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コンゴ民主共和国:東部カタンガ州で戦闘激化、多数の住民が避難

PR TIMES / 2013年1月28日 14時33分



コンゴ民主共和国の東部カタンガ州で、政府軍と民兵組織「マイマイ」の対立が激しさを増している。国境なき医師団(MSF)は、紛争に関わる全ての当事者に対して、近隣の低木地帯に避難した多数の一般市民に危害をくわえないよう要求する。

無人化した村
住民の避難状況の正確な把握は難しいが、カタンガ州東部のシャムワナからドゥビエにいたる115kmの街道沿いの村々は大半が無人となり、シャムワナとムピアナ間70kmの範囲にある村々も同様である。

「民間人が戦闘に巻き込まれ、戦闘員と間違われる恐れが生じています。しかし、一部の民兵組織が住民の退避を阻んでいます」シャムワナにおけるMSFのプログラム・コーディネーター、クリスティーネ・スラフトはそう語る。

MSFは1月第4週、カタンガ州の州都ルブンバシから約300km離れたシャムワナで行う活動において、最低限の人員を残した状態でスタッフを退避させた。現地には現在、戦闘による負傷者の増加に備えて外科処置に対応できるチームが留まっている。

住民の医療面で深刻な影響
住民が避難を強いられたため、医療施設に戻れない患者は治療を継続出来なくなり、医療面での深刻な影響が出ている。MSFの栄養治療プログラムで治療を受けていた栄養失調児や、HIV/エイズの抗レトロウイルス薬(ARV)治療を受けていた患者は、大半が治療を中断してしまっている。2012年9月に行われたはしかの集団予防接種も、カタンガ州キアンビで起きた戦闘で住民が避難を余儀なくされ、中断を強いられた。その結果、大勢の子どもがはしかの流行に抵抗力のないままになっている。

さらに深刻なのは、現在雨季に入っているために、マラリアが流行のピークを迎えていることである。2012年10月以降、MSFは週に平均で約1000人のマラリア患者を治療しており、その大半が5歳未満の子どもとなっている。

スラフトは次のように話す「私たちにとって特に気がかりなのは、低木の茂みに隠れ、医療を受けられずにいる抵抗力の弱い人びとです。重症マラリアは治療しなければ、子どもにとって致命的となり得ますし、分娩期の妊婦が合併症を起こせば、命に関わります」。

かつて「死の三角地帯」と呼ばれたこの地域には暴力の歴史がある。カタンガ州における2005年のマイマイと政府軍の激しい衝突は、地域住民にも大きな影響を及ぼした。人びとは暴力行為や性的暴行の被害者あるいはその目撃者となり、家族を殺害され、戦闘のために住まいから避難し、住居や家財が焼き払われる様子を目のあたりにした。その後は、比較的平穏だったが、その平穏も破られたようだ。

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MSFは2006年5月、カタンガ州東部のシャムワナで紹介病院の運営を開始し、キアンビ、ミトワバ、キルワの各保健区域に住む人びとを対象に無償の医療を提供してきた。複数のチームで、マラリア、結核、HIV/エイズ、栄養失調の治療や、リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)、心理ケア、救急外科を提供している。

シャムワナでは過去5年にわたり、MSFの外科医が出産時に内部損傷を負った女性数百人の治療にあたってきた。しかし、今回の避難の規模により、MSFはこのような専門の外科治療活動の一次停止を余儀なくされている。

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