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オーストラリア 国外収容の難民を他国に押し付け

PR TIMES / 2016年11月16日 12時26分

難民に対するさらなる責任回避

オーストラリアはボートでやって来た難民を、自国ではなく、パプアニューギニアのマヌス島とナウルに送り、そこで収容して難民認定審査を行うという政策をとってきた。両島での「まるで刑務所のような」収容実態が暴かれても、この政策を続けてきたが、批判の高まりで施設閉鎖が避けられないと見るや、今度は、マレーシア、インドネシア、フィリピンといった国々での第三国定住を、画策している。現在、難民高等弁務官事務所が間に入り、米国とも協議中である。さらには、マヌスとナウルにいる難民のオーストラリアへの入国を生涯禁じる法案も、審議中である。第三国定住を進めるには必要な措置というが、人権面でも人道面でも、大いに問題である。難民の保護は、国際社会の義務であり、オーストラリアはその責任を回避し続けているとの非難は、免れない。



[画像: http://prtimes.jp/i/5141/107/resize/d5141-107-810590-0.jpg ]

オーストラリア政府は11月13日、ナウル島とマナス島に収容する難民の一部を米国に定住させる方向で同国と協議していることを明らかにした。手続きは難民高等弁務官事務所が間に入って行う。

オーストラリアはこれまで、数千人の難民を両島に移送し、3年もの間、過酷な暮らしを強いてきた。難民保護を求められるようになると、今度は責任を他国に押し付けようとしている。世界でも特に裕福な国であるオーストラリアは、庇護を求める人が世界的に増加する中で、率先して範を示すべきであるにもかかわらず、そうした人びとに安住の場所を提供する役割を放棄しているのだ。

米国との協議に関する発表は、オーストラリア政府が難民の国外収容に対する批判をかわすこともできなくなったことの現れであり、マヌス島とナウル島の収容施設を直ちに閉鎖する事態に追い込まれていることを示している。

アムネスティは、この協議の内容が実現するのがいつで、どれだけの難民が米国で暮らせるようになるのかも不明瞭である点を懸念している。多くの難民の処遇が宙に浮いたままで放置されるのではないかという不安をぬぐいきれない。

また、オーストラリア政府とナウル政府との間で、母国への帰国や別の国での定住を拒む庇護希望者に、ナウルでの20年間のビザを発給することも協議されているが、これまで数百人が同国の収容施設で虐待や差別に遭い、十分な医療が受けられなかったことを考えると、この件も大いに気がかりだ。

地元メディアによれば、このビザについてピーター・ダットン移民相は「彼らにオーストラリアの国土は踏ませない」という明確なメッセージを送るものである、と語っている。

さらに政府は、両島にいる難民のオーストラリアへの入国を生涯禁止する法案を提出した。第三国定住に必要な措置だと主張するが、入国禁止は理不尽で無用な要求であり、難民として庇護を求める人びとに対する差別であり、国際法に明らかに違反している。

ナウル島とマヌス島にいる2000人もの難民に対する公正で迅速な救済策は、自国に移して難民認定審査を行い、社会に迎え入れることだ。

とるべき次の段階は、庇護を求める人びとの人権を守り、無用な犠牲者を出さないように取り組むことだ。この2つの目標は、庇護希望者に対する政策の根幹に据えるべきである。


アムネスティ・インターナショナル日本
www.amnesty.or.jp

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