抗HIV薬「リルピビリン塩酸塩/エムトリシタビン/テノホビル アラフェナミドフマル酸塩配合錠」の日本における製造販売承認申請について
PR TIMES / 2018年5月22日 16時1分
ヤンセンファーマ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:クリス・フウリガン、以下、ヤンセン)は本日、「リルピビリン塩酸塩/エムトリシタビン/テノホビル アラフェナミドフマル酸塩配合錠(以下、本剤)」について、HIV-1 感染症を効能・効果として、日本における製造販売承認申請を行いました。
本剤は、リルピビリン(RPV)として25 mg、エムトリシタビンとして(FTC)200 mg およびテノホビル アラフェナミド(TAF)として25 mg の3 成分を固定用量で配合したフィルムコーティング錠で、成人および小児(12 歳以上)のHIV-1 感染症に対する治療薬です。本剤はギリアド・サイエンシズ社によって開発され、ヤンセンは同社とのライセンス契約に基づいて、日本における独占的開発・商業化権を保有しています。
HIV感染症の治療は長期間に渡るため、患者さんが積極的に治療方針の決定に参加して治療を受ける、服薬アドヒアランスの向上が重要です。日本の抗HIV 治療のガイドライン1では「服薬率を維持するためには、1 日1 回投与の処方が有利であり、今後新規に治療を開始する症例には積極的に選択すべき」としています。また、抗HIV 治療のメタアナリシスにおいて、1日に内服する錠数が少ないほど、服薬アドヒアランスとウイルス抑制率が高いことも示されています2。そのため、既承認の有効成分を含有し※1、1 日1 回1 錠で内服できるよう設計した本剤は、患者さんの服薬率を向上させ、耐性ウイルス発現のリスクを減少させるとともに、服薬時の負担を軽減することが期待されています。
ヤンセンは今後も、HIVの領域において新たな治療選択肢を提供することで、未だ満たされない医療ニーズに応え、HIV感染患者さんのQOL向上に尽力していきます。
※1 RPV は非核酸系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)であり、HIV-1 感染症の治療薬として広く使用されています。日本では「エジュラント錠25 mg」 として販売されています。FTCとTAF は、ともに核酸系逆転写酵素阻害剤(NRTI)であり、2 成分の併用はHIV-1 感染症の治療薬として広く使用されています。日本では「デシコビ配合錠LT」「デシコビ配合錠HT」として販売されています。
HIV(ヒト免疫不全ウイルス) 感染症について
HIV感染症は、公衆衛生上極めて重要な、生命を脅かす重篤疾患であり、2016 年に全世界で約3,670 万人が罹患していると報告されています3。一方日本では、新規のHIV 感染および後天性免疫不全症候群(AIDS)患者として年間約1,500 人が報告されており、2015 年の累計患者数は約2 万6000 人と報告されています4。
HIV感染症の標準治療について
HIV 感染症の標準治療は、複数の抗HIV 治療薬を併用し、ウイルスの複製抑制、CD4陽性リンパ球数の増加および疾患進行の抑制を目指す、抗レトロウイルス療法です。日本の抗HIV 治療のガイドライン1では、抗HIV 治療未経験の患者さんに対する初回治療は、NRTI 2 剤に加えて、3 つの薬剤クラス(インテグラーゼ阻害剤、NNRTIまたはプロテアーゼ阻害剤)から1 つの抗HIV 治療薬を選択して併用する抗レトロウイルス療法が推奨されています。新規薬剤の登場とそれらの併用治療により、ウイルス複製の抑制が可能となり、HIV感染患者さんの生命予後は著しく改善されました。しかし、現在でも薬物治療のみではHIV感染患者さんからウイルスを完全に排除することはできず、生涯治療を継続する必要があります。
参考文献
1 平成29 年度厚生労働行政推進調査事業費補助金エイズ対策政策研究事業 HIV 感染症及びその合併症の課題を克服する研究班. 抗HIV 治療ガイドライン. 2018 年3 月.
2 Nachega JB, Parienti JJ, Uthman OA, et al. Lower pill burden and once-daily antiretroviral treatment regimens for HIV infection: A meta-analysis of randomized controlled trials. Clin Infect Dis. 2014 May; 58(9):1297-307.
3 UNAIDS [homepage on the Internet]. Geneva: Joint United Nations Programme on HIV/AIDS (UNAIDS). AIDS DATA.
Available from: http://www.unaids.org/en/resources/aids_data
4 AIDS Prevention Information Network [homepage on the Internet].
東京: 公益財団法人 エイズ予防財団. エイズ動向委員会報告 2016 年.
Available from: http://apinet.jfap.or.jp/status/2016.html
ヤンセンについて
ジョンソン・エンド・ジョンソングループの医薬品部門であるヤンセンは、病気のない世界を実現するために日々努力しています。今までにない、より良い方法で疾患を予防・撲滅・治療・治癒し、人々の命に貢献することが私たちの望みです。そして、常に患者さんのことを考え、最も有望なサイエンスを追及しています。私たちヤンセンは、人々の希望と命を明日につなぐため、世界中とコラボレーションしています。
さらに詳しい情報はwww.janssen.com/japanをご覧ください。
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