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7月11日「世界人口デー」 国際NGOプラン・インターナショナルが、「ユースから見た日本の性教育の実態調査報告書」を発表

PR TIMES / 2021年7月9日 12時15分

若者の6割以上が「包括的性教育」を希望。浮き彫りになった現行の性教育の課題

国際NGOプラン・インターナショナル(所在地:東京都世田谷区 理事長:池上清子 以下、プラン)は、7月11日の世界人口デーに際し、「ユースから見た日本の性教育の実態調査報告書」を発表しました。
本調査では、回答者の4人に1人が現行の教育カリキュラムにおける性教育は、実践的ではなく内容が不十分であると考えていることが分かりました。回答者からは今後、性教育をより若者の要望に沿ったものにしてほしいとの意見があがりました。また、他者を尊重しつつ、権利に基づいて健康や幸せのための選択を自分で決定できるようになることを目指す「包括的性教育」の概念を深く学びたいと望む若者たちも多くいることが明らかになりました。



プランは、すべての女の子と女性たちが自分の体に自己決定権持ち、性と生殖に関する健康と権利を享受することは、ジェンダー平等の達成に不可欠であると考えています。そのため、身体の自己決定権を阻む有害な慣習の撤廃にむけた活動のほか、学校における「包括的性教育」の実施を通じて、女の子と女性の性と生殖に関する健康と権利を推進するための活動を世界の国々で展開しています。
[画像1: https://prtimes.jp/i/12939/159/resize/d12939-159-13e37b81cf1bb84eab56-0.jpg ]

日本においては、プラン・ユースグループがアンケートを実施し、調査結果を報告書にまとめました。日本では、子どもや若者たちに対して、性と生殖に関する健康と権利についての教育が十分に行われていないことが望まない妊娠やジェンダーに基づく差別につながっているのではないかという仮説のもと、日本の思春期の若者が受けてきた性教育、従来の性教育に対して抱いている印象や「包括的性教育」へのニーズを調査しました。

[画像2: https://prtimes.jp/i/12939/159/resize/d12939-159-a4ba63262b3b905b8c6f-6.png ]



【調査概要】
調査タイトル: ユースから見た日本の性教育の実態調査報告書 -包括的性教育を目指して-
調査主体: プラン・ユースグループ
調査方法: LINE リサーチ プラットフォーム利用の調査

調査対象者: 全国15 歳~19 歳の男女
有効回答数: 1050人
調査時期: 2021年1月14日(木)~2021年1月15日(金)
報告書URL: https://www.plan-international.jp/youth/pdf/0630_Youth_Report_01.pdf

【調査結果サマリー】
● 学校教育で「妊娠」「性感染症の予防」などを学んだ人は8割以上いるが、「包括的性教育」を学んだ人は2割に留まる
● 従来の性教育の印象について男女ともに8割が「重要である」と感じている一方で、4人に1人が現行の教育カリキュラムにおける性教育は、実践的ではなく、内容が不十分であると回答
● 6割以上が学校教育で「包括的性教育を受けたい」と回答
● 女性は男性に比べて、包括的性教育で示されている項目についてより学びたいと回答。また、女性はなるべく早期からの性教育を望む傾向が見られる
【グラフ抜粋】
● 今までの性教育で何を学んだか(N=1050)
「これまで学校でどんな性教育を受けてきましたか?」という設問に対し、「妊娠について」「性感染症とその予防について」と答えた若者の割合が80%を超え、「安全な避妊方法について」も75%と高い割合を占めました。一方で、「自分の体のことは自身で決められる権利があること」は40%前後であり、「恋人との良い人間関係の築き方」や「プライベートゾーン(水着で隠す部分)を他人に触れさせないこと」を習ったと答えた人は20%前後に留まりました。現在の性教育が、ユネスコの定義に見合う包括的なものとは言い難い状況が見えてきました。
[画像3: https://prtimes.jp/i/12939/159/resize/d12939-159-bb10e9c4cca622678f93-2.png ]

