COVID-19の影響によりTCU出荷量は落ち込んだが、次第に回復傾向に
PR TIMES / 2021年2月16日 9時45分
Continental、LG、Harmanが世界のTCU出荷の大部分を占めた。25年にはTCUの4台に1台が5G対応の見込みに。自動車メーカーの時流に対する動きが、5G TCU採用を加速させるだろう。
カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ (英文名: Counterpoint Technology Market Research 以下、カウンターポイント社)は、テレマティクス制御ユニット(TCU)市場は、2020年から25年にかけて年平均成長率(CAGR)で14.4%成長し、2025年の市場規模は63億米ドル(約6,600億円)を上回る見通しである(乗用車用と商用車用含む)という調査結果を含むSmart Automotiveサービスによる最新調査を発表致しました。
2025年までは、4G対応のTCUによるコネクテッドカーが多数派となる見込みですが、5Gインフラが急速に整備されつつある国々では、各自動車メーカーは、5Gに対応しつつ必要に応じて旧規格の通信もできるようなTCUへの切り替えを次第に進めていくことで、どこでも途切れずに、多様なコネクテッドカー向けサービスを提供できるようにしていく見込みです。
2020年は、既に下り坂であった自動車販売に、COVID-19が多方面で大打撃を与えた年でした。
自動車工場の操業は何週間にもわたって不規則的となり、2020年上半期には従業員の解雇も行われたことで、組み立てラインに影響が出た。
消費者に、必需品以外への出費を控えようという意識が生まれ、新車登録台数が減少した。購入時のインセンティブで、短期的に販売が持ちなおすことも期待されている。
そんな中で、まず、欧州でのE-call(車両の自動緊急通報システム)義務化により、TCUの出荷がぐっと伸びました。同様の施策である、カザフスタンとロシアのEVAC / ERA GLONASS(2017年1月~)や、韓国K-ecall(2021年~)などが各国でも実施されたことでTCUの販売が伸びました。
他にもTCUの採用が増えた重要な要因は、消費者が車に対して安全性やエンタテイメント性を重視するようになったという消費者マインドに加えて、近年関心が高まっている電気自動車(EV)にはバッテリー管理や車の性能を引き出すための高性能なTCUが必要になっていることが挙げられます。例えば、GMは、電気自動車と自動運転に関わる予算を200億米ドル(約2.1兆円)から270億米ドル(約2.8兆円)に増加させ、今後5年間で30車種もの新型電気自動車を発売する予定です(そのうち20を超える車種は北米専用)。自動車メーカーがコネクテッド・サービスで顧客を惹きつけ、そのサブスクリプションから売上を積みあげようとする中で、テレマティクス産業は成長の手ごたえを感じています。
TCU市場について、カウンターポイント社シニアアナリストのAman Madhok氏は次の通り述べています。
「Continental、LG、Harmanが2020年の出荷の過半数を占めた。Continentalは世界中の市場でプレゼンスがあり、高級車も普通の車も含め、多くの自動車メーカーにTCUを供給している。ここ数年でContinentalは、新規契約獲得や量産車へのTCUの採用が進んだことを受けて、市場シェアでLGを抜いた。HarmanはBMWとの契約が成立し、2021年から最新の5G対応TCUを供給する予定である。さらに、VWやMaruti Suzukiへの販路も開拓した。」
[画像: https://prtimes.jp/i/33140/86/resize/d33140-86-791237-1.png ]
Madhok氏はさらに付け加えて、「その一方で、LGは、売上のかなりの割合を占めるGMへのTCU販売が飽和状態のため、シェアを落とした。」と述べています。
Smart Automotiveサービスによる調査では、セルラー接続の種類別にもTCUを分類しています。セルラー接続の視点から、カウンターポイント社調査担当VPであるPeter Richardson氏は次の通り述べています。
「5G導入はこの業界でも立ち上がり始めており、TCUメーカーは自社の顧客(自動車メーカー)と5G対応TCUの契約を結び始めている。ここでもContinentalがリードしており、既に欧州の2社と5G TCU供給の契約を締結している。これをLGとHarmanが追っている形だ。GMは、自動車の完全電動化や、積極的な5G採用を強く打ち出しているため、LGにとっては5G製品ポートフォリオの拡大と販売への追い風となるだろう。GM、Ford、VWなどが5G接続を推進し、2025年には、5G TCUの価格が下がり、中位クラスの車への採用が可能となるだろう。」
包括的で詳細な「Global Telematics Control Unit Market Tracker 2021」は、カウンターポイント社Smart Automotiveサービスの一部として report.counterpointresearch.com にて購入可能です。調査や分析の内容についてのお問い合わせは、お気軽に press(at)counterpointresearch.com までお問い合わせください。
【カウンターポイント社概要】
Counterpoint Technology Market ResearchはTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んだ経験を持つ。
公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/
企業プレスリリース詳細へ
PR TIMESトップへ
この記事に関連するニュース
-
中国の新エネ乗用車販売台数は2024年に1000万台を突破へ、CINNO Research予測
マイナビニュース / 2024年4月15日 6時30分
-
「アジアでBEV出遅れ」は好機になる? 日本車が再び選ばれるようになる理由
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月11日 8時40分
-
中国シャオミがEV出荷開始、受注10万台超
ロイター / 2024年4月3日 13時24分
-
中国電池CATL、海外市場でも「シェア首位」に躍進 1月の搭載量が韓国LGエナジーを初めて逆転
東洋経済オンライン / 2024年3月27日 18時0分
-
マークラインズ 電気自動車販売月報 2024年2月
PR TIMES / 2024年3月25日 18時15分
ランキング
-
1東京円一時1ドル154円87銭、34年ぶり円安水準を更新…経団連会長「円安過ぎる」
読売新聞 / 2024年4月23日 20時39分
-
2いなば食品、大炎上でも「不買運動」が起きぬ理由 キリンはあれだけ盛り上がったが…どこに違いが?
東洋経済オンライン / 2024年4月23日 18時10分
-
3【要注意】自宅に「エコキュートの無料点検をします」と突然の来訪! 悪徳業者の「詐欺」の場合もあるの? 正規業者との見分け方や注意点を解説
ファイナンシャルフィールド / 2024年4月22日 5時0分
-
4パナ、電動自転車発火の恐れ バッテリー14万個リコール
共同通信 / 2024年4月23日 18時32分
-
5リッチモンド、顧客満足度1位に「なっちゃう」神髄 目指さずとも…要因は"委ねる"から生まれる主体性
東洋経済オンライン / 2024年4月23日 10時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください