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イーライリリーとベーリンガーインゲルハイム 欧州糖尿病学会(EASD)で、開発中の新規基礎インスリンアナログの ヘルスアウトカム・データを発表

PR TIMES / 2012年10月3日 19時52分

この資料は、米国イーライリリー・アンド・カンパニーとドイツ ベーリンガーインゲルハイムが10月2日に発表したプレスリリースを日本語に翻訳したものです。尚、日本の法規制などの観点から一部、削除、改変または追記している部分があります。また海外の試験であるため、日本の承認内容と異なることがあります。この資料の内容および解釈についてはオリジナルが優先することをご了承ください。

*LY2605541は治験中の薬剤です。その有効性及び安全性はまだ確立されていません。

2012年10月2日 米国/インディアナポリス、ドイツ/ベルリン

米国イーライリリー・アンド・カンパニー(NYSE: LLY)とベーリンガーインゲルハイムは、2型糖尿病患者を対象としたLY2605541(開発中の新規基礎インスリンアナログ)*の第2相臨床試験における患者の自己申告によるヘルスアウトカム・データを発表しました。この試験により、LY2605541治療群においてベースライン補正後の夜間低血糖の発現率が、インスリン・グラルギン(以下、グラルギン)治療群に比べて統計的に有意に48%減少したことを示す臨床結果 [ベースラインの低血糖発生数で補正後、患者1人当たり30日間で0.25 vs 0.39イベント(p=0.020)]1が得られただけでなく、Adult Low Blood Sugar Survey(ALBSS:成人低血糖調査)に基づいたLY2605541治療患者の自己申告によって、低血糖イベントの発生に対する不安および恐怖が統計的に有意に軽減されたことが明らかになりました2。これらのデータは、ドイツのベルリンで開催された第48回欧州糖尿病学会(EASD)年次総会で発表されました。

2型糖尿病患者を対象としてLY2605541とグラルギンの治療効果を比較した第2相臨床試験で、低血糖に関するデータを収集しました。この結果、LY2605541治療群では、グラルギン治療群に比べて夜間低血糖の発現率が低下したことに加え、低血糖の全発現率は両治療群で同程度でした(p=0.08、統計的有意差なし)1。

この試験では、血糖値70 mg/dL以下を低血糖と定義し、軽度~中等度の低血糖に対する患者の恐怖とそれに伴う過去4週間の行動を評価するため、Adult Low Blood Sugar Survey (ALBSS)3と呼ばれる評価法として確立された患者アンケートを使用しました。ALBSS は、患者が経験した低血糖イベントの影響に伴う心配または恐怖とその後の低血糖イベントを回避するために患者がとった行動を評価するものです。

この試験で得られた結果:

・ 第12週に行ったALBSS では、恐怖に関するサブスケールの平均スコアは、LY2605541治療群でグラルギン治療群よりも低い値を示しました(6.6 vs. 10.0; p=0.022)2。
・ 第12週の患者の行動で、LY2605541およびグラルギン群に同様の傾向が見られ(p=NS)2、いずれの群でも、低血糖発症後、その後の低血糖を回避するためにとられた患者行動として、多量の間食の摂取、他人と交流する場で通常より高い血糖値を保つ、外出を避ける、および運動/身体活動の制限などがみられました。
・ LY2605541治療群では、グラルギン治療群に比べてALBSS平均合計スコアが低い値を示しました(LY2605541群で13.0、グラルギン群で16.5;p=0.026)2。

デビッド・ケンドル医師(David Kendall M.D.:リリー糖尿病領域 特別医学研究員)は次のように述べています。「新規基礎インスリンの開発研究を継続するにあたり、低血糖への恐怖と低血糖発症が糖尿病患者に与える精神的負担を理解する必要があると考えました。このような患者の自己申告によるヘルスアウトカムの結果の臨床的影響をより深く理解するため、今後、大規模な第3相臨床試験においてLY2605541のさらなる研究が進められることを期待しています。」

