【プレスリリース】第3回ロマサミット開催 子ども最優先でロマの社会への受け入れを 3カ国のロマの子どもの報告書を発表
PR TIMES / 2014年4月3日 16時23分
※本信は ユニセフ本部からの情報を日本ユニセフ協会 広報室が翻訳・編集したものです
※原文をご入用の際は、広報室までお問い合わせください
【2014年4月3日ブリュッセル・ジュネーブ発】
4月4日にブリュッセルで開かれる第3回ロマサミットの前夜に当たり、ユニセフは
ヨーロッパ諸国の政府に対し、ロマを社会に受け入れる政策の中心に子どもをしっかりと
据えることを求めます。
ヨーロッパ全域で、ロマの子どもたちの権利が認識され、進展してきました。しかし、
本日ユニセフが発表する要約報告書『ボスニア・ヘルツェゴビナ、マケドニア・
旧ユーゴスラビア共和国、セルビアにおけるロマの子どもと女性の権利の認知
(原題:Realizing the rights of Roma Children and women in Bosnia and Herzegovina,
the former Yugoslav Republic of Macedonia and Serbia)』では、多くのロマの少年
少女が依然として極めて貧しく、社会から疎外され、差別されていることが明らかに
なっています。
ユニセフ中部・東部ヨーロッパ、独立国家共同体地域(以下、CEE/CIS)地域事務所代表
のマリー・ピエール・ポワリエは「今こそ、ヨーロッパ諸国の政府は、すべてのロマの
少年少女への義務を果たすときです」と述べました。今年が国連子どもの権利条約の
25周年であることから、これまでに達成できたことと今後の課題を明らかにする機会で
あるとも強調しています。
ポワリエ代表は「義務を政策として実現する必要があります。ロマの子どもたちに
直接的に活用できる資金があれば、子どもたちは自らのすべての可能性を自分のものと
できるようになります。今、最優先すべきは、分散している子どもに関するデータを
集約することです。よりよいデータがあれば、地方と中央それぞれで、よりよい政策と
モニタリングを実行できます」と述べました。
要約報告書は、ボスニア・ヘルツェゴビナ、マケドニア・旧ユーゴスラビア共和国、
セルビアの3カ国で初めて、分散していたロマの子どもに関するデータが集計され、
公開されたことを明らかにしています。
「3カ国での力強い取り組みを称賛します。他国政府やパートナーに、これらの例に
倣うことを求めます」とポワリエ代表は続けました。
ユニセフは3カ国で集計されたデータを分析して要約報告書として発表しました。
ただちに政策として実現することが強調されている分野は、以下の通りです。
●栄養不良に終焉を
ボスニア・ヘルツェゴビナでは、国平均では、1歳児の10人にひとりが年齢に対して
身長が低いが、ロマの子どもの場合、5人にひとりに上る
●3カ国とも、女性と子どもへの保健ケアサービスと情報へのアクセスを確保すること
ロマの子どもは国内平均と比べて、出生児に低体重になりやすい傾向にある
●就学前教育と学習への受け入れの増強と拡大を
セルビアでは、3~4歳の子どもたちは国平均では44%が就学前教育を受けているが、
ロマの子どもはわずか8%にとどまる
●家族支援サービスを提供し、母親と父親が等しく子育てをするように働きかけを
セルビアでは、中等教育や高等教育を受けたロマの両親は、教育を受けていない
ロマの両親の子どもに比べ、2倍も子育てに参加する
親がよりよい教育を受けていれば、子育てにより関わり、子どもの生存と成長、
発達を促進する
●特にロマの女の子と女性が初等や中等教育を受け、社会への取り込みを改善すること
マケドニア・旧ユーゴスラビア共和国では、女の子の中等教育出席率は国平均では
84%だが、ロマの女の子は35%にとどまる
●生活水準を改善し、ロマ世帯、特に女性の低収入への取り組みを
3カ国とも、国平均と比べて、ロマ世帯はトイレや手洗い場が持てず、料理に薪を
使う傾向にある
* * *
ユニセフは、「ヨーロッパ2020戦略」に記されている通り、社会的一体性と持続的
発展への寄与を求められている子どもや若者への投資を優先することを推奨しています。
■ 本件に関するお問い合わせ
日本ユニセフ協会 広報室
TEL:03-5789-2016 FAX : 03-5789-2036 Eメール:jcuinfo@unicef.or.jp
または
John Budd UNICEF CEE/CIS Regional Communication Chief
Tel: +41 22 909 5429 Mobile: +41 79 431 1537 jbudd@unicef.org
Lely Djuhari UNICEF CEE/CIS Regional Communication Specialist
Tel: +41 22 909 5433 Mobile: +41 792 044482 mediaceecis@unicef.org
ユニセフCEE/CIS地域事務所 ウェブサイト http://www.unicef.org/ceecis
■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進
するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、
その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子ども
たちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのため
に活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する36の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの
任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国36の国と地域にあるユニセフ国内委員会
のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ
活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)
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