第53回大宅壮一ノンフィクション賞2作受賞決定! 鈴木忠平さん『嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか』 樋田毅さん『彼は早稲田で死んだ』
PR TIMES / 2022年5月16日 22時40分
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本日、日本文学振興会(理事長・中部嘉人)より、第53回大宅壮一ノンフィクション賞が発表され、鈴木忠平さんの『嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか』と樋田毅さんの『彼は早稲田で死んだ 大学構内リンチ殺人事件の永遠』(著者名50音順)の2作が授賞作に決まりました。
受賞コメント
受賞に際しましてはまず、駆け出しの記者だった私に多大なものを与えてくださった当時の落合博満監督とご家族、中日球団関係者の皆様、日刊スポーツ新聞社の諸先輩方、本書に携わっていただいた方々に心より感謝申し上げます。私が書いたのは世の中と隔絶した人物のほんの一面に過ぎませんが、あの頃の鮮烈な体験をこれからの人生でも大切にしていきたいと思います。〈鈴木忠平〉
長い間、胸の奥に溜めていた思いをまとめた作品で、憧れの賞をいただけることになり、感無量です。半世紀前、早稲田のキャンパスで吹き荒れた政治セクトの暴力に抗い、闘った仲間たちと喜びを分かち合います。〈樋田毅〉
作品概要
『嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか』
中日ドラゴンズで監督を務めた8年間、ペナントレースではすべてAクラスに入り、日本シリーズには5度進出、2007年には日本一にも輝いた。それでもなぜ、落合博満はフロントや野球ファン、マスコミから厳しい目線を浴び続けたのか。
秘密主義的な取材ルールを設け、マスコミには黙して語らず、そして日本シリーズで完全試合達成目前の投手を替える非情な采配……。
著者が1対1の取材で得た、落合ならではの含蓄のある言葉。そして、福留孝介、川崎憲次郎、和田一浩、森野将彦ら、落合の深謀遠慮に影響を受け、真のプロフェッショナルへと変貌を遂げていった12人の男たちの証言。そこから、異端の名将の実像に迫る。
ミズノスポーツライター賞最優秀賞受賞作。
『嫌われた監督』https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163914411
『彼は早稲田で死んだ 大学構内リンチ殺人事件の永遠』
1972年に早稲田大学第一文学部二年生の川口大三郎さんが、革マル派の活動家に凄惨なリンチを受け、殺害される事件が起きる。これをきっかけに一般学生が蜂起し、著者は学内の自治を革マル派から取り戻すべく組織された、新自治会の委員長に就く。しかし、自らも鉄パイプでメッタ打ちにされて重傷を負い、仲間たちの暴力化を抑えることができず、無念の思いが残った。
大学卒業後、朝日新聞社会部記者となった著者は入社9年目に、朝日新聞「赤報隊」襲撃事件を経験する。その取材にあたる中、著者の脳裏に何度も浮かんだのは、学生時代から抱き続ける「不条理な暴力に人はどう抗いうるのか」という問いだった。
その大きな問いに本作で挑むにあたって、著者は当時の革マル派幹部や川口さん殺害に加わった実行犯など、50人以上の関係者を取材。新事実と、学生運動に関わった人々の半世紀後の姿が明らかになっていく――。
『彼は早稲田で死んだ』https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163914459
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著者略歴
鈴木忠平
1977年生まれ。名古屋外国語大学卒。日刊スポーツ新聞社、「Sports Graphic Number」編集部を経てフリーに。
〈作品〉『清原和博への告白 甲子園13本塁打の真実』(文春文庫)、構成を担当した作品に『清原和博 告白』(清原和博、文春文庫)、『薬物依存症』(清原和博、文藝春秋)
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樋田毅
1952年生まれ。早稲田大学第一文学部卒。朝日新聞社の大阪社会部で同社阪神支局襲撃事件取材班のキャップとして『新聞社襲撃 テロリズムと対峙した15年』(岩波書店刊)をまとめた。大阪秘書役を務めた後、2017年に退職。18年『記者襲撃 赤報隊事件30年目の真実』を発表し、本格的な執筆活動に入る。
〈作品〉『記者襲撃 赤報隊事件30年目の真実』(岩波書店)、『発達障害 食事・栄養・キレーション療法をご存じですか?』(ウェイツ)、『最後の社主 朝日新聞が秘封した「御影の令嬢」へのレクイエム』(講談社)
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