ベーリンガーインゲルハイム、喘息患者を対象としたチオトロピウム*の第3相臨床試験結果を発表 標準治療(ICS/LABA)を用いてもなおコントロール不十分な喘息患者の増悪を有意に抑制

PR TIMES / 2012年9月5日 9時29分

・レスピマット(R)ソフトミスト吸入器によるチオトロピウムの第3相臨床試験結果より、喘息患者の肺機能を有意に改善1,2
・第3相臨床試験プログラムUniTinA-asthmaTMの結果の一部を初めて発表
・さまざまな治療選択肢があるにもかかわらず、増悪する恐れのあるコントロール不十分な喘息患者が多く存在3

2012年9月3日 ドイツ/インゲルハイム
ベーリンガーインゲルハイムは、喘息患者を対象とした包括的な第3相臨床試験であるUniTinA-asthmaTMプログラムの1つであるPrimoTinA-asthma(TM)試験 結果の一部を、2012年欧州呼吸器学会(ERS)総会で、初めて発表しました。高用量吸入コルチコステロイド(high dose ICS)に長時間作用性β2刺激薬(LABA)の併用下でも、コントロール不十分な喘息患者において、チオトロピウムが喘息の増悪を有意に抑制したことが明らかとなりました1。

また、チオトロピウムは、ICS/LABAの併用投与を受けている症候性喘息患者の肺機能も有意に改善しました2。

この試験の筆頭著者であるフローニンゲン大学医療センター(オランダ)のホイブ・A・M・ケルスチャン(Huib A M Kerstjens)教授は次のようにコメントしました。

「この度の治験結果は私たちの期待を上回るものでした。喘息の標準的治療にチオトロピウムを併用することで、肺機能の改善が見られることは予測の範囲でしたが、喘息増悪リスクの有意な抑制を示す結果も得られました。すべての対象患者が国際喘息ガイドライン(GINA)推奨の標準治療をすでに受けていた点を考慮すると、驚きを持ってこの素晴らしい結果を受け止めています」。

PrimoTinA-asthma(TM)試験は2つの二重盲検並行群間比較試験からなる第3相臨床試験で、高用量ICSとLABAの併用治療を受けており、気管支拡張剤投与後のFEV1**が予測値の80%未満、喘息管理質問票(ACQ)スコアが1.5以上の喘息患者に、チオトロピウム(5μg レスピマット(R)ソフトミスト吸入器による)もしくはプラセボを48週間上乗せ投与し、喘息治療におけるチオトロピウムの有用性を評価するものです。この試験には日本を含む世界各国から、合計912人の患者が登録されました。

2つの主要評価項目である肺機能(投与24週間後のピークFEV1およびトラフFEV1)について、チオトロピウム投与群は、プラセボ群と比べて有意な改善が認められ、その状態は48週間にわたり持続しました2。

また、3つ目の主要評価項目である重度の喘息増悪(全身性ステロイド薬による治療を3日以上必要とする喘息症状の悪化)について、2つの試験の複合解析の結果、チオトロピウム投与群は、プラセボ群に比べて、初回の重度の喘息増悪までの期間を有意に遅らせ、そのリスクを21%抑制(ハザード比 0.79、P=0.03)しました1。

さらに、チオトロピウム投与群は、すべての喘息増悪(自覚症状の悪化または最大呼気流量[PEF]が2日間で30%以上低下)のリスクを31%(P<0.0001)抑制しました1。

1つの試験では、喘息症状コントロールと喘息関連QOLにも有意な改善が認められ(喘息管理質問票[ACQ]および喘息 QOL 質問票[AQLQ]にて評価)、もう1つの試験では喘息管理における改善傾向がみられました1-2。

さまざまな最新の治療選択肢があるにもかかわらず、増悪を来す恐れのあるコントロール不十分な喘息患者は多く存在しており、喘息は依然としてアンメット・メディカル・ニーズの高い疾病と言えます3。

