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風邪対策のご当地あるある、日本各地の“民間療法” を徹底調査 「首にネギを巻く」、「卵酒」、… その効果のウソ・ホント 漢方医が語る“民間療法”“発汗”“薬”の関係とは!?

PR TIMES / 2013年10月17日 16時3分

今回、トレンド総研(東京都渋谷区)では、風邪の民間療法について調べました。風邪には、ネギを首に巻くと良い。そんな話を聞いたことはありませんか。こうした風邪をひいた時の対処方法については、各地で様々なものがあります。これらの民間療法について、日本全国の男女750名に調査を行い、注目度の高かった民間療法については、医師でジャーナリストの森田 豊氏にその効果について、お話をうかがいました。さらに、漢方専門医の尾崎 正時氏に、これらの民間療法について、漢方医としての立場から解説いただきました。




秋の深まりを感じる、この頃。こうした季節の変わり目は、体調を崩しやすい季節です。また、これから冬にかけては、“風邪”に関する話題を目にしたり、耳にしたりする機会が増えるタイミングでもあります。
そこで、トレンド総研(東京都渋谷区)では、この風邪について調べました。今回テーマとしたのは、民間療法。風邪には、ネギを首に巻くと良い。そんな話を聞いたことはありませんか。こうした風邪をひいた時の対処方法については、各地で様々なものがあります。これらの民間療法について、日本全国の男女750名に調査を行いました。また、本調査で注目度の高かった民間療法については、医師でジャーナリストの森田 豊氏にお話をうかがいました。さらに、漢方専門医の尾崎 正時氏に、これらの民間療法について、漢方医としての立場から解説いただきました。


■ 1. 日本全国15地域に調査! 風邪をひいた時の対処方法とは!?

今回の調査では、日本全国を15の地域に分けて、各地域に住んでいる人に、風邪をひいた時の対処方法について聞きました。本調査では、各地で多様な対処方法がとられている様子が明らかになりました。そこで、各地域の独特な対処方法や、よく行われている方法について、紹介します。


[調査概要]

調査名:風邪への対処方法に関する調査
調査対象:全国15地域の男女 750名 (各地域、「20代~40代」、「50代以上」でそれぞれ25名ずつ、計50名)
 (1) 北海道地方:北海道
 (2) 北東北地方:青森県、岩手県、秋田県
 (3) 南東北地方:宮城県、山形県、福島県
 (4) 北関東地方:茨城県、栃木県、群馬県
 (5) 南関東地方:埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県
 (6) 北陸地方:新潟県、富山県、石川県、福井県
 (7) 東山地方:山梨県、長野県、岐阜県
 (8) 東海地方:静岡県、愛知県、三重県
 (9) 近畿内陸地方:滋賀県、京都府、奈良県
 (10) 近畿臨海地方:大阪府、兵庫県、和歌山県
 (11) 山陰地方:鳥取県、島根県
 (12) 山陽地方:岡山県、広島県、山口県
 (13) 四国地方:徳島県、香川県、愛媛県、高知県
 (14) 北九州地方:福岡県、佐賀県、長崎県、大分県
 (15) 南九州地方:熊本県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
調査期間:2013年9月26日(木)~2013年9月30日(月)
調査方法:インターネット調査
調査実施機関:楽天リサーチ株式会社


◆ 風邪をひいた時の対処方法、ポイントは“身体を温める”と“食べるもの”

はじめに、今回の調査対象の人全体に、「風邪をひいた時によく行う、こだわりの対処方法」について、自由回答で聞きました。その結果、多く見られたのは、「身体を温める」対処方法と、「特定の食品を食べる」という対処方法でした。それぞれの方法について、印象的な対処方法を一例としてまとめると、以下のような結果となりました。

<「身体を温める」対処方法>
 「首筋にタオルを巻き、布団にグルグル包まって寝る。(長野県・女性27歳)」
 「たくさん水を飲んで、水分を摂った後、スチームサウナに入って汗をかく。(富山県・男性50歳)」
 「毛布を頭からかぶり、水分を摂って汗をかいて、熱を下げる。(愛知県・男性51歳)」
 「漢方薬を飲んで熱い風呂に入り、布団にくるまっていると、汗が出て熱が下がった。(島根県・男性63歳)」

