CO2分離事業に関する合弁会社の設立について
PR TIMES / 2012年10月16日 12時20分
住友化学株式会社(本社:東京都中央区、社長:十倉 雅和、以下「住友化学」)、住友商事株式会社(本社:東京都中央区、社長:中村 邦晴、以下「住友商事」)および株式会社ルネッサンス・エナジー・リサーチ(本社:京都府京都市、社長:岡田 治、以下「ルネッサンス社」)は、このたび、CO2を選択的に透過する膜(CO2選択透過膜)を用いた「膜分離法」によるCO2分離事業への参入に向け、合弁会社(以下「新会社」)を設立することで合意いたしました。
CO2を分離する技術は、主に水素の製造や天然ガスの精製において、目的のガスからCO2を除去するために使われています。現在実用化されている「化学吸収法」や「物理吸収法」などのCO2分離技術は、多くの熱エネルギーや大型の設備が必要なため、低コスト化が大きな課題となっています。3社は、ルネッサンス社がNEDO(注1)や近畿経済産業局の支援を得て開発したCO2選択透過膜をもとに、プロセスがよりシンプルでエネルギー消費を大幅に削減できる「膜分離法」について、技術的検討や市場調査を行ってまいりました。その結果、世界最高水準の分離能力を有するCO2選択透過膜の開発に成功しその優位性が確認できたことから、このたび新会社を設立し、事業化に向けた本格的な取り組みを進めていくこととしたものです。
現在、CO2分離事業の市場規模は世界全体で年間約3兆円(注2)と推定されていますが、今後新興国の経済発展や中小ガス田開発の増加などに伴い、一層の拡大が見込まれています。さらに温室効果ガス削減の有望技術であるCCS(注3)に関しても、コストの過半を占めるといわれるCO2の分離・回収コストを抑えるという観点から「膜分離法」が期待されており、今回開発されたCO2選択透過膜は、その実用化にも大きく貢献できるものと考えています。
新会社設立後、さまざまな用途に適した膜の技術開発をはじめ、量産体制や事業モデルの確立などの検討を進めるとともに実証試験を行うなど、1年以内を目途に本格的な事業化を目指してまいります。
(注1)独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
(注2)現在実用化されている技術による分離回収コスト
(ランニング・コスト)に基づく推定額
(注3)Carbon dioxide Capture and Storageの略。
CO2を回収し、地中に貯留する技術
以 上
【ご参考】
■新会社概要
・事業内容: CO2選択透過膜を用いたCO2分離事業、および膜の開発・用途拡大
・所在地 : 東京都
・資本金 : 8億円
・出資比率: 住友化学 47.5パーセント、住友商事 47.5パーセント、ルネッサンス社 5パーセント
・設立年月: 2012年内(予定)
■ルネッサンス社概要
・事業内容:
・CO2選択透過膜など各種ガス透過膜、およびその応用プロセスの開発など
・エネルギー・水素分野を中心とした、触媒・プロセス技術の販売、ライセンス供与事業など
・所在地 : 京都府京都市南区
・資本金 : 2億9,025万円
・設立年月: 2004年7月
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