フランスに残るロマ差別
PR TIMES / 2014年10月24日 19時43分
強制立ち退きで路上生活に追いやられるロマ
フランス当局は今週にも、パリ郊外ボビニーで暮らすロマの人びとに対し、強制立ち退きを行おうとしている。適切な代替住居が用意されていないため、強制立ち退きが執行されると、多くの家族は路上生活に追いやられる。当局は、ロマの人びとと十分な協議を行い、当事者が納得できる適切な代替住居が提供できるまで立ち退きを中止すべきだ。
強制退去を迫られているのは、ボビニーの無認可居住区に住む数十家族、200名以上のロマ人びと。その多くは代替住宅を提供されていない。
ボビニーの高等裁判所は7月、「立ち退きは家族と個人の生活権の侵害である」との判断を示した。また、立ち退きが緊急に必要だという当局の主張にも異議を唱えている。
このような高裁の主張があるにもかかわらず、当局は8月に同居住区の社会アセスメントを実施し、その結果にもとづいて今回の立ち退きを計画した。しかし、代替住居提供の対象としたのは、学齢期の子どもがいる家族だけである。しかも、家自体も家族向けに作られたものではなく、子どもたちの通うボビニーの学校からははるかに遠い位置にある。さらに、アセスメントを行ったのは学校の夏休みで、対象となった家族の多くが不在であり、聞き取りや住居提供の話を受ける機会を逃した。代替住居の対象にすらならなかった多くの人びとは、路上生活を余儀なくされる。
今回のフランス当局の計画は、ロマの人びととの人権をまったく無視したものであるといえるだろう。ここ数カ月間、ロマの家族を地域社会に溶け込ませるために、さまざまな努力が行われきたが、今回の強制立ち退きでそれらすべてが無駄になる。
フランスで強制退去させられているロマの数は年々増えており、今年に入ってからもカレーやマルセイユなどで、行われている。今年首相に就任したマニュエル・バルス氏は、内相時代に「ロマは出身国に帰るべきだ」と発言している。
ボビニーでの強制退去計画で、ロマの人びとへの差別が依然として厳しいことが浮き彫りになった。
ロマへの差別が残るのはフランスだけではない。強制立ち退きはイタリアやポーランドやセルビア、モンテネグロでも起きている。またチェコやスロバキア、クロアチア、ハンガリー、ギリシャでは、ロマの子どもたちを障がい児のための特別学校やロマ専用学校に入れる分離教育が行われている。ヨーロッパのいたるところでロマへの差別が公然と行われているのだ。長い苦難の歴史をもつロマの人びとは今も、差別と迫害に苦しんでいる。
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