海洋環境への懸念が高まる中、消費者の購買意識に変化が起きていることが世界規模の調査によって明らかに
PR TIMES / 2022年6月8日 20時45分
日本では「より持続可能な水産物に切り替えるべき」が12%増
MSC(海洋管理協議会)は国連が定めた「世界海洋デー」の本日、世界規模の消費者調査の結果を発表しました。調査の結果、世界の人々の間で海の状況に対する懸念が高まっており、それに伴って、自分たちの購買行動によってこの脅威に変化をもたらすことができると答える人が増えていることが明らかになりました。
独立調査分析機関であるグローブスキャン(GlobeScan)が23カ国、25,000人を対象に行った水産物と海の健全性に関する独自調査は、この種の調査としては世界最大規模のものです。調査の結果、回答者のおよそ90%が海の状態に懸念を感じていることが明らかになりました。最も懸念が強いのがポルトガル、韓国、フランスで、日本でも88%が懸念を感じています。最も楽観的なのが、中国、ポーランド、シンガポール、南アフリカでした。
海に関する懸念事項の上位は、海洋汚染(65%)、過剰漁獲(44%)、気候変動(37%)でした。日本は海洋汚染(67%)、気候変動(51%)、過剰漁獲(42%)の順でした。世界の水産資源の3分の1以上が過剰漁獲され、気候変動が海洋生態系に影響を及ぼしている中で、自分たちの選択が海に与える影響について、消費者がこれまで以上に認識していることが今回の調査でわかりました。
調査結果の重要な点として、自らの選択が海の健全性に変化をもたらすと考える水産物の消費者が、2年前と比較して世界平均で8%、日本では10%増加していることが挙げられます。また、調査対象となった消費者のほぼ4分の3(73%)が、持続可能な漁業で獲られた水産物を食べるべきだと考えており、2年前の調査の65%から増加しています。日本では、「より持続可能な水産物に切り替えるべき」とする人の割合が2年前の49%から61%へと、大幅に増加しました。
環境保護のために食生活を変えたと回答した消費者の国別ランキングでは、中国、ドイツ、スウェーデンが上位を占めました。海を守るためにとった行動としては、「持続可能な水産物の購入」が最も多く(24%)、18~34歳の消費者は、より高い年齢の消費者に比べて、過去1年間で海を守るために何らかの行動をとった割合が非常に高いことがわかりました。
MSC「海のエコラベル」の認知度の世界平均は48%で、前回の調査より2ポイント増えました。日本での認知度は15%と、前回より4ポイント減りましたが、MSC「海のエコラベル」が海の持続可能性や認証に関するものだと理解している人の割合は28%から36%にアップしました。また、スーパーや水産企業が持続可能で環境に配慮した水産物を扱っていると主張する場合、第三者機関による認証ラベルによって明確に示すべきと回答する人の割合が前回の49%から56%に増え、日本において認証ラベルへの信頼が増していることが明らかになりました。
世界全体で、海を守る理由として上位に挙げられたのは、「健全な海が将来の地球環境のために必要だから」(63%)、「海洋生物の絶滅を防ぐため」(60%)、そして51%の人々が、「自分の子どもや孫に健全な海を残したいから」と回答しています。
MSCの最高責任者、ルパート・ハウズは次のように述べました。
「海の未来について人々は深く憂慮していますが、今回の世界的な調査で明らかになったのは、これまでになく多くの人々が、自らの選択が海の将来を変えることができると認識しているということです。海の生物多様性と食糧供給、そして漁業で生計を立てている人々の生活を守るために、私たちは今行動を起こさなければなりません。消費者と市場が、持続可能な漁業を行う漁業者を支援することで、変化を促す強力な力となります。しかし、課題の大きさから考えると、世界中の漁業が持続可能な形で管理されるように、各国政府がその役割を果たすことが不可欠なのです。
『世界海洋デー』に合わせて、MSCは持続可能な漁業に関するウェブサイトと短い動画シリーズを公開し、海洋保護のためにMSC認証漁業が行なっている革新的な取り組みを紹介します。ウェブサイトと動画は世界23カ国で公開されます(※)」
注記:
・この調査は、分析および戦略コンサルティングを行うグローブスキャンが、2022年1月25日から3月16日の間に、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、中国、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、イタリア、日本、オランダ、ノルウェー、ポーランド、シンガポール、南アフリカ、韓国(2022年の調査から参加)、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリス、アメリカ、ポルトガルの23カ国、の25,869名の消費者を対象に実施したものです。そのうち20,127名が日常的に水産物を購入する消費者でした。
・報告された世界平均は、特に明記しない限り、全23カ国の平均です。世界全体での結果については、サンプル数に関係なく、各国の重み付けに差はありません。
※ MSC認証漁業の革新的な取り組みについては以下のウェブサイトと動画をご覧ください。
ウェブサイト「MSC認証漁業について学びましょう」
URL: https://www.msc.org/jp/what-we-are-doing/an-msc-ocean
動画「もっと知りたいMSC漁業認証」シリーズ
URL: https://twitter.com/msc_japan/status/1534309234971754496
MSC(海洋管理協議会)について
将来の世代まで水産資源を残していくために、認証制度と水産エコラベルを通じて、持続可能で適切に管理された漁業の普及に努める国際的な非営利団体です。本部をロンドンとし1997年に設立され、現在は約20カ国に事務所をおき世界中で活動しています。MSCジャパンは2007年に設立。MSC「海のエコラベル」の付いた水産品は世界約100か国で49,000品目以上、日本では1,000品目以上が承認・登録されており、イオングループ、生協・コープ、セブン&アイグループ、西友、ライフ、マクドナルドなどで販売されています。
持続可能で適切に管理された漁業のためのMSC漁業認証規格は、世界で広く認知されており、最新かつ確実な科学的根拠に基づき策定されたものです。漁業がこの規格を満たすためには、(1)水産資源が持続可能なレベルにあり、(2)漁業による環境への負荷が抑えられており、(3)長期的な持続可能性を確実なものにする管理システムが機能していることを、第三者審査機関による審査を通じて実証することが求められます。
詳しくはMSCウェブサイトをご覧ください:https://www.msc.org/jp
MSC「海のエコラベル」について
MSCの厳正な認証規格に適合した漁業で獲られた水産物にのみ認められる証、それが「海のエコラベル」です。
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