1974年に発足。公害や地球温暖化など様々な環境問題と向き合い続けてきました。地球温暖化問題についても、環境省および宇宙航空研究開発機構JAXAと共同で開発した世界初の温室効果ガス観測専用の衛星「いぶき」(GOSAT)を2009年に打ち上げ地球全体の温室効果ガスの観測を続けるなど、積極的に取り組みを行っています。
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