第2相臨床試験1について

この試験は、第2相無作為化非盲検並行試験です。成人2型糖尿病患者を対象にLY2605541とグラルギンを比較して自己血糖測定による空腹時血糖値の低下を評価しました。患者は4週間の導入期間で基礎インスリン投与を朝に実施するよう変更され、その後、2:1の割合で無作為にLY2605541(195人)治療群またはグラルギン(93人)治療群に割り付けられ、12週間にわたり治験薬を投与されました。

この試験の主要評価項目である12週間の自己血糖測定による平均空腹時(朝食前)血糖値の低下(p=0.433)およびHbA1cの低下(p=0.279)については、LY2605541およびグラルギンは同程度の効果を示しました。

LY2605541治療群における、肝機能血液検査のALTとASTの平均値は、ベースラインよりも統計的に有意に上昇し、グラルギン治療群よりも高くなりました。この2つの肝酵素の平均値は、LY2605541治療群およびグラルギン治療群ともに試験期間中は正常範囲内を推移しました。

2型糖尿病患者を対象とした第2相臨床試験では、LY2605541治療群のトリグリセリド値は、ベースラインから有意な差はみられませんでしたが(163 mg/dLから172 mg/dLに推移)、グラルギン治療群と比較すると統計的に有意に高くなりました(160 mg/dL vs 147 mg/dL)。LY2605541治療群のLDL-CまたはHDL-Cでは、ベースラインからも、グラルギン治療群と比較しても有意な差は認められませんでした。

また、患者はALBSSにも回答しました。このアンケートは、33項目の質問が2つのサブスケールに分類され、低血糖を予防するために患者がとった行動、及び低血糖発症への患者の恐怖(心配)を個別に評価することができるもので、2型糖尿病患者を対象としたLY2605541の第2相臨床試験において、前向きの評価基準とされました。5段階のリッカート尺度(0:ない~4:ほとんどいつも)により、どの程度自分に当てはまるかを項目ごとに選択する形式がとられており、ベースライン時、試験第6週および第12週に実施されました。ALBSSでは、行動および恐怖に関するサブスケールの個人スコア、ならびに合計スコアの評価が行われました2。

糖尿病について

1型および2型糖尿病の患者数は、世界で3億6600万人と推定されています4。大半が2型糖尿病であり、糖尿病全体のおよそ90~95%を占めます。糖尿病は、インスリンというホルモンを生体が適切に分泌したり、利用しにくくなったりした場合に発症する慢性疾患です5。

ベーリンガーインゲルハイムとイーライリリー・アンド・カンパニーの提携について

2011年1月、ベーリンガーインゲルハイムとイーライリリー・アンド・カンパニーは、糖尿病領域におけるアライアンスを結び、同領域において大型製品に成長することが期待される4つの治療薬候補化合物を中心に協働していくことを発表しました。同アライアンスは、ベーリンガーインゲルハイムが持つ研究開発主導型イノベーションの確かな実績とイーライリリーが持つ糖尿病領域での革新的な研究、経験、先駆的実績を合わせ、世界的製薬企業である両社の強みを最大限に活用するものです。この提携によって両社は、糖尿病患者ケアへのコミットメントを示し、患者のニーズに応えるべく協力しています。このアライアンスに関する詳細は、www.boehringer-ingelheim.com またはwww.lilly.comをご参照ください。

ベーリンガーインゲルハイムについて

ベーリンガーインゲルハイムグループは、世界でトップ20の製薬企業のひとつです。ドイツのインゲルハイムを本拠とし、世界で145の関連会社と44,000人以上の社員が、事業を展開しています。1885年の設立以来、株式公開をしない企業形態の特色を生かしながら、臨床的価値の高いヒト用医薬品および動物薬の研究開発、製造、販売に注力してきました。

ベーリンガーインゲルハイムにとって、社会的責任を果たすことは、企業文化の最も重要な柱の一つです。事業を展開する世界の国々において、社会問題に取り組み、社員とその家族を思いやり、全社員に平等な機会を提供することが、 ベーリンガーインゲルハイムの基盤です。そして、尊重と誠実を重んじ、環境保護と持続可能な社会の実現に向けて貢献することが、ベーリンガーインゲルハイムの本質であり使命です。