●「包括的性教育」と今まで受けてきた「性教育」のどちらを受けたいか(N=969)
「『包括的性教育』と今まであなたが受けてきた『性教育』のどちらを学校教育で受けたいと思いますか?」との設問に対しては、6割以上が「包括的性教育を受けたい」、もしくは「どちらも受けたい」と回答。自由回答では、「価値観の多様化が進む中で時代の流れに沿った教育が必要」「性的なことも性的かどうか関係なく、自己を守る方法、自分の意見を伝える方法、人とうまくやっていく方法も学びたい」といった意見も寄せられ、若い世代が「包括的性教育」の持つ目的や意義に共感していることが分かりました。
[画像4: https://prtimes.jp/i/12939/159/resize/d12939-159-dd8bbaf5c6d1531e9cb0-3.png ]

● 包括的性教育をいつ受けたいか(N=284)
女性は男性に比べて、「包括的性教育」で示されている項目についてより学びたいと回答していることが分かりました。また、女性はなるべく早期からの性教育を望む傾向も見られ、小学校低学年で17.5%、小学校高学年は、30.7%と、男性よりも5ポイント以上高くなっています。
[画像5: https://prtimes.jp/i/12939/159/resize/d12939-159-17be8f6935b7f870f23f-4.png ]

調査を実施したプラン・ユースグループのメンバー 明日香さん(大学4年生)のコメント
私はこれまでの学生生活で性教育を丁寧に受けた記憶はありませんでした。しかし、自分自身の経験上、重要だとは漠然と思っていました。そのなかで出会ったのが「包括的性教育」という概念でした。包括的性教育は、これまで私たちが性教育として教えられてきた妊娠の仕組みや避妊についてだけでなく、ジェンダーや人権、人間関係など多岐にわたる学習プログラムです。この概念を少しでも多くの人に知ってもらうために企画したワークショップでは、参加者にこの概念の大切さを伝えられたと思います。今回参加してくれた同世代の方々の多くは、もともと性教育や包括的性教育に対して、多少興味や関心を持っている人たちでした。今後はいかに無関心層にまでリーチできるかが課題であると考えています。ワークショップを開催するだけで終わりにはせず、調査結果をまとめた報告書をより多くの人に届けることで、包括的性教育の普及に尽力していきたいです。
[画像6: https://prtimes.jp/i/12939/159/resize/d12939-159-dd324113b85509c9d47f-5.jpg ]


プラン・ユースグループについて
志を同じくする日本各地のユースメンバーとともに一緒に国内外の現状を学び、変化をもたらすために活動しています。毎回のミーティングでは、ジェンダー課題や社会問題に関する議論が繰り広げられています。日本国内のジェンダー課題の解決やプラン・インターナショナルの組織意思決定プロセスへの意味ある参画を目指して活動しています。
https://www.plan-international.jp/youth/group/

世界人口デーとは
1987年7月11日に国連が当時存在したユーゴスラビアで生まれた男の子を50億人目と認定したことに基づき、世界の人口問題に対する関心を高めることを目的に、国連人口基金(UNFPA)により制定された国際デーです。その後、1994 年にエジプトで開催された「国際人口開発会議(カイロ会議)」で、行動計画が採択され、「人口(出生)をコントロールする」というこれまでの考えから、「人々の『性と生殖に関する健康と権利(Sexual Reproductive Health and Rights、以下SRHR)』を保障する」という考えに大きく変わりました。国連人口基金の「世界人口白書 2021」によると、途上国57カ国の約半数の女性が、パートナーとの性交渉、避妊、医療へのアクセスの3つの分野において、自分の体の自己決定権を十分に享受できていないことが報告されています。

包括的性教育とは
妊娠、避妊、性感染症という限定的な生殖教育だけでなく、人間の尊厳や他人を尊重することなどを網羅的に学習するための教育。包括的性教育の目的は、「周りの人も大切にしつつ、自分の権利を知ること。それをもとに、健康や幸せのための選択を自分で決められるようになること」とされ、自尊心や自信を身につけることにもつながります。セクシュアリティ、人権、お互いが幸せである対人関係、価値観の尊重、暴力(性暴力を含む)の防ぎ方、LGBTIQ+の人々への偏見や差別をなくすことも、包括的性教育に含まれます。 
出典:ユネスコ「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」
[表: https://prtimes.jp/data/corp/12939/table/159_1.jpg ]


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