<「特定の食品を食べる」という対処方法>
 多かった食品:卵酒、にんにく、りんご、スポーツドリンク、生姜、カレーライス、アイスクリーム など

また、その他にもユニークな回答が多数寄せられました。いくつか紹介すると、「リンパに沿って体を冷やすと熱が下がった。(千葉県・女性40歳)」、「軽い運動をして、汗を流したら、熱が下がる。(愛知県・男性42歳)」、「ネギを喉に巻くと喉の痛みは和らいだ感じがする。(福島県・女性44歳)」といった回答がありました。
これらの結果からは、風邪をひいた時の対処方法が、非常に多岐に渡ることが分かりました。“おばあちゃんの知恵”とも言えるような対策から、身体への負担が心配されるような対策まであげられ、“わらにもすがる”ような対策も少なくありません。辛い風邪は少しでも早く治したいというのが人情でしょうし、仕事をしている人ともなれば、風邪で休んでいられないという人もいるでしょう。こうした人々の必死さがうかがえる結果であったと言えるかもしれません。


◆ “民間療法”のアレコレ、北海道民の6割が「『ネギを首に巻く』が風邪に効果的」と言われた!?

それでは、こうした風邪をひいた時の対処方法としては、どのような方法をとっている人が多いのでしょうか。「ネギを首に巻く」といったような、“民間療法”について、いくつかの質問を行いました。
まず、「自身で『効果がある』と聞いたことがある、民間療法はありますか?」と聞いたところ、85%の人が「ある」と答えました。つまり、大半の人が民間療法を試したことがあり、その上で、効果があると感じていることが分かりました。
では、具体的には、どういった方法が「効果がある」と思われているのでしょうか。「『効果がある』と聞いたことがある、民間療法」を複数選択式で選んでもらいました。すると、最も多くの人からの支持を得たのは、57%が選んだ、「生姜湯を飲む」でした。前述の自由回答形式の質問でも、生姜湯に関する回答は多く見受けられ、さらに、生姜についてのコメントも多かったことから、風邪に対する生姜の効果を期待する人は多いようです。
2位以下は、「卵酒を飲む」(49%)、「ネギを首に巻く」(40%)、「お茶でうがいをする」(39%)と続きます。“民間療法らしい”回答も並び、人々の民間療法に対する信頼の高さがうかがえました。
それでは、こうした民間療法に対する考え方に、年代差や地域差はあるのでしょうか。
まず、年代差について調べました。50歳代以上の高年齢層の支持率が高かったのは、「卵酒を飲む」でした。「20代~40代」の支持率は38%であったのに対して、「50代以上」の支持率は61%。その差は20ポイント以上で、大きな違いが見られました。一方で、若年齢層からの支持が集まったのは「りんごを食べる」(34%)で、高年齢層の1.46倍の支持を得ました。
次に、地域別の支持率を見てみましょう。ここでは、各地域の特産物を利用した民間療法に支持率が集まるという結果になりました。いくつかの例をあげてみると、北海道地方では、「ネギを首に巻く」(60%・全国平均比1.52倍)、「大根に蜂蜜をかけて食べる」(32%・全国平均比2.11倍)に支持が集まったように、北東北地方の「にんにくを黒く焼いて食べる」(20%・全国平均比1.67倍)、四国地方の「生姜湯を飲む」(70%・全国平均比1.24倍)、「キンカン酒を飲む」(20%・全国平均比2.11倍)といったところが、特徴的な結果となりました。
北海道では、6割もの人が、「ネギを首に巻くことが、風邪に効果的だと聞いたことがある」といった印象的な結果が分かったように、風邪への対処方法には、大きな地域差があるようです。


◆ 実際に行っている、風邪への対処方法は!? 支持率は8割以上、ポイントは「身体を温める」

これらの興味深い結果を得た“民間療法”に関する調査ですが、最後に、“食”と“それ以外の方法”に分けて、それぞれどれだけの人が実際に行っているかを調べてみました。「風邪をひいた時に、意識的に食べているものは何ですか?」と聞いたところ、上位3項目は、「生姜」(54%)、「りんご」(32%)、「にんにく」(32%)という結果に。やはり、ここでも「生姜」の人気は非常に高いことが分かります。
一方、“食”以外の方法としては、どのような対策がとられているのでしょうか。「よく行う、風邪をひいた時の対処方法」を聞くと、83%と、他の回答を大きく引き離して、最多の支持率を得たのが、「体を温めて寝る」でした。また、次点以降にも、「お風呂・サウナで温まる」(30%)、「温かいお酒を飲む」(15%)と続き、身体を温める対処方法が上位を占めました。風邪をひいた際には、身体を温めることが重要だというのが、一般的な考え方のようです。
実際に、“食”による対処方法についても、上位の「生姜」や「にんにく」については、一般的に身体を温める作用があるといいますので、こちらの結果の裏側にも、身体を温める重要性による影響があるのかもしれません。


■ 2. 医師・森田 豊氏へ取材を実施、風邪の民間療法の効果とは!?

今回の調査では、日本各地の風邪への対処方法について明らかになりました。その中には、「ネギを首に巻く」など、定番の民間療法も含めて、様々な対処方法がとられている実態が明らかになりました。また、民間療法については、多くの人が「効果がある」と聞いたことがあると答えており、その真相が気になるところです。
そこで、様々な病気への分かりやすい解説で知られる、医師の森田 豊氏に民間療法の効果について、お話をうかがいました。


◆ まさに“おばあちゃんの知恵袋”、民間療法の効果とは!?

Q. 民間療法における、風邪への対処方法としての効果について、お聞かせ下さい。
民間療法の中には、“おばあちゃんの知恵袋”とも言えるような、実際に風邪への効果が見込まれる対処方法も、確かにあります。しかし、気をつけなければならないのが、たまたま少人数に効き目があったような対処方法が、そのまま長い間、言い伝えられているようなケースも少なくないことです。こうした医療的な効果については、元来、二重盲検試験(ダブルブラインドテスト)により、その効果が統計学的に示される必要があります。しかし、全ての民間療法に対して大掛かりな臨床実験を行うことは現実的ではなく、一般には、理学的な根拠に基づいて、その効果を期待できるとされています。


◆ 民間療法の真実を解説、「ネギを首に巻けば、風邪が治る」はウソ!?

Q. 今回の調査の中であがった対処方法の内、その効果が期待できるものはありますか?
まず、「ネギを首に巻く」といった対処方法については、残念ながら、効果があるとは言えません。ネギのツンとする独特のにおいにより、鼻づまりなどをスッキリさせる一助となることで、効果があるのではないかと言われているのではないでしょうか。しかし、その一方で、このネギをはじめとして、にんにくや生姜などに含まれる、アリシン、硫化アリルは、発汗などの代謝作用を高めるなど、疲労回復、殺菌作用といった効果を持ちます。これらの作用については、風邪に対して、一定の効果を期待することができ、これらの食品を食べることで、風邪への効果を期待することができると言えます。
一方で、よく言われる卵酒もそうですが、お酒については全般的に、風邪の際に飲むことは勧められません。少量なら寝つきを良くするなどの効果も多少ありますが、風邪をひいている時にアルコールを摂取してしまうと、脱水のリスクが高まりますし、粘膜を乾燥させ、風邪を悪化させます。また、りんごやみかんなどは、栄養素が豊富で、風邪の時に食べることは悪くはありませんが、直接的に風邪への効果があるかは分かりません。さらに、番茶や緑茶など、お茶については、風邪をひいてしまった時の効果は期待できませんが、むしろウイルスの細胞への吸着を抑えることから、風邪の予防という点では期待できます。


◆ 代謝を高める、滋養強壮、殺菌作用、… 風邪への有効な手段とは!?