2011年度は132億ユーロ(約1兆4,624億円)の売上を示しました。革新的な医薬品を世に送り出すべく、医療用医薬品事業の売上の23.5%相当額を研究開発に投資しました。

日本ではベーリンガーインゲルハイム ジャパン株式会社が持ち株会社として、その傘下にある完全子会社の日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社(医療用医薬品)、エスエス製薬株式会社(一般用医薬品)、ベーリンガーインゲルハイム ベトメディカ ジャパン株式会社(動物用医薬品)、ベーリンガーインゲルハイム製薬株式会社(医薬品製造)の4つの事業会社を統括しています。日本のグループ全体で約2,700人の社員が、革新的な医薬品の研究、開発、製造、販売に従事しています。
詳細は以下のウェブサイトをご覧ください。 www.boehringer-ingelheim.co.jp

イーライリリー・アンド・カンパニーについて

1876年創業のイーライリリーは130年の歴史ある研究開発主導型の先進企業であり、世界140カ国以上、約38,000人の社員が自社の研究施設の最新の成果を応用するとともに、社外の研究機関との提携を通じて医薬品のポートフォリオを拡大しています。米インディアナ州インディアナポリスに本社を置くリリーは、医薬品と情報を通じて「こたえ」を提供し、世界で最も急を要する医療ニーズを満たしています。リリーについての詳細は以下のウェブサイトをご覧ください。 www.lilly.com

リリーの糖尿病事業について

リリーは1923年に世界初の商業用インスリンを開発して以来、糖尿病ケアの分野において常に世界をリードしています。現在もなお、研究開発や事業提携を通じて、幅広い製品ポートフォリオの充実と糖尿病領域へのたゆまぬ企業活動の継続による実質的なソリューションの提供により、糖尿病を患う人々の様々なニーズにおこたえすることを目指しています。薬剤開発やサポートプログラムそして更なる活動を通じて、糖尿病患者さまの生活をより豊かなものにするお手伝いをしてまいります。詳細は以下のウェブサイトをご覧ください。 www.lillydiabetes.com

このプレスリリースには、LY2605541(新規基礎インスリン)の将来予想に関する記述が含まれています。リリーの現在の予測に基づいていますが、実際の結果はさまざまな要因により大きく異なることがあります。医薬品の研究開発には多大なリスクと不確実性が伴います。当該新規基礎インスリンが、臨床試験及び製造に関して規制当局の承認が得られるという保証も商業的に成功するという保証もありません。また、両社が提携によって期待されている財務的及び商業的成果を得るという保証はありません。リリーの業績に影響する可能性のあるその他のリスク要因については、米国証券取引委員会に提出されたリリーの最新のフォーム10-Kおよび10-Qをご覧ください。なお、リリーは将来予想に関する記述を更新する義務を負いません。

REFERENCES

1. Bergenstal RM, Rosenstock J, Arakaki RF, Prince MJ, Qu Y, Sinha VP, Howey DC, Jacober SJ. Weight loss and lower nocturnal hypoglycaemia with novel long-acting basal insulin LY2605541 versus insulin glargine in patients with type 2 diabetes. EASD: 48th Annual Meeting; Berlin, Germany; 2012.
2. Curtis, B, Shi, C. Novel long-acting basal insulin analogue LY2605541 significantly reduces nocturnal hypoglycaemia and fear of hypoglycaemia compared to insulin glargine in patients with type 2 diabetes mellitus. Abstract #954. Presented at the 48th European Society for the Study of Diabetes (EASD) Annual Meeting. 1-5 October 2012, Berlin, Germany.
3. Cox DJ, Irvine A, Gonder-Frederick L, Nowacek G, Butterfield J. Fear of hypoglycemia: quantification, validation, and utilization. Diabetes Care 1987, 10:617-621.
4. International Diabetes Federation. Diabetes Atlas, 5th Edition: Fact Sheet. 2011.
5. International Diabetes Federation. Diabetes Atlas, 5th Edition: What is Diabetes? http://www.idf.org/diabetesatlas/5e/what-is-diabetes. Accessed on: August 2, 2012.


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