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【プレスリリース】ユニセフ・WHO 水とトイレの最新報告書を発表 都市部と農村部、経済力による利用格差の是正を

PR TIMES / 2014年5月9日 16時13分



※本信は ユニセフ本部が発表した情報を日本ユニセフ協会 広報室が独自に編集・翻訳
したものです
※原文をご入用の際は 広報室(後述)までお問い合わせください


【2014年5月8日 ジュネーブ/ニューヨーク発】

5月8日、ユニセフと世界保健機関(WHO)は共同監査プログラム(JMP)の年次報告書
『衛生施設と飲料水の前進:2014』を発表しました。

1990年以降、およそ20億人が改善された衛生設備 (以下、トイレと記載)を、23億人が
改善された水源 を利用できるようになったこと、さらに23億人のうち16億人は家庭で
水道が利用できるようになったことが明らかになりました。報告書では、清潔な水と
適切なトイレの利用における農村部と都市部における格差が狭まりつつあることも強調
されています。


報告書は、(1)取り組みによる進展 (2)不公平への着眼 (3)国連ミレニアム開発目標の
期限の2015年以降の監査フレームワークの3部から構成され、巻末に国別、地域別、
居住区分(都市部、農村部)別の1990年から2012年までの統計が掲載されています。
これらのデータは、同時期に各国で行われた世帯調査や国勢調査に基づいており、
2012年の統計が最新統計として紹介されています。


* * *

現在、世界の人口の半数以上は都市部に暮らし、農村部と比べ清潔な水と適切なトイレ
の利用が可能です。しかし、農村部と都市部における格差は縮小されつつあります。

1990年当時、改善されたトイレを利用できる割合は、都市部で76%、農村部ではわずか
28%でしたが、2012年までに、都市部で80%、農村部では47%へと改善されました。

1990年当時、改善された水源を利用できる人は都市部で95%、農村部で62%でしたが、
2012年までに、都市部では96%、農村部では82%まで改善されました。

格差是正などの進展がみられるにも関わらず、改善された水とトイレの普及には、依然
として地域、社会文化、経済の格差が明らかに存在しています。

WHOの公衆衛生環境部のマリア・ネイラ部長は「改善されたトイレを利用できない人の
大部分は、農村部にいます。農村部でトイレが使えるようになっているのは主に豊かな
人たちであり、農村部内での格差は拡大しているのです。基本的なレベルの飲料水や
トイレが使えない人たちは大勢おり、こうした人たちのための取り組みを加速しなければ
なりません。第一段階として、だれがいつ、どのようにしてトイレや水を使えるかを
把握します。そうすれば、水やトイレを享受できていな人に集中して取り組むことが
できます」と述べました。

都市部でも、町と都市の間に格差があります。都市部であっても、低所得で都市の郊外
に非公式または不法に居住している、または小さな町に暮らしている人たちが、水や
トイレを利用できる割合は低いのです。

ユニセフのサンジャイ・ウィジェセケラ水と衛生事業担当部長は「改善された水源と
トイレを等しく使えるようにできなければ、最も貧しく厳しい環境にある子どもや
その家族を裏切ることになるでしょう。子どもたちがより健康で学べることを望む
のであれば、水やトイレをより公平で公正に使えるようにしなければなりません」と
述べました。

排泄物を適切に処理できないトイレや排泄物に汚染された水は、コレラや下痢、赤痢、
A型肝炎、腸チフスなどの感染を起こします。保健施設で水やトイレが十分に使えない、
または、使えなければ、すでに何らかの病気にかかって来院している患者は、ほかの
病気に感染するリスクが高くなります。

2000年に採択された国連ミレニアム開発目標(MDGs)では、水とトイレに関し、
目標7で「2015年までに安全な飲料水と基本的なトイレを持続的に利用できない人の割合
を半減すること」を掲げています。2012年までに、飲料水に関する目標は116カ国で、
トイレに関する目標は77カ国で、水とトイレの目標が56カ国で達成されたことが明らかに
なりました。


■ハイライト

<トイレ>

・2012年末までに、世界の人口の64%が
改善されたトイレを使えるようになり、
1990年と比べ、15%の増加
・しかし、トイレが使えない人は約25億人
(3分の2がアジア、4分の1がサハラ以南の
アフリカ)
・人口の最低半数もトイレを使えない国は
46カ国
・屋外排泄はすべての地域で減少している
ものの、依然として10億人が屋外排泄
その82%は10カ国に集中しており、
屋外排泄をしている人の10人に9人は農村部に
・世界的に見て、裕福な人々のほうが貧しい人々よりもトイレを使える割合は高いが、
格差が狭まりつつある国もある
・しかし、農村部では、貧富の差におけるトイレの利用率の差が明らかになっている
人里離れた地域に暮らす人はや社会から疎外されている人ほど、トイレを利用できない


<水>

・2012年末までに、世界の人口の89%が改善された水源を利用できるようになり、22年間で
13%増加し、人数にすると23億人が利用可能に
・改善された水源が利用できない人は、7億4,800万人(43%がサハラ以南のアフリカ、
47%がアジア)で、82%が農村部に暮らす


■参考情報:ユニセフ・WHO 共同監査プログラム(JMP)について

ユニセフと世界保健機関(WHO)による共同監査プログラム(JMP)は、水の供給とトイレ
について、特にミレニアム開発目標の水とトイレの利用に関する目標への進捗を、国別、
地域別、世界レベルで監査するための国連のメカニズムです。

世界各地における世帯調査の協力を得ており、JMPのデータは、改善された水とトイレの利用、
生活の質の相関関係を結び付け、特に国際レベルでの政策決定やリソース配分において
活用されるツールとなっています。
http://www.who.int/water_sanitation_health/publications/2014/jmp-report/en


■ 本件に関するお問い合わせ
日本ユニセフ協会 広報室
TEL:03-5789-2016  FAX : 03-5789-2036  Eメール:jcuinfo@unicef.or.jp
または
Mr Tarik Jasarevic
Communications Officer, WHO, Telephone: +41 22 791 5099, Mobile: +41 79 367 6214
jasarevict@who.int
Ms. Nada Osseiran
Department of Public Health, Environment and Social Determinants of Health, WHO
Tel: +41 22 791 4475, Mobile: +41 79 445 1624, E-mail: osseirann@who.int
Ms. Rita Ann Wallace
Press Officer, UNICEF New York, Tel + 1 212 326 7586 / Mobile + 917 213 4034
E-mail: rwallace@unicef.org
Mr Christophe Boulierac
Spokesperson, UNICEF Geneva, Tel +41 229095032, Mobile +41 793030541
Email: cboulierac@unicef.org

■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進
するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、
その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子ども
たちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのため
に活動しています。(www.unicef.org)

※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する36の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの
任意拠出金で支えられています

■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国36の国と地域にあるユニセフ国内委員会の
ひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動
の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)

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