エボラ出血熱:治療薬の初の臨床試験がMSFの活動地で始まる

PR TIMES / 2014年11月13日 17時38分



国境なき医師団(MSF)は、エボラ出血熱治療薬の臨床試験を12月より、西アフリカで運営中のエボラ治療センター3ヵ所で受け入れると発表した。内容の異なる3つの試験を実施し、エボラ出血熱に有効な治療薬の特定を急ぐ。今回の流行では西アフリカ地域を中心に既に5000人の命が奪われている。

試験は3つの研究機関が担当する。フランス国立保健医学研究所(INSERM)がギニアのゲケドゥ県で行う試験の対象は抗ウイルス剤のファビピラビル(商品名アビガン)。ベルギーのアントワープ熱帯医学研究所(ITM)は、ギニアの首都コナクリのドンカ病院内エボラ治療センターで回復者の全血および血漿を用いた治療法を試験する。そして、国際重症急性呼吸器・新興感染症協会(ISARIC)を代表する英オックスフォード大学が公益信託団体ウェルカム・トラストの融資のもと抗ウイルス薬ブリンシドフォビルの試験を担う。このブリンシドフォビルの試験の場所は未定。世界保健機関(WHO)とエボラ流行国の保健担当局もこの協力体制に加わる。

<最初の試験結果は来年2月>

「この類まれなる国際的連携は、感染後の致死率50~80%という病気の専門治療がついに受けられるという希望を患者にもたらすものです。西アフリカのエボラ治療の主要な提供者に数えられるMSFも臨床試験の推進に協力します。いまも続く流行の被害者の生存率を高めるためです」今回の共同試験のMSF側の調整担当アニク・アンティレンス医師はそう話す。

臨床試験プロトコルの作成は最終段階にあり、14日間の生存という明確な目標と広範な選択基準が設定されている。また、既存の治療に対する影響の最小限化、国際的に認められている医療・研究倫理の順守、有用な科学データの取得と公益のための提供にも配慮する。こうした主な原則と設計は関係国の倫理監督局にも通達し、2014年12月中の試験開始を目指す。それが実現すれば、最初の試験結果は2015年2月に得られる見込みだ。

ブリンシドフォビルとファビピラビルはいずれもWHOのエボラ治療薬候補リストにあがっているが、安全性、有効性、供給力、患者への投与の簡便さの点で審査された上で選ばれている。

<エボラへの恐怖と、回復者への偏見をなくすために>

ISARICの担当試験で責任者を務めるピーター・ホービー教授は次のように述べている。「人道危機のさなかで実験薬の臨床試験を行った経験のある者はおりません。しかし、私たちは西アフリカの人びとを見捨てまいと心に誓っています。今回の共同試験の参加者が皆、安息の場にとどまることなく、明暗を分かつ重要な臨床試験を急ごうと大変な意欲を見せているその場に立ち会えて光栄です」

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