TPPにより安価なジェネリック薬入手機会が妨げられるおそれ

PR TIMES / 2013年7月16日 16時0分



環太平洋パートナーシップ(TPP)協定の交渉会合がマレーシアで始まった。国境なき医師団(MSF)はすべての交渉参加国に対し、安価な薬剤を入手する機会を阻み、ジェネリック薬(後発医薬品)の生産を妨げ、公衆衛生利益のための法律を可決する能力を各国政府から奪いうる条項を削除するよう要請する。
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<窮地に立つ安価な薬剤供給の担い手>

MSF日本会長の黒崎伸子は、「マレーシア政府は、2週間前の国際エイズ会議を主催する直前、同国の薬価を高騰させるTPP協定の有害条項を拒否する重要な誓約を立てました。同国民はすでに、HIV治療薬に開発途上国のなかでも最も高い金額を支払っているのです。日本を含むすべての交渉参加国は、マレーシアと同様に公衆衛生を保護するための強い公約を打ち出すだけでなく、協定の具体的内容が、国際的な公衆衛生保護の信念に即したものであるということを確実にする必要があるのです」と述べている。

各国の交渉官が協定の最終決定に追われるなか、高額な薬剤の独占保護を延長し、安価なジェネリック薬の投入を遅らせるような米国の条項案を含む、欠陥あるTPP協定を修正する時間は残り少なくなってきている。現在、アジア各国の製薬企業は、途上国および先進国にも安価な薬剤を提供する役割を担っているが、制限的な知的財産関連条項により、その役割に深刻な影響が及ぶ可能性がある。例えば、新たな特許の障壁により、ジェネリック薬の製造と販売が制限されてしまう恐れがあるのだ。

MSF日本の必須医薬品キャンペーン渉外担当、ブライアン・ デイビスは、「ジェネリック薬と、薬剤製造に必要な原薬の提供においては、アジア諸国が非常に重要な役割を担っているが、TPPに提案されている新しい制限条項によってそれが脅かされています。TPPによって、世界の安価な治療薬の供給が締め付けられ、それにより途上国の患者、治療提供者、そして製薬企業にとって深刻な結果を招くことが懸念されています」と話す。

<エバーグリーニングの暴挙>

米国が推すいくつかの条項案はいわゆる「エバーグリーニング」を助長し、製薬企業がさまざまな手法を使って20年の特許有効期間を延長することを許し、安価な薬剤の入手機会を損なうものである。例えば、製薬企業がひとつの薬剤について複数の二次的特許を取得し、もとの合成物の特許が切れてもその薬剤が数年間は幾重もの特許によって保護されるようにすることで、より安価なジェネリック版の流通が妨げられる。TPP調印国は、最終合意書の条項に合わせて、自国の特許法を修正しなければならなくなるため、米国が推す条項が盛り込まれたままTPPが調印されてしまえば、各国がエバーグリーニングの暴挙を制限するのは非常に困難となる。

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