Q. 風邪に対して有効だと思われる食品はどのようなものなのですか?
食品が、風邪に対して有効であるかどうかについては、個人差や外的要因による影響などもあり、一概には言えません。また、効果が期待できる成分を含む食品だとしても、実際に必要な摂取量を満たさなければ、その効果を期待することはできません。
そういう前提ではありますが、前述のネギやにんにく、生姜のように、一般的に、代謝を高める効果や滋養強壮、殺菌作用のある成分を含む食品については、一定の効果は期待できると言えるでしょう。もちろん摂取量にもよりますが、代謝を高める食品には、身体の熱を高めることにより、身体の免疫機能を高める効果が期待できます。また、こうした食品には、発汗を促すような作用もあり、俗に、汗をかくと風邪が治ると言われることもありますが、その裏側では、しっかりと身体を温めて、免疫作用を高めることに意味があるのだと言えます。
また、発熱をともなう風邪の時には滋養強壮は重要なポイントになります。殺菌作用を持つ成分を含むお茶などの食品も、予防面も含めれば、風邪への効果が期待できると言えるでしょう。


■ 3. 医師・尾崎 正時氏に取材を実施、発汗療法と薬の関係を説明

森田氏への取材では、多くの人が知る民間療法に対して、その効果への期待について答えていただきました。その中で、風邪への効果が期待できない治療方法が多いながらも、その一部は、きちんと効果が期待できるであろうことが分かりました。実際に、森田氏のお話の中で登場した生姜などの食品については、漢方薬として使われているものもあります。
そこで、民間療法において、風邪をひいた時の対処方法のポイントとしてあがった、“代謝を高める”、“滋養強壮”と、漢方成分との関係について、漢方に詳しい尾崎 正時氏にお話をうかがいました。


◆ 薬の成分と民間療法、漢方に学ぶ“代謝を高める”ことの重要性

Q. “代謝を高める”や“滋養強壮”といった効果が期待される食品が、風邪をひいた時にオススメな理由をお聞かせ下さい。
漢方にも、これらの食品と同様の効果が期待される成分があります。“代謝を高める”というのは、その結果として“身体を温める”効果を期待しているのだと思うのですが、人の身体は、体温が上がるにつれ、ウイルスを不活化させる機能が強くなっていきます。これは、いわゆる“発汗療法”に通じます。
こうした“身体を温める”効果が期待できるものとしては、麻黄(マオウ)、桂皮(ケイヒ)、などがあります。麻黄(マオウ)は交感神経を刺激し、急激に熱産生を増やし、体温を上昇させます。これにより、ウイルスの不活化を促します。桂皮(ケイヒ)も身体を温めます。その他に、附子(ブシ)、乾姜(カンキョウ・加熱後乾燥させた生姜)などは、身体の芯からじっくり温めます。ゾクゾクした寒気を感じるような風邪には、こうした成分が有効だと言えるでしょう。
一方、滋養強壮の効果を期待できるものとしては、薬用人参(ニンジン)、黄耆(オウギ)、白朮(ビャクジュツ)、茯苓(ブクリョウ)などがあげられるでしょう。補気剤とも呼ばれる、これらの生薬。その滋養強壮の効果としては、風邪の予防、風邪の後の体調回復に役立ちます。また、薬用人参(ニンジン)については、身体に水を蓄え脱水を予防する効果も期待することができます。風邪の際は、飲食の量がへっているところに汗をかくので、脱水予防という点からも有用と思われます。


◆ 身体を温めることがポイント! 発汗療法のメカニズムとは?

Q. 前述の体温を上げることでウイルスを不活化する、“発汗療法”について、教えて下さい。
前述の通り、人の身体は、体温が上がると、ウイルスを不活化させる機能が強くなります。このことに注目したのが、“発汗療法”。
日本では、冬の風邪のほとんどは、寒気がして、ブルブル震えるような風邪です。漢方では、こうした風邪を風寒タイプと呼びます。このタイプの風邪に対して、発汗療法は有効だと言えます。人の身体は、体温が上がるにつれ、ウイルスを不活化させる機能が強くなっていきます。風邪をひいた時にブルブル震えるのは、筋肉を激しく動かして熱を作り、身体を温めて、ウイルスを不活化させようとしているからです。そこで、麻黄(マオウ)などの生薬で、体温を上げるのを手伝ってあげれば、すぐにウイルスを不活化でき、早く風邪を治せます。
多くの人が、風邪をひいてゾクゾクするという経験を持っているでしょう。そんな時には、身体を温めて、ウイルスを不活化することが治療となります。そして、ウイルスが不活化されれば、身体の熱は不要になります。身体にこもった熱は、体力を奪います。汗をかいて、身体の熱を体外へ発散させることが必要となります。これが発汗療法のメカニズムです。


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担当:川浦 真吾(かわうら しんご)
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