【報道参考資料】シリア危機 ひとりで国境を越えた子どもたちは4,000人以上
PR TIMES / 2013年9月24日 19時11分
隔週レポート(9/6-9/19)ハイライトのお届け
ユニセフがシリアと周辺国で行っている支援活動の隔週レポートのサマリーページをお届けいたします。レポート原文(英語)には、各国別(シリア、レバノン、ヨルダン、イラク、トルコ)に、各分野(水と衛生、教育、栄養・保健、子どもの保護)の活動をご紹介しています。ご入用の際には日本ユニセフ協会広報室までご連絡ください。
2013年9月24日
※ 本信は、ユニセフ本部から提供された情報を元に日本ユニセフ協会が作成・配信しています。
■新学期スタート
9月15日に新学年がスタートし、新学期が始まったシリア。国内にいる子どもたち100万人を対象に「バック・トゥ・ラーニング(再び学ぼう)」キャンペーンを実施。通学が可能な地域では子どもたちが学校へ通えるよう、施設の修復やや文房具の提供、通学を呼びかけています。安全面への懸念から通学が困難な地域では、保護者などのサポートのもと在宅で学習できるプログラムを提供。子どもたちが「学ぶ」ことを通じて、少しでも日常を取り戻し、心をケアできるよう、活動をしています。
周辺国でも、新学期へ向けた通学登録などの取り組みを実施しています。キャンプ内で学習できるようにしたり、避難先の地域の学校への入学を呼びかけています。
■ひとりで国境を越えた子どもたち
9月20日ジュネーブで行われた記者会見では、保護者やおとなを伴わずに国境を越えた子どもたちが4,150人に上ることが報告されました。この人数には、子どものみで避難してきたことが確認、また登録された子どもしか含まれておらず、実際にはより多くの子どもたちが、単独で国境を越えているとみられます。
最も多くの子どもが確認されているのは、レバノンで1,698人。こうした子どもたちの中には、農作業を強いられる子どももおり、児童労働が起きています。続いてヨルダンの1,170人で、その多くはザータリ難民キャンプに身を寄せています。イラクでも、新たに避難してきた、保護者などを伴わない子どもは300人で、多くの子どもたちがシリアにいる家族に送金するために、働いている状況です。
こうした子どもたちは、極めて厳しい状況を目撃し、経験しているばかりでなく、最も搾取や虐待を受けやすい状況にあります。
■多くは家族のために国境を越える子どもたち
子どもたちが単独で国境を越える背景は様々です。紛争で両親や親戚を失い、命からがら逃げてきた子どももいます。自分よりも先に、国外へ避難した家族を追いかけてきた子どももいます。また、子どもの兵士にさせられ、紛争へ巻き込まれることを恐れた親が、子どもだけを国外へ逃していることもあります。
最も多いのは、家でできる仕事もなく、生活が困窮していることから、国外へ送り出され、仕事をし、収入を送金することを期待されているケースです。また、水や仮住まいを求めて避難する子どもたちもいます。ユニセフは、こうした子どもたちを家族のもとへ帰れるよう、子どもたちを保護しています。家族が見つかるまでの間、安全な生活空間、医療ケア、心のケア、教育などの支援を行っています。
◆レポート(英語)ハイライト
・ ユニセフは、ダマスカス及びダマスカス近郊、タルトゥスに住む600万人に安全な水を供給するため、浄水剤(次亜塩素酸ナトリウム)を提供。
・ ダマスカス子ども病院およびシリア赤新月社(SARC)の小児科医の報告では、中~重度の急性栄養不良が増加していることが確認されている。ユニセフ、WHOおよび保健省は、医療従事者向けに、中~重度の急性栄養不良の対応に関す復習研修会を行った。くわえて、ユニセフは栄養治療食を上記病院に配布した。
・ ヨルダンのアズラク難民キャンプでは、2万3、925人のシリア人難民のための水と衛生設備が用意された。5万人の居住者に対応するため、教育、子どもの保護、保健と栄養に関する施設が近日完成予定である。
・ イラクでは、最も直近に避難してきた3万482人の子どもと青年にはしかの予防接種と行った。また6~59ヶ月の子ども1万3、181人にはビタミンAカプセルの提供を行った。
・ トルコでは、難民キャンプで暮らす子どもたちのため、8万足の靴を配布している。これまでに、11のキャンプにおける4万2,090人の子どもが靴を受け取った。この靴の配布は、10月中旬まで予定されている。
・ エジプトでは、ユニセフおよびパートナー団体が心理的支援活動を行っている。教育や保健サービス、子どもの保護における個別対応といったかたちで、約200人の子どもたちが支援を受けている。
「バック・トゥ・ラーニング(再び学ぼう)」キャンペーン
・ シリア及び周辺国では、近日中に新学期が開始されるため、子どもたちが学校に戻ることは急務である。「避難、暴力や恐怖、不安定な情勢が、何十万もの子どもたちの教育の喜びを奪っています」とユニセフ中東・北アフリカ地域事務所のマリア・カリビス代表は述べている。
・ シリアでは、シリア教育省やパートナーとともに、紛争の影響を受けた小学校に通う年代の子どもたち100万人を対象に、「バック・トゥ・ラーニング(再び学ぼう)」キャンペーンを行っている。
・ 教育省によると、6万7,466人のシリア人の子どもたちが避難先の地区の学校に登録され、ヨルダンにおけるシリア人生徒の登録数は総計8万1,137人となった。
・ イラクでは、新しく設置された5つの難民キャンプに一時的な教室が設置され、「バック・トゥ・スクール(学校へ戻ろう)」キャンペーンを通じてこれまでに5,000人の子どもが登録された。
・ トルコにおいても「バック・トゥ・スクール(学校へ戻ろう)」キャンペーンが開始され、11の難民キャンプに済む3万9、000人の子どもを対象とし、靴や学用品、プレハブ校舎の支援を行っている。
・エジプトでは、8月時点で7,825人のシリア人の生徒が公立学校に登録された。
◆日本人スタッフ、現地にて活躍中
イラク、レバノン、シリア※では、日本人教育専門官が支援活動に携わっています
イラクでは、日本人子どもの保護専門官が活動、ひとりで避難してきた子どもたちの保護などの活動を
行ってます。
ご取材をご希望の場合は、日本ユニセフ協会 広報室にお問い合わせください。
※2013年9月13日時点で国外へ一次退避し、アンマンで支援活動を継続しています
(参考資料)
◆シリア国内で影響を受けた
子どもの数:3,128,000人
人々の数:6,800,000人
(OCHA/2013年4月)
◆シリア周辺国で難民として登録
または登録待機中の
子どもの数:1,069,849人
人々の数:2,102,582人
(UNHCR/2013年9月19日)
◆必要とされている資金
シリア国内: 1億1,046万米ドル
シリア周辺国: 3億6,019万米ドル
(2013年1月-12月)
■ 本件に関するお問い合わせ
(公財)日本ユニセフ協会 広報室
TEL:03-5789-2016 FAX : 03-5789-2036 Eメール: jcuinfo@unicef.or.jp
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