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肌の生まれかわりを阻害する新しい要因を発見

PR TIMES / 2020年10月28日 15時45分

角層研究のナリス化粧品、ふきとり化粧水の技術向上のため

株式会社ナリス化粧品(代表者:村岡弘義 本社:大阪市福島区)は、10月21日から30日の期間に開催されている化粧品の国際学会、IFSCC Congress 2020において、角質を肥厚させ、肌の生まれかわりを阻害する新しい要因を発見したことを発表しました。IFSCC Congressは2年に1度開催される、化粧品技術者が最新研究結果を発表する、最も権威ある国際学会です。例年は世界各国で開催されており、今大会は日本での開催を予定していましたが、新型コロナウィルスの影響により、初めてとなるオンライン開催となりました。当社は直近4回連続参加をしており、今回の発表は、過去最多の6件です。



[画像1: https://prtimes.jp/i/25614/92/resize/d25614-92-401319-0.jpg ]

2020年10月28日


■研究の背景
当社は、1937年に、初めて角質をふき取ることで健康な肌を目指す「ふきとり化粧水」を発売。以来83年間にわたり、角層研究を行っています。皮膚は生まれてから老化角質となって剥がれ落ちるまでにたんぱく質が、糖化・カルボニル化・ニトロ化など様々な変化をすることが知られていますが、最後に剥がれ落ちる角層剥離に対して、これらのたんぱく質の変化がどのように影響しているかは全く知られていません。角層剥離が正常に行われないと、角層肥厚を引き起こし、肌のくすみやごわつきの原因となります。この角層剥離に糖化・カルボニル化・ニトロ化がどのように関わっているかを探るべく、この研究を行いました。

[画像2: https://prtimes.jp/i/25614/92/resize/d25614-92-710965-1.png ]


■研究内容
 角層剥離に関連する因子としては、角層細胞を接着する因子と、分解する酵素の存在が知られているため、角層細胞の接着に関わる因子に着目して研究を進めました。角層の厚さと角層中の細胞接着因子の量を調べたところ、相関があるとわかりました。また、角層中の細胞接着因子の量と、角層中の糖化たんぱく量・ニトロ化たんぱく量についても相関がみられました。角層剥離が正常に行われない状態は、角層の細胞接着因子が分解されない状態であることから、糖化やニトロ化が多いほど、角層剥離が行われず、角質が肥厚している可能性があります。 
[画像3: https://prtimes.jp/i/25614/92/resize/d25614-92-505441-2.png ]

[画像4: https://prtimes.jp/i/25614/92/resize/d25614-92-259896-4.png ]


 また、細胞接着因子を、糖化・カルボニル化・ニトロ化させ、分解酵素で処理し、「SDS-PAGE」という実験手法を用いて解析をしたところ、細胞接着因子の分解が抑制されることがわかりました。その原因として、糖化・カルボニル化・ニトロ化により、接着因子が凝集することもわかりました。また、角層細胞での確認でも同じ結果となりました。角層中の接着因子は、糖化・カルボニル化・ニトロ化することによって、分解酵素処理を行っても、赤色の細胞接着因子(DSG1)が減らないことからも抑制されていることが明らかです。
[画像5: https://prtimes.jp/i/25614/92/resize/d25614-92-398998-3.png ]


 このことから、角層細胞の接着因子が、糖化・カルボニル化・ニトロ化されると、接着因子の分解が行われないことから、角層剥離が正常に行われず、角層肥厚を招く可能性があることがわかりました。今後は、糖化・ニトロ化・カルボニル化を防ぐ、もしくは解消することができる研究を進め、化粧品開発に活かしていきます。

■発表タイトル
演題名:Protein modification leading to serious skin desquamation loss
和文:角層剥離の深刻な低下につながるタンパク質の修飾
■発表者
株式会社ナリス化粧品  森田 哲史

研究者プロフィール
[画像6: https://prtimes.jp/i/25614/92/resize/d25614-92-110368-5.jpg ]

森田 哲史 (もりた さとし)
株式会社ナリス化粧品 
研究開発部 研究課 基盤技術グループ 
― 略歴 ―
2000年 京都府立大学大学院 農学研究科 修了。
株式会社ナリス化粧品に入社。
化粧品開発に4年、研究業務に15年、OEM営業に0.5年

化粧品開発では、訪問販売主体の会社にしては、店頭販売商品、OEM商品に関わり、OEM営業や研究部門の管理業務にも携わるなど異色の経歴を持つ。近年は研究業務に携わり、『好奇心と興味を持って楽しむ』をモットーに、皮膚生理・皮膚科学の研究から原料開発まで幅広く業務に従事している。コロナ禍において、幼い子の成長が早いことに気を良くし、我が子(5歳)に運動や勉強を仕込んでリアル育ゲーを楽しむ。

― 過去の研究例 ―
● LED光が皮膚に与える影響の検討 (2006年5月 研究皮膚科学会)
●The Prunus lannesiana Flower Extract Up-regurates the Expression of Genes Related to Cell Proliferation, and Improves Aging Skin. (2006年10月 IFCSS 2006 大阪大会)
● Curcuma zedoaria Extract Inhibits Melanin Biosynthesis Induced by Activation of c-kit. (2006年10月 IFCSS 2006 大阪大会)
● シマホオズキ果実抽出物のシワ改善作用 (2012年3月 農芸化学会)
● ショウガ科Curcuma Zedoaria塊根抽出物のメラニン産生抑制活性に関する研究 (2012年9月 生薬学会)
● 共焦点レーザー顕微鏡により観察された真皮乳頭突起構造と皮膚性状の相関解析 (2014年7月 美容皮膚科学会)
● 皮膚の加齢変化に対する真皮乳頭突起形状の関与 (2016年7月 加齢皮膚医学研究会)

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