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α-グルコシルルチンがヒトiPS細胞を活性化する作用機序を解明幹細胞の機能解明や化粧品へのさらなる応用へ期待

PR TIMES / 2021年11月8日 11時15分

「美しい人生を、かなえよう。」をパーパスに理容室・美容室、エステ・ネイルサロンおよび歯科・医療クリニックの業務用設備機器や化粧品・空間デザイン等を手掛けるタカラベルモント株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役会長兼社長:吉川 秀隆)は、東京工業大学 科学技術創成研究院 ゼロカーボンエネルギー研究所の島田幹男助教らとの共同研究を行い、α‐グルコシルルチン(αGルチン)が ヒトiPS細胞の代謝を活性化することを明らかにしました。



【要点】
■αGルチン(天然化合物ルチンの水溶性を高めた化合物)の作用を線維芽細胞、iPS細胞、iPS細胞由来表皮角化細胞で比較。
■iPS 細胞ではαGルチン処理により細胞内代謝が一時的に活性化することを発見。
■iPS細胞由来表皮角化細胞ではαGルチン処理によりヒートショックプロテインが増加傾向であることを確認。

【研究概要】
αGルチンは、天然フラボノイド(1)であるルチンの誘導体であり、ルチンよりも水溶性が高い特性を持っています。そのため、食品や化粧品の抗酸化剤、着色剤として使われてきましたが、幹細胞に対する作用はこれまで明らかにされていませんでした。そこで、当社の化粧品研究開発部 三宅智子研究員、東京工業大学 科学技術創成研究院 ゼロカーボンエネルギー研究所の島田幹男助教らの研究グループは、ヒトiPS細胞から表皮角化細胞(2)を作製し、線維芽細胞(3)、iPS細胞、iPS細胞由来表皮角化細胞にαGルチンを作用させた時の遺伝子発現変化を次世代シークエンサー(4)により網羅的に解析。その結果、iPS細胞では、αGルチン処理によって最初期遺伝子(5)(immediate early gene; IEG)応答が起こり、細胞内代謝が一時的に増加することを発見しました。また、表皮角化細胞では、ヒートショックプロテイン(6)の発現が増加しているという変化も確認できました(図1)。さらにiPS細胞の多能性(7)にαGルチンが及ぼす影響を調べたところ、多能性マーカー(8)の発現は低下せず、多能性が維持されていることもわかりました。(図2)。なお、本研究は、初めて幹細胞に対するαGルチンの作用機序を明らかにしました。
[画像1: https://prtimes.jp/i/55758/94/resize/d55758-94-b8b3a75219531b55b12a-0.jpg ]

αGルチンにより、iPS細胞では細胞内代謝が一時的に活性化し、表皮角化細胞では、ヒートショックプロテイン(HSPs)が増加傾向でした。

[画像2: https://prtimes.jp/i/55758/94/resize/d55758-94-99e7067720766daa3785-1.jpg ]

αGルチンを含む培地でiPS細胞を24時間培養後も多能性マーカーであるOCT4(緑)、SSEA4(赤)が発現しており、多能性が維持されています。

【論文情報】
本研究は東京工業大学と共同で実施し、米国国際科学誌「Stem Cell Research」電子版にて2021年8月20日に掲載されました。
論文タイトル:α‐glucosyl-rutin activates immediate early genes in human induced pluripotent stem cells
(α‐グルコシルルチンがヒト iPS 細胞において IEGs を活性化する)
著者:Tomoko Miyake, Munekazu Kuge, Yoshihisa Matsumoto, Mikio Shimada
論文掲載サイト:https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1873506121003585
東京工業大学プレスリリース:https://www.titech.ac.jp/news/2021/061952

【応用展開】
この共同研究をきっかけに、当社ではαGルチンに着目し、製品開発を行いました。最初の応用展開としてαGルチンを配合したヘアケア製品「LebeL ONE」を日本での発売を先駆けに、順次グローバルでも展開していきます。また、本研究も含めた当社のテクノロジーをまとめたビューティーサイエンス&テクノロジーブック及び動画も作成しております。
LebeL ONE公式website : https://www.lebel.co.jp/products/series/lebelone/
ビューティーサイエンス&テクノロジー : https://vimeo.com/583415190

【用語説明】
(1)フラボノイド:植物によって合成される化合物でポリフェノールの一種。
(2)表皮角化細胞:皮膚の表皮に存在する細胞。表皮の最下層には、表皮幹細胞が存在し、表皮角化細胞を生み出し、表皮を作っていく重要な部分である。
(3)線維芽細胞:皮膚のハリや弾力のもととなるコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸を作る細胞。
(4)次世代シークエンサー:大量の DNA 塩基配列を解析できる装置。
(5)最初期遺伝子(immediate early gene; IEG):様々な細胞刺激によって迅速に活性化される遺伝子。
(6)ヒートショックプロテイン(Heat shock proteins; HSPs):細胞が熱等の刺激を受けたときに、細胞を保護するために発現するタンパク質。熱以外にも紫外線等に対する防御作用や表皮角化細胞の分化に関わることも報告されている。
(7)多能性:様々な細胞に分化する能力(多分化能)のこと。多能性幹細胞は多能性と自己複製能をもつ。多能性幹細胞は胚性幹細胞(ES 細胞)、iPS 細胞などがある。
(8)多能性マーカー:iPS 細胞などの多能性幹細胞が未分化状態の時に発現している分子。

タカラベルモントは、2021年10月5日に創業100周年を迎えました。
次の100 年に向けて、パーパス「美しい人生を、かなえよう。」を新たに制定。
様変わりした新しい世界の中で、いかなる社会寄与ができるかを追求する歩みをスタートさせました。

■ タカラベルモント100 周年記念サイト https://www.takarabelmont.co.jp/100th

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