年間ミステリベストW入賞!! ドイツ推理作家協会賞受賞作『国語教師』重版出来!
PR TIMES / 2019年12月12日 12時45分
『ミステリが読みたい! 2020年版』( ミステリマガジン /早川書房)海外篇 第4位&新人賞 。『このミステリーがすごい!2020年版』海外編(宝島社)第10位。
株式会社集英社(本社:東京都千代田区)より好評発売中の翻訳単行本『国語教師』(ユーディト・W・タシュラー著/浅井晶子訳)が、年間ミステリベストにW入賞しました。
・『ミステリが読みたい! 2020年版』( ミステリマガジン /早川書房)海外篇 第4位&新人賞
・『このミステリーがすごい!2020年版』海外編(宝島社)第10位
本作はドイツ推理作家協会賞受賞作。新オビを巻いた待望の重版が、12月12日より全国書店に並び始めます。
[画像: https://prtimes.jp/i/11454/113/resize/d11454-113-555933-0.jpg ]
◆書評家・大矢博子さん「十六年ぶりの再会に隠されたもの」
作家のクサヴァー・ザントが創作ワークショップの講師として派遣されることになったギムナジウム。なんとそこで彼の担当窓口になった教師は、二十代から三十代にかけて十六年間もつきあった元恋人のマティルダだった。
別離からもすでに十六年が経ち、ふたりとも五十四歳になっている。クサヴァーは懐かしさからメールに思い出を書き連ね、「なんて偶然だ!!」「元気でやってる?」「結婚はしてる?」と問いかけるものの、マティルダの返事はそっけない。なぜなら十六年前、クサヴァーはふたりで暮らしていた部屋から突然出て行ってしまい、それっきり。彼との結婚を夢見ていたマティルダは、捨てられたことにおおいに傷ついたのである。
昔の話さ、と能天気なクサヴァーに、チクチクと冷たく返すマティルダ。このメールのやりとりが序盤から実に不穏でわくわくさせてくれる。さてこのふたりが再会してどうなるか、というところなのだが、まず目を引くのは構成だ。
この物語の構成は独特で、「再会前のメールのやりとり」「脚本形式での再会時の会話」「ふたりの過去」「ふたりが互いに語ってきかせる創作物語」という四つのパートで主に成り立っている。それがばらばらの時系列で組み合わされ、え、その続きどうなったの、とじりじりすることこの上ない。しかも話が進むにつれて過去の衝撃的な事件が明かされ、場面が突然、警察署の取調室になったりするのである。何だこれは!
だがそれらのパーツがひとつの形を取り始めたとき、読者の前に現れる様相は圧巻の一言。過去の事件の真相というミステリ的興味もさることながら、誰しも抱いたことのある「もしあのとき別の道を選んでいれば」という後悔と、それに向き合う人間の強さと弱さの両方が見事に描かれているのだ。
独特な構成も凝った技巧もすべて、愛すること、裁くこと、受け入れることの意味へと収斂する。静かな余韻がいつまでも残る一冊である。
(『青春と読書』2019年6月号より転載)
【内容紹介】
女は国語教師。男は有名作家。
再会したふたりが紡ぐ〈物語〉は、あの忌まわしい過去に辿り着く――
16年ぶりに偶然再会した元恋人たちは、かつてのように物語を創作して披露し合う。
作家のクサヴァーは、自らの祖父をモデルにした一代記を語った。
国語教師のマティルダは、若い男を軟禁する女の話を語った。
しかしこの戯れが、あの暗い過去の事件へとふたりをいざなってゆく……。
物語に魅了された彼らの人生を問う、フリードリヒ・グラウザー賞(ドイツ推理作家協会賞)受賞作。
【著者略歴】
ユーディト ・ W ・ タシュラー
1970年、オーストリアのリンツに生まれ、同ミュールフィアテルで育つ。外国での滞在やいくつかの職を経て大学に進学、ドイツ語圏文学と歴史を専攻する。家族とともにインスブルック在住。国語教師として働く。2011年『 Sommer wie Winter (夏も冬も)』で小説家デビュー。現在は専業作家。2013年に発表された『国語教師』(原書タイトル Die Deutschlehrerin )は2014年度のフリードリヒ・グラウザー賞(ドイツ推理作家協会賞)長編賞を受賞した。
【訳者略歴】
浅井晶子( あさい ・ しょうこ )
1973年大阪府生まれ。京都大学大学院博士課程単位認定退学。2003年マックス・ダウテンダイ翻訳賞受賞。主な訳書にパスカル・メルシエ『リスボンへの夜行列車』、イリヤ・トロヤノフ『世界収集家』(以上早川書房)、カロリン・エムケ『憎しみに抗って』(みすず書房)、トーマス・マン『トニオ・クレーガー』(光文社古典新訳文庫)、エマヌエル・ベルクマン『トリック』(新潮クレスト・ブックス)ほか多数。
【書誌情報】
発売日:2019年5月24日(金)※電子書籍版も配信中
定価:本体2,000円+税
頁数:288頁
ISBN:978-4-08-773498-0
発行:株式会社集英社
詳細ページ:https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-773498-0
企業プレスリリース詳細へ
PR TIMESトップへ
この記事に関連するニュース
-
宇多田ヒカル、SF専門誌に登場 “創作”への想いと偏愛するSF小説、映画を語る
ORICON NEWS / 2024年4月18日 12時0分
-
「このミス」1位『爆弾』(呉勝浩)の続編、発売決定!スズキタゴサクが帰ってくる!ランキングを席巻した作品の続きを描く『法廷占拠 爆弾2』は7月31日刊行
PR TIMES / 2024年4月15日 10時15分
-
「芳林堂書店と、10冊」企画 第5弾として、鮎川哲也賞受賞作家門前典之先生の代表作『屍の命題』を復刊します。4月1日(月)から予約開始です。
PR TIMES / 2024年4月1日 19時15分
-
【読む前には戻れない】浅倉秋成の最新小説『家族解散まで千キロメートル』〈衝撃のラスト1行〉95ページまで特別配信中&「喜佐家's すごろく」デザイン公開!
PR TIMES / 2024年3月27日 15時40分
-
ミステリーチャンネルと、早川書房・東京創元社・扶桑社が共同でミステリーの魅力を発信! 『特集 もっと楽しむミステリー!』
PR TIMES / 2024年3月21日 11時45分
ランキング
-
1楽天グループ、決済アプリを統合 ペイペイ経済圏に対抗
共同通信 / 2024年4月18日 17時41分
-
2訂正(発表者側の申し出)トヨタ、プリウス生産を当面停止 後席ドアに問題でリコール
ロイター / 2024年4月18日 13時53分
-
31ドル=154円 円安で家計負担は「11万円増」試算も 「電気」「都市ガス」負担軽減措置打ち切りで家計に打撃
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年4月18日 17時13分
-
4中国の若者が日本の「ちいかわ」グッズに長蛇の列 名創優品がコラボ、期間限定店舗にファン殺到
東洋経済オンライン / 2024年4月18日 12時10分
-
5義母と一時同居のはずが、逆に自宅を乗っ取られ…50代女性が犯した「痛恨のミス」
Finasee / 2024年4月18日 11時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください