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クライシスに関する意識調査結果(2018年)を公表

PR TIMES / 2018年8月9日 16時1分

クライシスの発生件数が増加傾向にあるにもかかわらず、多くの企業は必要な準備態勢を整えていない実態が明らかに



企業は、増大するクライシスの脅威にさらされていると強く認識しています。デロイト トウシュ トーマツ リミテッド(デロイト グローバル)が2018年に実施したクライシスに関する意識調査「Stronger, fitter, better: Crisis management for the resilient enterprise」によると、アンケートの回答者の60%が10年前よりも多くのクライシスに企業が直面していると考えているものの、多くの企業が自社のクライシスへの対応能力を過大に評価していることが判明しました。

本調査では、2015年にデロイト グローバルが実施したクライシスに関する意識調査「A crisis of confidence」で判明したことを踏まえ、クライシスマネジメントや事業継続、リスクマネジメントを担当する500名を超える上級管理職に対してクライシスマネジメントや予防プロセスに関する意識調査を行いました。

デロイト グローバル クライシスマネジメントリーダーのピーター・デントは次のように述べています。「世界中の企業にとって、ビジネスの変化のスピードがますます速まり、また、クライシスの発生件数も増加傾向にある現在の状況では、優れたリーダーシップや十分に検証された計画を用意するなどしてクライシスに対応可能な準備を整えておくことが企業にとってとても重要です。クライシスマネジメントに長けた企業は、潜在的なクライシスを回避するためのシステマチックなアプローチを取り、企業価値の維持や向上も考慮しクライシスマネジメントに取り組んでいます」

総括
・企業のクライシスマネジメント担当リーダーの60%が、企業がクライシスに直面する場面が10年前よりも増えていると考えている。
・クライシス発生に対する十分な備えについて、多くの企業のクライシスマネジメント担当リーダーの認識と実際の準備態勢にギャップがある。
・十分な事前準備によりクライシスによって生じる損失を大幅に減少させられる。特に、取締役や上級管理職がクライシスマネジメントプランの策定やクライシスを想定した訓練に参加している場合は効果的である。

企業はクライシス対応能力に対して自信を持っている一方で、準備の実態と大きなギャップがある
自社の危機対応能力に対して自信を持っている一方で、実際の準備状況の十分性には大きなギャップがあることが今回の調査により明らかとなりました。クライシスを想定した訓練の実施有無を調査すると、そのギャップはさらに広がることが明確となりました。

回答者の90%近くが自社は企業不祥事に十分に対応可能と回答した一方で、実際に訓練と検証を行ったと回答したのは17%という結果となりました。この結果は、2015年に調査を実施した際に確認された、クライシス状況下も自社は適切に対処可能だと取締役会が考えていた一方で、発生可能性のあるシナリオを想定したクライシスマネジメントプランは存在していなかったという事実を連想させます。

過去に直面したクライシスの経験が将来に向けた準備を前進させる
本調査では、世界の企業の80%が、過去2年以内に少なくとも一度はクライシスマネジメントチームを動員せざるを得なかったと回答しました。その中で特に多くの企業が経験したクライシスは、サイバーまたは安全性に関するインシデントによるものでした(サイバー関連が46%、安全性関連が45%)。

クライシスに直面した経験がある企業の多くは過去の経験から学んでいます。クライシスに直面した企業の約90%が検証を行ったところ、多くのクライシスは回避可能であったことを学びました。この学びにより多くの企業がクライシス未然防止行動へ注力することにつながっていると考えられます。未然防止のための事前検知・早期警告システムの改善ニーズや予防プロセスへのさらなる投資ニーズ、さらに、直面する可能性の高いクライシスシナリオ特定のための追加の対応ニーズがあることが本調査の回答内容から確認されました。

ピーター・デントは次のように述べています。「クライシスが発生してからクライシスへの対応を開始するのではすでに手遅れになる場合もあるため、企業はクライシス発生前からクライシスマネジメントの取り組みを開始すべきです。また、クライシスマネジメントをクライシスに対する計画・準備プロセスと対処プロセスだけでなく、クライシスのライフサイクル全体を通して行うことにより、企業のクライシス未然防止機能の強化が可能です。有効なクライシスマネジメントを行うためには、さまざまなバイアスが排除され、発生確度が低いと軽視しているリスクでさえも、役員や上級管理職によって十分に精査されるような体制の確立も必要です。」

取締役とビジネスリーダーはクライシスへの準備態勢を整えておく必要がある
クライシスに対処する際は、強いリーダーシップスキルと現下の危機的状況に対する状況認識・判断スキルが特に重要です。本調査によると、回答者の約4分の1の24%がクライシス対処時の効果的なリーダーシップの発揮と意思決定が最も困難であったと回答しています。クライシス状況下でもビジネスリーダーが統率力を発揮できるようにするためには、企業は以下の点を考慮したほうがよいでしょう。

- 前もってリーダーを据え、リーダーが担うさまざまな役割と責任を定義し明確にする
- クライシス状況下でもリーダーシップを発揮できるよう、クライシス対応時に役立つツールやテクニックを習得する訓練を行う
- 平時の際には効果的なリーダーシップのスタイルであっても、クライシス状況下で同様に有効とは限らず逆効果になる場合もあるため、リーダーシップのタイプや傾向を把握した上で、クライシス状況下で効果的なリーダーシップのスタイルを習得させる

さらに、クライシスマネジメントプランの策定時に取締役および上級管理職の経営層が参画することは、経営層がクライシスを想定した訓練に参加することと同様に非常に重要です。5分の4以上の84%の回答者が、クライシスマネジメントプランを策定済みと回答しています。そのうち、経営計画策定のプロセスに経営層が参画していると回答した企業で過去10年間でのクライシス発生件数が減少した企業が21%となった一方、経営層が参画していないと回答した企業で減少した企業は2%にとどまりました。

仕入先や提携先等はクライシスを引き起こす原因の一部であるが、解決の一端も担う
仕入先や提携先などの第三者の行動によりクライシスはしばしば引き起こされることがある一方で、クライシス発生リスクを軽減するうえではその第三者が重要な役割を果たすとも言われています。この点を踏まえ、危機管理の訓練を仕入れ先などの第三者と合同で行い、自社だけでなく取引のある第三者の危機管理計画の検証も同時に行うこともある、と回答者の59%は回答しています。クライシスの特定および未然防止においては、ビジネスで取引のある第三者と自社のチームが合同でクライシスを想定した訓練を行うこともまた重要な要素の一つです。

クライシスは絶対に避けられないというわけではありません。クライシスの多くは回避可能であることを知っている賢明なビジネスリーダーは、クライシスマネジメントのケイパビリティを強化するための投資を怠りません。クライシスマネジメントのケイパビリティの強化は、企業の財務や従業員の士気、ブランド、レピュテーションにおいて、回復も困難な大きな損失が生じることを防ぎます。また、真に効果的なクライシスマネジメントは、既存価値の維持にとどまらず、組織的レジリエンスを得て業績を向上させることにつながり、より強い企業への進化を実現させます。

レポートの全文は以下からご覧いただけます(英語)。
https://www2.deloitte.com/insights/us/en/topics/risk-management/crisis-management-plan-resilient-enterprise.html

本調査について
本調査は、デロイト トウシュ トーマツ リミテッドからの依頼を受けた英市場調査会社のComResによって2017年11月から2018年1月にかけて電話でのアンケート調査が実施され、クライシスマネジメントや事業継続、リスクマネジメントの責任者である上級管理職(取締役は除く)523名(20ヶ国、5地域)が回答しました。なお、米国拠点の企業で年間売上が50億米ドル以上、または、米国以外が拠点で年間売上が10億米ドル以上の企業を調査対象としました。回答者の地域別の内訳は、北米(109名)、南米(114名)、欧州(106名)、中東/アフリカ(69名)、アジア太平洋(125名)となっています。

本ニュースリリースは、米国ニューヨークで2018年6月20日に配信された内容を翻訳したものです。

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