コンドロイチン硫酸がシワ改善有効成分「ニールワン」の働きを高める
PR TIMES / 2020年10月13日 17時45分
皮膚のコンドロイチン硫酸を増やすことでシワ対策がより効果的に
ポーラ・オルビスグループの研究・開発・生産を担うポーラ化成工業株式会社(本社:神奈川県横浜市、社長:釘丸和也)は、皮膚の中に含まれるコンドロイチン硫酸(補足資料1)が以下の作用をもつことを明らかにしました。コンドロイチン硫酸を増やすことで、スキンケアの効果をより引き出せると期待できます。この知見は、今後のポーラ・オルビスグループの製品に活用される予定です。
[表: https://prtimes.jp/data/corp/36737/table/160_1.jpg ]
※1「シワを改善する」効能・効果で2016年に初の承認を受けた医薬部外品の有効成分(三フッ化イソプロピルオキソプロピルアミノカルボニルピロリジンカルボニルメチルプロピルアミノカルボニルベンゾイルアミノ酢酸Na)。「史上初!「シワを改善する」効能の医薬部外品」(2016年7月14日)
http://www.pola-rm.co.jp/pdf/release_20160714.pdf
※2「シワの原因となる好中球を皮膚に集まりにくくする成分を発見」(2019年10月8日)
http://www.pola-rm.co.jp/pdf/release_20191008_2.pdf
着目:シワの溝の奥にはコンドロイチン硫酸が少ない
[画像1: https://prtimes.jp/i/36737/160/resize/d36737-160-118897-0.jpg ]
コンドロイチン硫酸は全身に広く存在する体内の成分で、真皮では傷が治るときなどに特に増加します。線維芽細胞を呼び寄せ、コラーゲンの産生を増やすといった重要な働きをもち、皮膚の形成に欠かせない成分として知られています。しかしシワの溝の部分の皮膚内部では少ないことが以前から知られていました(図1)。そこで今回、コンドロイチン硫酸が増えると、シワの改善につながる成分の作用にどのような影響があるかを調べました。
コンドロイチン硫酸はシワ改善作用にプラスに働く
[画像2: https://prtimes.jp/i/36737/160/resize/d36737-160-708229-2.png ]
1.ニールワンの働きを高める
ポーラ化成が開発したニールワンは、シワの原因となる酵素「好中球エラスターゼ」の活性を阻害する成分です。ニールワンの働きに対するコンドロイチン硫酸の影響を調べると、ニールワンの作用が高まることが明らかになりました(図2)。
2.CHGの働きを高める
次に注目した成分はCHGです。CHGは好中球エラスターゼを放出する細胞「好中球」が皮膚に集まるのを抑制する成分です。実験の結果、コンドロイチン硫酸によりCHGの作用も高まることが分かりました(補足資料2)。以上の結果から、シワの溝の皮膚内部で少なくなっているコンドロイチン硫酸を増やすことで、シワ改善化粧品の効果をより引き出せると期待できます。
コンドロイチン硫酸を増やす複合エキスを発見
油溶性カモミラエキスと油溶性アルニカエキスを独自の比率で配合した複合エキスに、コンドロイチン硫酸を増やす効果があることを発見しました(補足資料3)。これらのエキスをニールワンやCHGと組み合わせることで、肌内部のコンドロイチン硫酸の力を活用し、より効果的なシワケアが期待できると考えられます。
ポーラ化成工業では、今後もシワ研究を進め、最新の知見を化粧品に活用していきます。
【補足資料1】コンドロイチン硫酸とは
二種類の糖が繰り返し数珠つなぎになった、グリコサミノグリカンという生体内成分の一種です。通常はタンパク質と結合したプロテオグリカンの一部として存在しますが、コンドロイチン硫酸自体にも、細胞を呼び寄せる、細胞の増殖を促進する、細胞の接着を制御する、線維芽細胞のコラーゲンやヒアルロン酸の産生を高める、コラーゲンの線維状態や物理的な性質を変化させるといった多くの作用を持ち、軟骨や骨の形成、皮膚のしなやかさに重要であることが知られています。そのため、細胞状態の改善や免疫応答の鎮静などを期待し再生医療用の素材として
注目されているほか、骨の充填材や角膜の傷の治療促進剤としても活用されています。
シワの溝の部分の真皮ではコンドロイチン硫酸が少ないことが報告されていますが、その原因やシワに与える影響については解明されていませんでした。ポーラ化成工業では、コンドロイチン硫酸が様々な作用を有することから、シワの改善にも影響を及ぼす可能性に着目して検討を行いました。
【補足資料2】 コンドロイチン硫酸のCHGの働きを高める作用
[画像3: https://prtimes.jp/i/36737/160/resize/d36737-160-555287-3.png ]
紫外線や乾燥、表情による圧力などで炎症が起きると、免疫細胞の一種である「好中球」という細胞が「好中球エラスターゼ」という酵素を放出し、これにより真皮の成分が分解されてしまうことでシワが生まれます。CHGは、「好中球」を皮膚内に呼び寄せる遊走因子※3を抑えます。
CHGだけでなくコンドロイチン硫酸も存在している方が、細胞での遊走因子の遺伝子発現量が抑制されました(図3)。
※3 好中球が皮膚に集まる反応を促進する因子 CXCL1
【補足資料3】 コンドロイチン硫酸に対する複合エキスの作用
[画像4: https://prtimes.jp/i/36737/160/resize/d36737-160-300961-4.png ]
様々なエキスを線維芽細胞に添加した結果、油溶性カモミラエキスと油溶性アルニカエキスを組み合わせると、細胞がコンドロイチン硫酸を合成する過程で必要な酵素の一つであるCHSY1の遺伝子発現が増えることを発見しました(図4)。
油溶性カモミラエキス
カモミラ(カミツレ、カモミール)の花からオイルで抽出したエキス。カモミラは、古くからハーブや薬草、精油として利用されています。
油溶性アルニカエキス
アルニカモンタナの花からオイルで抽出したエキス。アルニカは外用ハーブとして打撲や傷の治療などに古くから利用されています。
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