技術ソリューション事業 「光加速度センサシステムの技術開発と実証試験」を採択
PR TIMES / 2016年12月1日 15時21分
~平成28-29年度フェーズ2案件公募採択と事業開始のお知らせ~
JOGMEC(本部:東京都港区、理事長:黒木 啓介)は、平成28-29年度における技術ソリューション事業技術開発公募(技術開発・実証プロセス フェーズ2)において、「光加速度センサシステムの開発と実証試験」を採択しました。
[画像: http://prtimes.jp/i/12624/218/resize/d12624-218-907327-0.jpg ]
JOGMECは、平成25年度より実施中の技術ソリューション事業の一環として、新しい貯留層モニタリングシステムである光干渉を使用する高精度モニタリングシステムの技術開発を進めてきました。今般、JOGMECとともに実証試験を実施する企業を公募した結果、白山工業株式会社(本社:東京都府中市、社長:吉田稔氏)からの提案を採択しました。同社は株式会社地球科学総合研究所(東京都文京区、社長:川中卓氏)を共同実施者としており、3社による開発事業体制にて、去る10月31日に事業を開始しました。
石油開発事業では、成熟油田などにおいて低コストで原油回収率を向上させることが課題とされており、有効な技術の開発、選択には、原油貯留層の挙動を高精度で観測できる技術が求められています。従来から、地震探査法を持いたモニタリングシステムが使用されていますが、海底や深部に存在する油田などにおいては厳しい環境のため、高精度かつ長期にわたって観測を続けることは難しいのが現状です。これに対して今回開発する技術は、新しいレーザーパルス干渉法を用いることにより、高精度、広周波数帯域、長距離、3成分、多点観測を低コストで稼動させるシステムを目指しています。また、センサ部は電子回路を必要としないため、電子回路ノイズフリー・高ダイナミックレンジ・防爆性を実現し、電源も不要であることから半永久的観測が可能となります。
これまで室内外実験により同システムの基本性能の有効性を確認しておりますが、フェーズ2ではセンサの小型化を図るとともに、愛媛県菊間国家備蓄基地においてより厳しい環境下での長期実証試験を実施し、実フィールドへの適用検討を行う予定です。本フェーズにおいて機械式センサを用いたシステムの技術開発は完了させ、海外操業油田における現場実証、多点化を含む技術実証の完了を経て、早期の実用化、商品化を目指します。
■採択案件の紹介
[表: http://prtimes.jp/data/corp/12624/table/218_1.jpg ]
(5)技術必要性と案件概要:
中東などの産油国に事業展開するNOCやIOCにとってEOR (Enhanced Oil Recovery)による原油回収率の向上には精度の高い貯留層内モニタリングシステム技術が必要とされています。既に資源探査の分野では、地震探査法を用いたモニタリングシステムが実用化されていますが、海底や坑井内などの厳しい環境における高精度・長距離・3成分・多点観測を低コストで長期間安定稼動させるシステムは、電気回路式または従来の光干渉法を適用した既存技術では困難です。
これに対して、今回開発中のセンサは位相シフト光パルス干渉法を用いることにより、従来の加速度計では電気回路ノイズのため計測不可能であった微小加速度変位を高精度で検出し、他の光干渉法では計測できなかった1/2波長以上の変位測定を可能として高ダイナミックレンジを実現しました。更に、従来の光干渉法では解決できなかった光ファイバの環境変動による影響を取り除くことに成功し、長期安定性が求められるフィールド計測を可能にしました。加えて、測定される光ファイバによる長距離光信号転送手法により計測器を除く全システムが無電源で作動することから、低コストで長期にわたって安定稼動するシステムを実現し、光ファイバの分波手法を用いて多点化も可能となります。
技術ソリューション事業フェーズ1では、実際の3成分光干渉加速度センサを含む屋外実証システムを構築し、各種屋外試験で従来の加速度計との性能比較においてこれらの優位性を実証しております。
→全文を読む
http://www.jogmec.go.jp/news/release/news_06_000210.html?mid=pr_161201
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