ウガンダ:危機的状況における予防接種の拡大を

PR TIMES / 2014年7月25日 16時19分



国境なき医師団(MSF)は、ウガンダ北部のアジュマニ県に滞在する南スーダン難民の子どもたち約1万人を対象に、肺炎球菌結合ワクチン(PCV)とヘモフィリスインフルエンザ b 型菌(Hib)ワクチンの接種を開始する。しかし、世界保健機関(WHO)が危機的な状況下での使用を勧めるこれらの予防接種の実施には依然として困難が伴う。

<緊急事態の予防接種の前に立ちはだかる障壁>

2013年からWHOは人道危機におけるワクチン接種の拡大を勧めてきた。ただ実践となると、保健当局による許認可の遅滞や、適正価格でワクチンが購入できるか否か、危機的な状況下でワクチンが正常に輸送できるかといった複数の問題が予防接種を非常に困難なものにしている。

ウガンダにおけるMSFの医療アドバイザー、レオン・サルム医師は「WHOの推奨内容と、緊急時における実行の可能性に大きなかい離があります。脆弱な集団を守るための有意義な指針ですが、残念ながら、それを危機的状況下で実践するのに必要な人的・物的資源および技術支援が伴っていないのです」と指摘する。

<MSFはGAVI価格の適用外に>

集団予防接種が最も必要とされる人道危機の状況下で拡大できない主要因の1つがPCVの費用だ。GAVIアライアンス(ワクチン予防接種世界同盟)の交渉により、接種1回につき3.50米ドルという価格が実現されたが、この価格の適用対象となっていないMSFは多額の支出を余儀なくされている。今回のアジュマニ県の集団予防接種におけるMSFの支出は接種1回につき7.50米ドル(約761円)と2倍以上のコスト負担を強いられている。

「ワクチン価格のせいで、接種対象の子どもを選別したり、人数を減らしたりしたくありません。危機的状況下では、予防接種の期間、提供するワクチンの選別、接種対象の子どもの年齢層を医学・疫学的要素に基づき決定すべきです。費用を基準に判断してはいけません」サルム医師は訴える。

<抵抗力の弱い人びと>

危機的状況の故郷を逃れてきた人びとは、ワクチンで予防できる病気への抵抗力が特に弱い。MSFの今回の集団予防接種の対象も2歳未満の南スーダン人難民児童だ。接種が予定されているのは肺炎球菌、ヘモフィリスインフルエンザ b 型菌やその他の病気への免疫を生むワクチン。特に肺炎球菌とHibは小児呼吸器感染症の主な原因となる。

人道危機の状況下でMSFが行う集団予防接種は今回が2度目。初めて実践したのは2013年の南スーダン国内のイダ難民キャンプだ。

課題はあるが、MSFはエチオピアのガンベラ州でも南スーダン人難民約18万8000人を対象としたコレラワクチンの接種活動を進めており、PCVとHibワクチンの接種も計画している。

ウガンダのアジュマニ県に滞在する南スーダン人難民は現在7万人を超え、MSFは医療、清潔な水、衛生設備を提供。現地のMSF医療施設では、呼吸器感染症が5歳未満児の診療・入院・死亡件数の第2位を占める。

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