ミャンマー:政府の規制でラカイン州の保健医療に深刻な影響

PR TIMES / 2013年5月28日 14時30分



ミャンマーのラカイン州で、死者も出た民族間抗争の勃発から約1年、避難民キャンプの状況は、外出制限や、地元ラカイン人とイスラム系民族の対立継続と相まって、保健医療に深刻な影響を及ぼしている。国境なき医師団(MSF)は、避難中の人びとや公共サービスから疎外された人びとに適切な避難所と医療を確保するための対策、および人びとが攻撃を受けずに自由に外出できる環境づくりをミャンマー政府に求めている。

________________________________________________________________________________

<医療から隔絶されるロヒンギャ族>

推計14万人が今も滞在するのは即席の避難キャンプ。公式推計によると、避難者の大半が、一般に「ロヒンギャ」と呼ばれるイスラム系の民族であり、ミャンマー政府から市民権も国籍も認められていない社会的少数者だ。

イスラム教徒の外出禁止令は、2012年6月、民族間抗争の初期にラカイン州都シットウェー周辺の複数の郡で施行され、同年10月の暴動でさらに大勢の人が避難したことを受け、厳格化された。
これにより、暴力行為の直接の被害者だけでなく、自宅にとどまる大勢の人にとっても、食糧の調達や、病院、商店、農作地の利用がほぼ不可能になっている。一部では、清潔な水も手に入らない例もある。
最低限の公共サービスすら受けられなくなってしまったラカイン州内の地域で、数日前まで活動していたMSFの緊急対応コーディネーター、ロナルト・クレーマーは 「外出禁止令をはじめとする現行の規制が、人びとの健康に悪影響を及ぼしていることが見て取れました。必要な治療を受けられない結核患者や、安全な出産環境がないために本来助かるはずの命を落としてしまう妊婦もいます」と話す。

またMSFは、ラカイン州ミェーボン郡に暮らす複数の男性から「ごくまれに農作地に出られるだけです。しかも一度にせいぜい2、3人が限度で、軍の監視が付きます。病院にも、学校にも、漁業にも、薪を集めにも行けません」、「死んでしまいたいと思うこともあります。外出も避難もままなりません。漁業もできません。魚を捕りたいだけなのです」などの声を聞いている。

外出禁止令の対象地域外の人びとも、不安から外出を控えている。前出のクレーマーによると「ある村では、外出しようとして殴りかかられる状況が何ヵ月か続いていたと言います。そうした事例が14件発生したところで、人びとは村から外に出ることを控えるようになってしまったそうです。病院に行くことができず亡くなった人が少なくとも3人いると聞いています。また、 不安が広がり、熱帯低気圧『マハセン』の通過地域に住んでいる人びとも、多くが自宅を離れるのは嫌だと言っていました。避難先のあてもなく、その後の見通しも立たないのです」と話す。

  • 前のページ
    • 1
    • 2
  • 次のページ
PR TIMES

トピックスRSS

ランキング