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腐食劣化と決別した超高耐久床版(Dura-Slab)を開発

PR TIMES / 2017年7月5日 13時18分

- 実物大モデルの輪荷重走行実験にて疲労耐久性を確認、実用化へ -

NEXCO西日本(大阪市北区、代表締役社長:石塚 由成)と三井住友建設株式会社(東京都中央区、代表取締役社長:新井 英雄)は、鉄筋やPC 鋼材に替わり、腐食しない新材料を緊張材として用いた『非鉄製材料を用いた超高耐久橋梁:Dura-Bridge(Durable Bridge)』の共同研究を平成22 年3 月より進めてきました。今回、Dura-Bridge の研究成果を応用し、超高耐久床版(Dura-Slab)を開発しました。本技術はDura-Bridgeと同様に鋼材腐食によるコンクリート片はく落などによる第三者被害を防ぐとともに、耐久性の向上により維持管理費用の削減が可能であり、床版取替え工事などに有効です。
今後は、床版取替えなどの更新用部材として、飛来塩分や凍結防止剤散布による鋼材の腐食環境が厳しい本線構造物への適用を目指します。



[画像1: https://prtimes.jp/i/16810/89/resize/d16810-89-108729-7.jpg ]



図-1 超高耐久床版の概要図
注)アラミト゛FRP ロット゛とは、PC 鋼材の代替えとなる引張力に強い繊維を束ねた棒状の材料をいいます。


1.共同研究の内容
高速道路橋は、経過年数に伴う老朽化だけでなく交通量と車両総重量の増加、凍結防止剤の散布や沿岸部での塩害などによる劣化が進行しています。今回、高速道路リニューアルプロジェクトにおける鉄筋コンクリート床版の取替え工事への適用を目指し、これまでの鉄筋やPC鋼材などの鋼部材を一切用いない超高耐久橋梁(Dura-Bridge)での研究成果を応用した、超高耐久のプレキャスト床版を開発しました。

2.超高耐久床版の特徴
1. 腐食劣化を排除
・ 設計基準強度80N/㎟ の高強度繊維補強コンクリートを使用することにより、鉄筋の配置をなくし、PC 鋼材の代わりにアラミドFRP ロッドを使用してプレストレスを導入することで、腐食劣化の可能性を排除しました。
2. 床版の構造
・ 本プレキャスト床版の構造は、橋軸直角方向に水平リブを有し、さらにアラミドFRP ロッドによりプレストレスを導入しています。
・ 一般的なプレキャストPC 床版は、500mm 程度の現場打ち間詰め部を設け、そこにループ形状の鉄筋などを配置しコンクリートを打設することで一体化されています。一方、本床版構造は間詰め部を小さくした上で、アラミドFRP ロッドで橋軸方向にPC 床版相互を連結する構造のため、床版厚を約2 割(220mm→180mm)薄くできます。これにより、床版の軽量化を図ることができ、床版取替え後の耐震性の向上や、既設桁の疲労に対する耐久性の向上が期待できます。
3. 第三者被害の防止、耐久性向上、維持管理費の低減
・ 本床版は、鋼材腐食によるコンクリート片のはく落などの第三者被害が発生しません。また、軽量化による耐震性と既設桁の疲労耐久性の向上により、将来の維持管理の人的及び経済的負荷の低減が可能です。

[画像2: https://prtimes.jp/i/16810/89/resize/d16810-89-363673-1.jpg ]

図-2 一般的なプレキャストPC床版の接合構造


[画像3: https://prtimes.jp/i/16810/89/resize/d16810-89-872017-2.jpg ]
図-3 超高耐久床版の接合構造


[画像4: https://prtimes.jp/i/16810/89/resize/d16810-89-806563-3.jpg ]

写真-1 高強度繊維補強コンクリート


[画像5: https://prtimes.jp/i/16810/89/resize/d16810-89-339642-4.jpg ]

図-4 超高耐久床版の概要図


3.開発状況
高速道路リニューアルプロジェクトへの適用を目的として、実物大の床版切り出しモデルに対する輪荷重走行
試験を実施した結果、従来の鉄筋やPC 鋼材を用いたPC 床版と同等の疲労耐久性を有することを確認しまし
た。
[画像6: https://prtimes.jp/i/16810/89/resize/d16810-89-886576-5.jpg ]

[画像7: https://prtimes.jp/i/16810/89/resize/d16810-89-665758-6.jpg ]

写真-2 輪荷重走行試験

4.今後の展開
様々な構造検討や輪荷重走行実験により、実橋へ適用するのに十分な強度と疲労耐久性を有することを確認しました。
今後、高速道路リニューアルプロジェクトにおいて、高い耐久性が望まれる箇所への適用を検討して
いきます。

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