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いまもなお世界中に影響を与え続けている『老子』の思想。この驚くべき書物が私たちに教えてくれること。

PR TIMES / 2017年6月13日 10時28分

この度『老子の教え あるがままに生きる』を株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン(取締役社長:干場 弓子、本社:東京都千代田区)より発売いたしました。



[画像: https://prtimes.jp/i/18193/140/resize/d18193-140-422569-0.jpg ]

『老子』、二千数百年前に書かれたこの書物には具体的な人名や地名がまったく現れない。それはこの書物が一貫して抽象的な議論に終始していることの反映である。そもそも書いた人の名前すらどこにも書かれてはいない。つまり、「老子」という人が書いたので『老子』と呼んでいるのではなく、この本が一人の思想家によって書かれたものと考えて、その人を仮に老子と呼んでいるに過ぎないのだ。これは、同時期に成立したと考えられる『論語』が、孔子という実在の人物とその弟子の言行録であり、膨大な数の地名や個人名が現れるのとは対照的である。
『老子』のような徹底された抽象的議論が現代にまで伝わっているという事実、それだけでも驚愕に値することだといえる。それは長い年月にわたって人々の思考の指針であり続けた証左であり、この本の内容の深さと広さの証明である。また、『老子』の哲学は欧米の知識人の興味を惹きつけ、そのキーワードである「道(タオ)」という言葉は今も広く流通している。世界全体を見渡せば『老子』は『論語』よりもはるかに広く読まれ、大きな影響を与え続けているのだ。これもまた驚くべきことである。

「大器晩成」はまったく違う解釈になる可能性も
実は『老子』には様々な写しが存在する。そして、そこには微妙な違いがあり解釈も異なってくるのだ。そのため『論語』に比べると『老子』は自由に読まれてきた経緯がある。例えば、紀元前200年頃に写されたと考えられるものには有名な言葉「大器晩成」の部分が「大器免成」と記されている。この場合だと「本当に偉大な人物は死ぬまで成長し続けるので、完成するということがない」という意味になってくる。このようにして『老子を』読み解くには、幅広くかつ深い知識が不可欠となるのだ。本書は「東大話法」批判で話題となった安富歩教授が、5年の歳月をかけて取り組んだ渾身の『老子』新訳である。数多くの文献の吟味と綿密な解釈を経て完成した本書の中で、著者は「言葉によってがんじがらめになっている現代人は、いかなる時代の人間よりも、この書物を必要としていると、私は信じている。」と述べている。最後に安富版『老子』の一節を紹介しよう。

もしかするとあなたは、
目の前にあるものごとを、
確かにそこにある、と思い込んでいるかもしれない。

しかし、
どんなに避けがたいと、あなたが思い込んでいることでも、
やがて消え去り、あるいは変化する。
どんなことでも、どんなものでも、いつどうなるかわからない、
開かれたものとして、そこにある。

ものごとは、変化し、
生まれては滅ぶ。
そのあやうさをおそれる必要はない。

それどころか、
あなた自身が、可能性に満ちたものとしてあることを理解すれば、
あなたは、わけのわからぬ不安から解放されるはずだ。

【著者プロフィール】
安冨 歩 (やすとみ あゆみ:あゆむ、も可)
東京大学東洋文化研究所教授。1963年生まれ。京都大学経済学部卒業、株式会社住友銀行勤務。京都大学大学院経済学研究科修士課程修了。京都大学人文科学研究所助手、名古屋大学情報文化学部助教授、東京大学大学院総合文化研究所・情報学環助教授を経て現職。著書に『超訳 論語』(ディスカヴァー)、『あなたが生きづらいのは「自己嫌悪」のせいである。』(大和出版)、『マイケル・ジャクソンの思想』(アルテスパブリッシング)、『ありのままの私』(ぴあ)、『満洲暴走 隠された構造』(角川新書)、『誰が星の王子さまを殺したのか モラル・ハラスメントの罠』『原発危機と「東大話法」』(以上、明石書店)、『ドラッガーと論語』(東洋経済新報社)、『「学歴エリート」は暴走する「東大話法」が蝕む日本人の魂』(講談社+α新書)、『経済学の船出』(NTT出版)、『生きるための経済学』(NHKブックス)などがある。

【書籍情報】
タイトル:老子の教え あるがままに生きる
定価:1,500円(税抜)
発売日:2017.6.10
判型:四六判・上製/256ページ
ISBN:978-4-7993-2115-7
発行:ディスカヴァー・トゥエンティワン
ディスカヴァーサイト:http://www.d21.co.jp/shop/isbn9784799321157

【販売サイト】
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4799321153
楽天ブックス:http://books.rakuten.co.jp/rb/14989279/
セブンネット:http://7net.omni7.jp/detail_isbn/9784799321157
ディスカヴァー・トゥエンティワン:http://www.d21.co.jp/shop/isbn9784799321157

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