「小児結核のロードマップ」に対するMSFの見解
PR TIMES / 2013年10月2日 17時14分
2013年10月1日、世界保健機関(WHO)、国際肺疾患予防連合(IUATLD)、ストップ結核パートナーシップなどが、小児結核根絶に向けた取り組みを加速させるために必要な活動をまとめた指針文書「小児結核のロードマップ:死亡者数ゼロに向けて」を発表した。国境なき医師団(MSF)は、これを受けて、以下のように見解を示した。
「MSFは、予防も治療も可能な病気である結核によって、毎日何百人もの子どもが命を落としている現状に急きょ取り組み、長年にわたる無関心をとり返そうとする『小児結核のロードマップ』の努力を歓迎します。
今年はWHOが小児結核による年間死亡者数を推計した2年目にあたり、その数は2011年の6万4000人から2012年の7万4000人に跳ね上がりました。この重要なデータの報告自体が進歩の表れですが、肝心のデータは、小児結核による死亡者数を大幅に過小評価しています。なぜなら、このデータはHIVに感染した子どもを除外している上に、肺炎や髄膜炎など他の病気によって亡くなった多くの子どもを数に入れていないからです。
子どもは結核に感染した世帯の一員だった可能性が最も高いことは明らかですが、多くが結核対策を受けられないでいる上に、高リスク群でさえ診断が難しいのです。『小児結核のロードマップ』はいみじくも、小児の健康増進対策全般にわたって連帯責任を呼びかけていますが、私たちが結核対策から漏れている子どもを見つけ、手助けをしてはじめて、前に進む道として存在し得ます。病気の子どもは、どこで治療を受けることになろうとも、適切な方法で診断を受け、結核の治療を受けられなくてはならないのです。
MSFは各国政府に対し、WHOが小児結核と結核/HIVの二重感染対策に必要と述べている年間1億2000万米ドル(118.2億円)の財源を確保するように呼びかけています。
このほか重要な一歩は、2006年以来初めてとなる、小児結核の管理指針であるWHOの技術指針の包括的な改訂版発表であり、本指針は2013年末には発表される見込みです」。
MSF必須医薬品キャンペーンにおける結核アドバイザー
グラニア・ブリグデン医師
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