【ワクセル講演会レポート】田所雅之氏|スタートアップ事業「イノベーション7つのポイント」10/8(金)19:30-@オンライン開催
PR TIMES / 2021年11月2日 17時15分
破壊的なイノベーションとは何か?
ワクセルは10/8(金)19:30より、田所雅之(たどころまさゆき)氏を講師に招き、オンライン講演会を開催しました。
今回の講演会では、スタートアップ事業を成功させるために欠かせない「イノベーションの7つのポイント」をテーマにお話しいただきました。
本レポートでは、その講演会の報告をいたします。
ワクセル主催のオンライン講演会のレポートです。
ワクセル(主催:嶋村吉洋)は、コラボレートを通じて、人に夢を与え続けていくソーシャルビジネスコミュニティです。
[画像1: https://prtimes.jp/i/52391/85/resize/d52391-85-76eb389f92bc72fb84de-0.jpg ]
ワクセルは10/8(金)19:30より、田所雅之(たどころまさゆき)氏を講師に招き、オンライン講演会を開催しました。
田所氏は、日本と米国シリコンバレーで合計5社の起業をしてきた実業家です。現在はスタートアップ経営や大企業のイノベーションを支援する株式会社ユニコーンファームの代表を務めています。2017年の発売日以降、115週経営書売上1位になった『起業の科学 スタートアップサイエンス』、『御社の新規事業はなぜ失敗するのか?~企業発イノベーションの科学~』、『起業大全』の著者でもあります。年間の講演回数は160回以上、新規事業アドバイスやメンタリングは合計600回以上の実績をお持ちです。また、オンラインサロン「スタートアップ経営者塾」では、田所氏から直接メンタリングを受けることもでき、人気を博しています。
今回の講演会では、スタートアップ事業を成功させるために欠かせない「イノベーションの7つのポイント」を項目ごとに詳しくお話しいただきました。
イノベーション7つのポイントとは?
[目次]
破壊的イノベーションを理解する
良い新規事業のアイデアは何かを理解する
現状の分析ではなく、あるべきユーザーの体験から考える
高速で市場に投入して、顧客からフィードバックを得る
小さな市場を一気に支配する
Data is King
時代の変化を理解する
1. 破壊的イノベーションを理解する
まずイノベーションを理解する上で、「スモールビジネス型」「スタートアップ型ビジネス」の違いを知ることが大事です。2つのビジネスは野球とサッカーほど違います。
スモールビジネス型・・・既に顕在化している市場があり、お客様がいる。(継続的イノベーション)
スタートアップ型・・・まだ顕在化していないニーズを掘り起こす(破壊的イノベーション)
スタートアップ型の事業は、新たに作り出す破壊的イノベーションであるといいます。
今回は破壊的イノベーションについて、詳しく触れていきます。
2. 良い新規事業のアイデアは何かを理解する
ドリルではなく、ドリルの穴を見つけよう。
そう語る田所氏。一体どういう意味なのでしょうか?
それは「ソリューションではなく、イシューにフォーカスすること」です。
ついプロダクトにフォーカスしがちですが、ユーザーの潜在ニーズはどこか?に焦点を向けるべき、という考え方を田所氏は大事にしています。
ドリル(=プロダクト)ではなく、ドリルの穴(=ユーザーが気づいていないニーズ)を見つけること。
ドリルの穴を見つけるための洞察、インサイトが必要。スタートアップはそこを見つけるゲーム。
ドリルの穴を見つけるためには、「優秀な医者になること」と例えました。
「頭が痛い」という患者がいたときに、表面的な課題を取って、頭痛薬を出すのは起業家としては失敗です。
なぜ、頭が痛いのか。もしかしたら睡眠不足かもしれない。ソリューションは睡眠薬かもしれないと顧客に寄り添って、共感して、本当のニーズを掘り起こすことがドリルの穴を見つけることです。
ユーザーは言語化できていないことが多いので、本当に欲しいものを私たちが知っていることが鍵なのです。
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3.現状の分析ではなく、あるべきユーザーの体験から考える
全体のユーザー体験(UX)が大事で、前後の体験を意識すること。
田所氏は、その点も大事だといいます。
UberEatsを例にします。
UberEatsは、ただのデリバリーサービスではなく、時短を提供しています。また、商品を届けるその瞬間だけでなく、料理している途中経過や届く時間が正確に分かるなどの前後の体験もデザインしています。
ユーザーは、優れたサービスを言語化できていないこともありますが、全体のユーザー体験は磨き込まれているのです。
ユーザー体験(UX)にデザイン的アプローチを経営戦略に取り入れている企業は、株価の伸び率が上がっている、という調査もあります。
参考:
Design Can Drive Exceptional Returns for Shareholders
https://hbr.org/2014/04/design-can-drive-exceptional-returns-for-shareholders
4. 高速で市場に投入して、顧客からフィードバックを得る
スタートアップ新規事業は、事業ではなく「実験」であるという認識を持つことが大切です。
高速で市場に投入してフィードバックを得て改善していくほうが、プロダクトから作ることよりも重要です。
プロダクトを先に作ると、あとには引けなくなってしまう心情が働いてプロダクトに固執しがちになってしまいます。
顧客からのフィードバックを受け取ることで、いち早く「ドリルの穴(潜在ニーズ)」にたどり着けます。
5. 小さな市場を一気に支配する
市場で勝つためにはどうしたら良いのでしょうか?
それは競争しないことを意識することです。
そのために、入り口市場を見つけることがキーとなります。
どこで戦うか。どこで戦えるか。なぜその市場で戦うか理由を考え、それを細かくセグメントに分けて、ニーズが強いセグメントをプロットすることが大事なのです。
田所氏は、ご自身の経験から「目隠ししてダーツを投げると失敗する」と警告しています。
6. Data is King
「定性で仮説を立て、定量で検証する」
スタートアップの核となる部分です。
なぜ売れたのか分からないラッキーパンチでは、再現性が持てません。
なぜ顧客が感動したか、なぜスタートアップが成功したかを定量化していくことで再現性が生まれます。
どうやってリピートしていくか検証していくプロセスなのです。
7. 時代の変化を理解する
スモールビジネス型が既存に対して最適化することに対して、スタートアップ型は未来に対して最適化をしていくことだと冒頭で述べました。
では未来に訪れる時代の変化をどう捉えるのでしょうか?
例えば、数年後に自動運転を普及したとしたら、運転する手が空くので車内でどう過ごすか変化が起こると予想します。暇な時間ができたことによって、車内でできる新しいエンターテイメントの需要が上がるかもしれない。こういった仮説を立てることができます。
これは一例ですが、3~5年先に起こりうるいろいろな兆しを見て市場の変化を見て未来に対して最適化していくことがスタートアップ型の起業なのです。
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質疑応答
講演会の最後には、質疑応答を行いました。
すぐさまZoomのチャットから質問がたくさん寄せられ、チャットログが流れてしまうほどでした。
Q:ドリルの穴(ユーザーの潜在ニーズ)を見つけるにはどうしていますか?
A:仮説を立てて、定量的に調査すること。ユーザーは本当に欲しいものが言語化できていないことが多いです。まずは検索などで2次情報を得て、仮説を持ってアンケートやインタビュー、影のように付き添ってそばで観察するジョブシャドウィングなどを通し、現場に行って答えを見つけることが大事です。
Q:小さな市場を一気に支配することについて、セグメントはどのように分割しますか?
A:分析していくときに、明らかにターゲットではない層が分かったりするので、残りの2割のユーザーに絞り込みます。ペルソナやプロダクトを決めたりすることもあると思いますが、どちらも仮説であるため市場に出したらすぐ書き換えることが大事です。
アップデートを重ねていくことで徐々に解像度が上がります。
Q:スタートアップする上で一緒に仕事したい人材は?
A:「怒っている人」が良い。課題を話すときに怒りの感情が出ている人は一緒に仕事したいと思います。また、一見すると魅力ではない産業に対して、魅力的な見立てを見つけている人も手を組みたいと思います。
[画像4: https://prtimes.jp/i/52391/85/resize/d52391-85-42589956678f99d8d0a5-4.jpg ]
写真:左から田所氏、三木(ワクセルメディアマネージャー)
最後に
シリコンバレーでスタートアップをしてきた経験を惜しみなくお話しいただきました。
イノベーションの原理を理解し、ドリルの穴を見つけること、ユーザー体験、ユーザーへ寄り添うこと、再現性を持つこと、仮説思考をもって3~5年先の未来を予測して起業していくことなど、たくさんのエッセンスが詰まっていました。
まだまだ知りたいという方は、田所氏の著書や、「スタートアップ経営者塾」をご覧ください。
https://unicornfarm.jp/jukusalon/juku
■田所雅之氏プロフィール
[画像5: https://prtimes.jp/i/52391/85/resize/d52391-85-73960452f6ef018be207-3.jpg ]
株式会社ユニコーンファームCEO
関西学院大学大学経営戦略大学院 客員教授
これまで日本で4社、シリコンバレーで1社起業をした連続起業家
2017年発売以降115週連続でAmazon経営書売上1位になった『起業の科学 スタートアップサイエンス』、及び『御社の新規事業はなぜ失敗するのか?企業発イノベーションの科学』 『起業大全』の著者。
2014年から2017年までシリコンバレーのVC(ベンチャーキャピタル)のパートナーとしてグローバルの投資を行う。
現在は、スタートアップ経営や大企業のイノベーションを支援するunicorn farmのCEOを務める。
年間の講演回数:160回(2019年実績)
新規事業アドバイス/メンタリング:600回(2019年実績)
内閣府タスクフォース(価値デザイン社会審議会)メンバー
経産省主催STS(シード期の研究開発型ベンチャーに対する事業化支援)の協議会メンバー
経産省主催TCP(ベンチャー支援プログラム)のメンター/審査員
などを歴任。
<著書>
『超入門 ストーリーでわかる「起業の科学」』
『起業大全』
『御社の新規事業はなぜ失敗するのか?~企業発イノベーションの科学~』
『入門 起業の科学』
『起業の科学 スタートアップサイエンス』
<共著>
『コロナ後の新ビジネスチャンス』
<スタートアップ経営者塾>
『起業の科学』著者田所雅之から定期的なオンラインメンタリング、Zoom相談を受けられるスタートアップ経営のための塾。スタートアップのあらゆる要素について学べるオンライン塾です。
スタートアップ経営者塾
https://unicornfarm.jp/jukusalon/juku
■SOCiAL BUSiNESS COMMUNiTY『ワクセル』
ワクセルは、コラボレートを通じて、人に夢を与え続けていくソーシャルビジネスコミュニティです。健全に学び、チャレンジし、成長し、達成し続ける人が次々と集まるコミュニティを作り続けます。
さまざまな分野で活躍する著名人や経営者、クリエイターの方々とコラボレートすることにより、下記の取り組みやコンテンツ制作を行っていきます。
・YouTube等での番組配信
・オンライン講演会
・出版プロデュース
・プロジェクト創出
・対談、インタビュー記事制作
ワクセル公式HP(主催:嶋村吉洋)
https://waccel.com/
ワクセル公式チャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCG01_a1_jI7FcCwx0ORtw0w
ワクセル公式Twitter
https://twitter.com/waccel_academy
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