*現在、チオトロピウムは、喘息を適応に承認されていません。
**FEV1:1秒量

ベーリンガーインゲルハイム医薬開発担当上級副社長のProf.クラウス・デュギは次のように述べています。「これらの結果は大変喜ばしいものであり、臨床医の先生方や患者さんにも高く評価されることでしょう。さまざまな治療選択肢があってもなお症状のコントロールが不十分な喘息患者さんは大勢いることから、アンメット・メディカル・ニーズは明らかに存在しています。UniTinA-asthmaTM試験プログラムでは、チオトロピウムがこうしたニーズを満たせるかどうかを検討しており、さまざまな症状を持つ喘息患者さんのためにチオトロピウムの開発を進めようという私たちのコミットメントを示すものです。この度初めて発表した試験結果の一部から、レスピマット(R)ソフトミスト吸入器によるチオトロピウムの投与が喘息治療における重要かつ新たな治療選択肢になりうるとの自信が持てました」。

UniTinA-asthma(TM)第3相臨床試験プログラム
PrimoTinA-asthma(TM)試験は、ベーリンガーインゲルハイムが現在実施中の包括的な第3相臨床試験プログラムUniTinA-asthmaTMの一部であり、喘息患者を対象に、レスピマット(R)ソフトミスト吸入器を用い、チオトロピウムを投与した際の有効性および安全性を確立することを目的とするものです。UniTinA-asthmaTMは、重症度の異なる成人・青少年期・小児喘息患者を対象とした多数の臨床試験で構成されており、これらの試験には世界150カ所以上の施設で4,000人以上の患者が登録されています。

喘息について
喘息は、気道の炎症と気道狭窄を特徴とする慢性炎症性疾患で、肺への気流の出入りが制限され、気道粘液の分泌が増加します4。喘息患者が喘息の誘因(感染症、花粉、煙など)に接触すると、気道の炎症、浮腫、収縮を起こし、気道粘液が過剰に分泌されます。これらの反応は、気道の狭窄、過敏性の亢進、呼吸困難を生じさせます4。喘息患者は、喘鳴、息切れ、胸部圧迫感、咳嗽を繰り返します4。

世界で推定される喘息患者数は1億人とも3億人とも言われており5, 6、2025年までには4億~4億5,000万人にまで増加すると推定されています6。

世界全体で年間約18万人が喘息で死亡していますが5、死亡率は地域によって大きく異なります7。

喘息の誘因を避けることで喘息症状を軽減できる場合もあります。喘息は治癒しませんが、適切な治療をすれば、症状を管理でき、生活の質を落とすことなく日々の生活を楽しむこともできます。しかしながら現状では、さまざまな治療選択肢があっても喘息をコントロールできない悩みを抱える患者さんが大勢います3,8。このような患者さんは症状が改善されず、生活にもさまざまな制限が生じ、時には救急治療を要することもあります。

チオトロピウムについて
チオトロピウムはベーリンガーインゲルハイムが発見・開発した1日1回投与の長時間作用型抗コリン性気管支拡張剤で、COPD患者の肺機能を大幅かつ持続的に改善し、気管支拡張作用が24時間持続する革新的な吸入治療薬です。なお、チオトロピウム(スピリーバ(R))は日本で、喘息を適応に承認されていません。

レスピマット(R)ソフトミスト吸入器について
レスピマット(R)ソフトミスト吸入器は、ベーリンガーインゲルハイムが独自開発した、薬剤を含んだやわらかく細かい霧をゆっくり生成し噴霧させる新世代のソフトミスト吸入器で9,10、薬剤の吸入を容易にします11。レスピマット(R)ソフトミスト吸入器は、現在市販されている他の吸入器に比べ、多くの患者さんに好まれています12-15。
ベーリンガーインゲルハイム:呼吸器疾患治療を前進させるために
呼吸器疾患はベーリンガーインゲルハイムが90年以上にわたり、創薬ターゲットにしている疾患領域であり、研究開発に多大な力を注いでいます。新たな喘息治療法開発のみにとどまらず、COPD、肺がん、特発性肺線維症などの呼吸器疾患を含む幅広い気道疾患についても、研究開発に注力しています。

ベーリンガーインゲルハイムについて
ベーリンガーインゲルハイムグループは、世界でトップ20の製薬企業のひとつです。ドイツのインゲルハイムを本拠とし、世界で145の関連会社と44,000人以上の社員が、事業を展開しています。1885年の設立以来、株式公開をしない企業形態の特色を生かしながら、臨床的価値の高いヒト用医薬品および動物薬の研究開発、製造、販売に注力してきました。

