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南スーダン:子どもの栄養失調が急増

PR TIMES / 2014年7月16日 14時49分



南スーダンで、小児の栄養失調罹患率が急激な上昇を見せている。国境なき医師団(MSF)は、今年1万3270人超の子ども(大多数は5歳未満)を栄養治療プログラムに受け入れてきたが、この数はすでに昨年受け入れた総数(1万8125人)の73%に相当する。紛争による暴力、避難生活、食糧不足が、この栄養失調の急増や緊急医療が必要な子どもの増加の主因となっている。

<紛争によって引き起こされた人災>

栄養失調罹患率は、昨年12月に今回の紛争が始まってから、国内の上ナイル州、ユニティー州とジョングレイ州の一部で急上昇した。例えば紛争以前、MSFはユニティー州レールの町で毎月40件の栄養失調治療にあたっていたが、今では毎月1000件の新症例を治療している。

南スーダンにおけるMSFの活動責任者、ラファエル・ゴルジュは「100万人が住まいを追われたことに様々な要因が積み重なった結果であり、人災です。避難生活の環境は劣悪で、6ヵ月間木立の中に身をひそめ、不衛生な沼の水を飲み、草木の根を食べて命をつないでいる人もいるのです」と訴える。

<各地で悪化する人びとの健康状態>

ユニティー州の町レールでは、戦闘から逃れていた人びとが5月に戻った時、栄養失調の規模が明らかになった。それまで数ヵ月間木立の中で生活を余儀なくされていた人びとだ。「大勢の人が続々と病院に来始めました。圧倒的な光景でした。そして栄養失調の症状は驚くほど酷かったのです」と、MSFのプログラム責任者サラ・メイナードは状況を説明する。

MSFはレールで、5月と6月の2ヵ月だけで2810件の栄養失調患者を受け入れた。これは昨年の受け入れ総数2142件を上回る。また、同州ベンティウでは、MSFは今年5月に下痢、胸部感染と脱水症状を始めとした合併症のある重度栄養失調者治療に特化した施設を立ち上げ、既に239人の子どもを受け入れたが、うち42人は亡くなった。

ジョングレイ州では、ランキエンとユアイにあるMSFの施設で今年1月から6月に受け入れた人の数は昨年同期比で60%増となり、2013年には175件だった1ヵ月あたりの平均受け入れ件数は2014年にはこれまでのところ1ヵ月あたり290件となっている。

上ナイル州では、MSFはマラカルの北部にある地域で2064人を受け入れ、その大多数は子どもだった。最近行われた死亡率調査によって非常に高い死亡率が明らかになっている。

<深刻な食糧危機>

上ナイル州ナーシルでは、5月の戦闘によりMSFは一時退避を余儀なくされたほか、多くの人びとが隣国エチオピアに逃げた。MSFは毎日数百人規模で国境を越えてエチオピア・ガンベラ州に来る難民に一次医療を提供しており、現地チームは到着する難民の間に全体として高い栄養失調罹患率がみられると報告している。全急性栄養失調率(※)は20%、急性栄養失調率は6%と、緊急事態を示す値を大きく上回っている。難民の証言によると彼らは食糧と安全な避難場所を求めてガンベラ州にやって来た。特に食べ物がなかったためだと言う。

※ある集団における中程度および重度の急性栄養失調患者を合わせた比率。

木立に避難した多くの人が、草木の根や葉を食べ、沼の水を飲んで命をつないだが、避難したことにより家畜の牛、畑、種と農具を失い、作付けや収穫は中断された。残っていた食べ物は駄目にされたか略奪された。市場は開けなくなり、道路も紛争により通行不可能だ。現在雨季であることと毎年訪れる「収穫の端境期(通常6月から8月にかけて食糧が乏しくなる時期)」が食糧危機をさらに悪くしている。

人びとの多くは今や全面的に人道援助に頼って命をつなぎ、この状況は当面続く見込みだ。現地で活動中の人道援助団体や諸機関は資金調達目標を達成して援助規模を拡大させ、食糧配給を含む必要な援助を提供できるよう図る必要がある。また、紛争当事者は国内での安全な陸路・水路の確保のほか、国境を越えて活動する人道援助活動従事者の移動に安全を保障する必要がある。

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