2011年度は132億ユーロ(約1兆4,624億円)の売上を示しました。革新的な医薬品を世に送り出すべく、医療用医薬品事業の売上の23.5%相当額を研究開発に投資しました。

日本ではベーリンガーインゲルハイム ジャパン株式会社が持ち株会社として、その傘下にある完全子会社の日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社(医療用医薬品)、エスエス製薬株式会社(一般用医薬品)、ベーリンガーインゲルハイム ベトメディカ ジャパン株式会社(動物用医薬品)、ベーリンガーインゲルハイム製薬株式会社(医薬品製造)の4つの事業会社を統括しています。日本のグループ全体で約2,700人の社員が、革新的な医薬品の研究、開発、製造、販売に従事しています。

日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社は、呼吸器、循環器、中枢神経などの疾患領域で革新的な医療用医薬品を提供しています。また、グローバルな研究・開発の一翼を担う医薬研究所を神戸に擁しています。詳細は下記をご参照ください。

詳細は下記をご参照ください。
http://www.boehringer-ingelheim.co.jp/


References
1.Kerstjens HAM, Engel M, Dahl R, et al. Tiotropium in Asthma Poorly Controlled with Standard Combination Therapy. N Eng J Med Published online 3 Sept 2012 (www.nejm.org).
2.Kerstjens HAM, Paggiaro PL, Vandewalker et al. Tiotropium provides sustained bronchodilation in asthmatics with persistent airflow obstruction uncontrolled despite treatment in accordance with guidelines. ERS 2012 abstract P2187.
3.Rabe, KF, Vermeire, PA, Soriano, JB, et al Clinical management of asthma in 1999: the Asthma Insights in Europe (AIRE) study. Eur Respir J 2000; 16, 802-807.
4.Global Initiative for Asthma (GINA). http://www.ginasthma.org/Questions-and-answers/q-a-general-information-about-asthma.html [Last Accessed 19/06/12].
5.World Health Organization. WHO factsheet 206: bronchial asthma. Available at: www.who.int/mediacentre/factsheets/fs206/en [Last Accessed 19/06/12].
6.European Federation of Allergy and Airway Diseases Patients Association. http://www.efanet.org/asthma/index.html [Last Accessed 19/06/12].
7. http://www.ginasthma.org/pdf/GINABurdenReport.pdf published in 2003 [Last Accessed 19/06/12].
8.Rabe KF, Adachi M, Lai CK et al. Worldwide severity and control of asthma in children and adults: the global asthma insights and reality surveys. J Allergy Clin Immunol. 2004; 114(1): 40-7.
9.Dhand R. Aerosol Plumes: Slow and Steady Wins The Race. J Aerosol Med 2005; 18(3): 261-63.
10.Hochrainer D, Holz H. Comparison of Aerosol Velocity and Spray Duration of Respimat(R) Soft MistTM Inhaler and Pressurized Metered Dose Inhalers. J Aerosol Med 2005; 18(3): 273-282.
11.Freytag F, Golisch W, Wolf K. New soft mist inhaler is effective and easy to use in patients with asthma and COPD. Eur Respir J 2005;26(Suppl 49):338s.
12.Brand P et al. Respimat(R) Soft MistTM inhaler preferred to Diskus(R) by Patients with COPD and /or Asthma. J Aerosol Med 2007; 20(2): 165.
13.Hodder R, Price D. Patient Preference for Inhaler Devices in Chronic Obstructive Pulmonary Disease: Experience with Respimat(R) Soft MistTM Inhaler. Int J Chronic Obstruct Pulm Dis 2009; 4: 381-390.
14.Hodder R, Reese PR, Slaton T. Asthma Patients Prefer Respimat(R) Soft MistTM Inhaler to Turbohaler. Int J Chronic Obstruct Pulm Dis 2009; 4: 225-232.
15.Schuermann W, Schmidtmann S, Moroni P, et al. Respimat(R) Soft MistTM Inhaler versus hydrofluroalkane metered dose inhaler: patient preference and satisfaction. Treatm Respir Med 2005; 4: 53-61.


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